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PwC:ブロックチェーン技術はトラッキング、トレーシング、信頼の向上で2030年までに世界経済を1.76兆米ドル押し上げる可能性

PwC
2020-10-13 16:21 2165

ロンドン, 2020年10月13日 /PRNewswire/ --*商品・サービスのトラッキング、トレーシングに最大の経済的潜在力(9620億米ドル)

*行政、教育、ヘルスケアの各部門に最大の恩恵

*ブロックチェーンは中国(4400億米ドル)と米国(4070億米ドル)に最大の潜在的純便益をもたらす可能性

PwCの新たな分析によると、ブロックチェーン技術は今後10年で世界の国内総生産(GDP)を1.76兆米ドル押し上げる潜在力がある。

これは、ブロックチェーン技術が現在どのように使用されているかを評価し、ブロックチェーンが世界経済に与え得る影響を探ったPwCの新たなリポート「信頼の時:ブロックチェーンを見直す1兆ドルの理由」(http://www.pwc.com/timefortrust )の主要な結論である。経済的価値を生み出す潜在力でランク付けしたブロックチェーンの上位5つの使用法の分析を通じて、リポートは、ヘルスケア、行政、公共サービスから製造、金融、物流、小売まで、幅広い業界に価値を生み出す同技術の潜在力を評価している。

PwC UKのSteve Daviesパートナー兼ブロックチェーン担当グローバルリーダーは「ブロックチェーン技術は長年、ビットコインなどの暗号通貨と関連付けられてきたが、とりわけ公的機関や民間組織のデータの保護、共有、使用方法に関して、提供できるものが数多くある」と指摘。「各組織がCOVID-19パンデミックの影響に取り組む中で、多くの破壊的傾向が加速している。今回の分析は、組織や社会全体の信頼、透明性、効率を向上させることで事業を再構築、再構成していくに当たり、ブロックチェーンには組織をサポートする潜在力があることを示している」とコメントした。

*リポートは、ブロックチェーンの5つの主要な応用分野を明らかにし、経済分析と業界調査により経済的価値を生み出す潜在力を評価している。分析は、ブロックチェーン技術が世界経済全体で大規模採用されると予想される2025年が転換点になると示唆している。

*COVID-19パンデミックの際、多くの企業のサプライチェーンの新たな優先事項として浮上した商品やサービス、あるいは原産地のトラッキング、トレーシングには、最大の経済的潜在力(9620億米ドル)がある。ブロックチェーンは広範囲に応用可能で、鉱業を含む重工業からファッションブランドに至るまで幅広い企業をサポートし、持続可能で倫理的な調達に関する社会や投資家の監視の高まりに対応できる。

*デジタル通貨の使用を含む決済や金融サービス、あるいは国境を越えた金融包摂や送金による支払いのサポート(4330億米ドル)。

*詐欺や個人情報窃取を防止する個人ID、専門資格や証明書などのID管理(2240億米ドル)。

*契約や紛争解決へのブロックチェーン活用(730億米ドル)や、ロイヤルティープログラムでのブロックチェーンの使用を含む顧客エンゲージメント(540億米ドル)は、ブロックチェーンの可能性をさらに広範囲の公的および民間産業部門に拡大する。

ブロックチェーンの成功は、それを支える政策環境、技術が開く新たなチャンスを活かす準備ができているビジネスエコシステム、および適切な業界の組み合わせ次第である。

全大陸の中で、ブロックチェーン技術から最も大きな経済的利益を得る可能性があるのはアジアである。個々の国では、ブロックチェーンは中国(4400億米ドル)と米国(4070億米ドル)に最も高い潜在的純便益をもたらす可能性がある。その他、ドイツ、日本、英国、インド、フランスの5カ国にも500億米ドルを超える純便益があると推定される。

中国やドイツなど製造業に重点を置く国々は原産地やトレーサビリティーでより多くの恩恵を受け、米国は証券化や決済、さらにIDや認証情報への適用で最も恩恵を受けるなど、受けるメリットは国により異なる。

