- 4Dイメージングレーダープラットフォームによって安全性の向上、簡素化、リスク低減、大幅なコスト削減を達成、すべての車両モデルで最先端の安全性能を実現可能
- バイアーの多機能型シングルセンサープラットフォームは、最も厳しいEuro NCAPの車内安全性評価において、今後の評価方法の変更にも対応し、最大10ポイントを獲得可能とすると同時に、大幅な簡素化とコスト削減を実現する。
- 乗員の命を守るシングルセンサーソリューションが「幼児置き去り検知」と、対象座席が拡大される「シートベルトリマインダー」の両方の機能を果たし(「コンボ」ソリューション)、世界中で何千という子供の命を奪ってきた車内熱中症の発生と、シートベルト未着用による無数の死傷事故を防止する。
- かつてない超高解像度の4Dデータを利用して、すべてのOEMメーカーとティア1サプライヤーは安全性・快適性に関する複数の高度なアプリケーションをシングルセンサープラットフォーム上で独自開発でき、世界で最も安全な車内安全ソリューションで乗員の情報を確実に把握できる。
- たったひとつの高性能4Dイメージングレーダーオンチップが車内全体をカバーし、センサー7個分の働きをするため、ハードウェアや配線やコストの削減につながる。
イスラエル、テルアビブ, 2021年2月2日 /PRNewswire/ -- 4Dイメージングレーダー技術の市場を牽引するバイアー(Vayyar)は、すべての道路利用者を守るという使命をさらに推し進め、車内安全性を確保する「コンボ」ソリューションを自動車業界で初めて開発しました。コンボソリューションとは、これまで何千という子供たちの命を奪ってきた車内熱中症の発生と、シートベルト未着用による無数の死傷事故を防止するという2つの役割を1つのセンサーで果たすものです。バイアーは、多機能に対応するシングルチッププラットフォームをティア1サプライヤーおよびOEMメーカーに提供することにより、すべての車両モデルに手頃な価格で最先端の安全性を保証することを目指します。
車内安全性の向上に向けた世界的取り組みのひとつとして、Euro NCAPでは2023年以降、すべての試験プロトコルにおいて、評価基準がより厳格化されます。幼児置き去り検知(CPD: Child Presence Detection)には最大4ポイントが配分され、乗員検知(Occupant Status: OS)の安全性評価では、前席および後席のシートベルトリマインダー(Seat Belt Reminder: SBR)の既存要件がプラス3ポイントを獲得するための必須条件となります。バイアーが提供するソリューションにより、CPDとOSの安全性評価で貴重な7ポイントを獲得できるとともに、アラームの誤作動が最小限に抑えられ、ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。
安全性を高めるにはセンサー数を増やすのが一般的ですが、それでは自動車メーカーのコストが増加します。車両に搭載されるセンサーは年間約220億個といわれ、IHSマークイット社の予測によると、2018年から2030年にかけて、センサー関連のコストは40%増加するとされています。こうした現状を踏まえつつ、安全基準が今後も急速に厳しさを増していくことを考えると、市場に出回る車両モデルには2030年までに1台につき約200個のセンサーが必要になると想定されます。各センサーに関連するハードウェア、ソフトウェア、配線、ECU、システム統合なども複雑さとコストが大幅に増加し、価格を抑えた車両ではハイエンドの安全性を達成することが不可能となります。
シングルチッププラットフォームで多機能に対応する業界初の車内安全向けソリューションであれば、OEMメーカーとティア1サプライヤーは、こうした課題を解決できます。バイアーが先進的技術を駆使して開発したセンサーはコスト効率に優れ、価格はローエンドの代替品と変わりません。しかも量産可能で、どのような車両モデルでも、車内の安全性評価で最大ポイントを獲得できるよう設計されています。
バイアーのコンボソリューションはシングルチップ構造のレーダーオンチップ(RoC)を使用し、2023年からEuro NCAPに導入される幼児置き去り検知(CPD)と対象座席が拡大されるシートベルトリマインダー(SBR)の両方の機能を果たし、キャビン全体をセンサー1つでカバーします。現在使用されている多数の車内センサーは不要となり、車室内の全乗員の検出と分類をセンサー1つで行い、CPDを極めて正確に実行します。コンボソリューションは周囲の明るさに関係なく効果的に動作し、遮るものがあっても検知可能なため、シート上で毛布にくるまっている乳児や、シート下にいる子供も検出します。自動車業界で懸念が高まりつつあるユーザーのプライバシー保護についても、このセンサーはカメラと異なり、プライバシーを侵害することはありません。
コンボソリューションでは、シングルチッププラットフォームが持つ多入力・多出力のアンテナアレイと非常に広い検知範囲を活用します。センサーには48個の送受信器があり、かつてない超高解像度で乗員の検出・分類に関する豊富なデータを提供します。その鮮明さは従来品とは比較になりません。検知範囲が広いおかげで、センサーを車両のヘッドライニング裏側に簡単に装着できるほか、様々な場所に取り付けでき、5人乗りや7人乗り、さらにはサンルーフ搭載車でも使用できます。バイアーのセンサーが人間と物体、子供と大人の識別および乗員が定位置に着座しているかどうかの判断を行い、新次元の安全性を提供します。
CPDとSBRの機能に加え、OEMメーカーとティア1サプライヤーはソフトウェアとハードウェアを組み合わせたエンドツーエンドプラットフォームを利用し、点群レイヤー上に複数の高度なアプリケーションをシームレスに独自開発することができます。例としては、乗員検知(OS)、エアバッグ展開の最適化と作動の動的な解除、シートベルトプリテショナー、「eCall」、バイタルサイン、ジェスチャー認識、着座位置ずれ検出、侵入者検出などがあります。
バイアーのセンサーを1つ採用するだけで、市場投入までの時間短縮、今後のSOPプログラム数の削減、大幅な経費節約が可能となり、日程や予算・実績に伴う様々なリスクの低減にもつながります。車載グレード(AEC-Q100認定、ASIL-B準拠)のこのセンサーは、規格や要件が変更された場合に自動車メーカーが新機能を追加できるよう、フレキシビリティも備えています。そうした変更は開発サイクルの早期段階で導入できますが、その後の段階の場合は業界初となるOTA(Over The Air)アップデートで対応でき、将来を見据えた展開を図ることが可能です。
「自動車業界では安全性の確保が、かつてないほど重視されています。そのため自動車メーカーは、安全性能に関わる主要アプリケーションのサポートに何十個もの単機能センサーを必要とするような、従来の手法の多くを見直しています。多機能に対応するシングルチッププラットフォームは、車内における乗員情報の把握に対する考え方を再定義するきっかけとなり、新たなパラダイムを構築します」と、バイアーの自動車部門統括責任者であるイアン・ポカミエン氏は語ります。「エントリーモデルを含むすべての車両に、最高レベルの安全性を低コストで提供できることを大変誇りに思います」
各自動車メーカーが運転者と乗員を守るために懸命の努力を続ける中、多機能に対応するワンチッププラットフォームは、より高いレベルの安全性を確保できる最も有効な方法です。バイアーが提供する手頃な価格のソリューションが簡素化とコスト削減を実現し、付加価値をもたらし、次世代の自動車安全性能を牽引します。
バイアー・イメージング社(自動車分野)について
バイアーのインテリジェントセンサーは、車載グレードの4Dイメージングレーダー技術を用い、車内とADASの包括的な安全性を確保します。4Dとは、動作、時間、速度を捉える能力を意味します。このセンサーの核となるのが、最大48個の送受信器を内蔵し、超高解像度を誇る高性能レーダーオンチップです。バイアーが開発したシングルチップレーダーモジュールは60GHz帯と79GHz帯を使用し、超広角をカバーできるため検知範囲が非常に広く、車両のセンサー数を大幅に削減できます。車内と車両周囲をくまなく監視しつつ、複数の検知対象や物体を追跡します。バイアーの技術は多機能で低価格、量産も可能です。レーダーベースのプラットフォームはロバスト性に優れ、道路状況に左右されず、ユーザーのプライバシーも守ります。バイアーは今よりさらに安全な世界を目指し、小型で低価格で幅広い用途に対応する次世代センサー技術の開発を継続していきます。
補足情報
従来のレーダーソリューションは2〜3個の送信アンテナと3〜4個の受信アンテナという構成ですが、4Dイメージングレーダーは、MIMO(多入力・多出力)の48アンテナアレイを活用して周囲状況の高解像度マッピングを可能とします。豊富な点群データ出力と、方位角・仰角両方における非常に広い視野とを組み合わせ、抜群の精度で検出と追跡を行い、道路前方の安全を最大限に守るセンサーです。
Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1428974/vayyar.jpg?p=medium600