部門別に見ると、最も大きなメリットがあるのは行政、教育、ヘルスケア部門になりそうである。PwCは、ブロックチェーンがIDや認証情報の世界にもたらす効率性を活かすことで、これらの部門には2030年までに約5740億米ドルのメリットをもたらすと予想している。

一方、ビジネスサービス、通信、メディアにはより幅広いメリットがあり、卸売業者、小売業者、製造業者、建設サービスは、ブロックチェーンを使って消費者の関心を引き、原産地やトレーサビリティー要求に応えることでメリットが得られる。

ブロックチェーンが組織の将来戦略の一部と見なされる可能性があることは、ビジネスリーダーを対象とするPwCの調査にもつながっている(https://www.pwc.com/gx/en/ceo-agenda/ceo-panel-survey.html )。それによると、最高経営責任者(CEO)のほぼ3分の2(61%)が、COVID-19から事業を立て直すに当たって、中核的事業活動とプロセスのデジタル化を上位3つの優先事項の1つに挙げている。

Steve Davies氏は「組織が新技術の導入で犯しがちな最大のミスの1つは、それを社内の熱心な人たち任せにしてしまうことだ。戦略的チャンスと価値の研究、特定と、業界内での適切なレベルのコラボレーションを促す経営陣のサポートが必要だ。企業が現在取り組んでいる経済的混乱の規模を考えれば、うまくいった場合の延長、拡張が可能な概念実証の使用を確立することで、企業はその価値を見極める一方、ソリューションの信頼性と透明性を高めてブロックチェーンの潜在力を発揮させられるようになる」と語った。

リポートは、ブロックチェーンの潜在的な経済的影響力を発揮させるには、そのエネルギー経費を管理しなければならないと警告している。ネットゼロ転換への取り組みを含む、気候変動に対する企業や政府の行動の拡大は、組織がインフラリソースの統合、共有のための新たなモデルを検討し、従来のデータセンターやその全体技術に関連したエネルギー消費への依存を減らす必要があることを意味している。

リポートのダウンロードはこちらから:http://www.pwc.com/timefortrust

▽注意書

1. 調査方法:PwCのリポートは、ブロックチェーン技術の結果としての国内の商品とサービスの正味の付加価値であるブロックチェーンのGDPへの影響に注目している。今回の調査は、利用可能な商品やサービスの普及と品質向上が予想通りに進んだ場合、ブロックチェーン技術が2030年までに世界経済に与え得る影響のシナリオを提供している。本リポートはCOVID-19の影響を別個にモデル化したものではない。しかしながら、パンデミックが様々な部門のリモートワークや技術ソリューションを促してきたことを勘案し、分析ではブロックチェーンの経済的影響を推定する際に慎重なアプローチを取った。調査方法の詳細はリポートを参照:http://www.pwc.com/timefortrust

2. 本リポートは、人工知能(AI)(https://www.pwc.com/gx/en/issues/data-and-analytics/publications/artificial-intelligence-study.html )、拡張現実と仮想現実 (https://www.pwc.co.uk/issues/intelligent-digital/virtual-reality-vr-augmented-reality-ar.html )、ブロックチェーン(http://www.pwc.com/timefortrust )など新技術の経済的影響と実際の使用事例を検証するPwCシリーズの一部である。

3. PwCとは、PwCネットワークと1つ以上のメンバー法人、あるいはそのいずれかを指し、それぞれは別個の法人である。詳細はwww.pwc.com/structure を参照。

▽PwCについて

PwCの目的は、社会に信頼を築き、重要問題を解決することである。われわれは157カ国にある法人のネットワークで、27万6000人を超える人々が質の高い保証、助言、税務サービスの提供に取り組んでいる。詳細や相談したいことがある場合は、www.pwc.com にアクセスを。

PwCとは、PwCネットワークと1つ以上のメンバー法人、あるいはそのいずれかを指し、それぞれは別個の法人である。詳細はwww.pwc.com/structure を参照。

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ソース: PwC