【シンガポール2019年3月22日PR Newswire=共同通信JBN】シンガポールのWeBankのヘンリー・マー副社長兼最高情報責任者は、Money 20/20の来場者に未来の「オープンバンキング」の世界を紹介し、オープンバンキングサービスの「3 O」(スリーオー)パラダイムと関連の課題に取り組むための対応アプローチを発表した。
ガートナーは「オープンバンキング」を、データ、アルゴリズム、取引記録、および手順がエコシステム内で共有され、サービスを顧客、従業員、第3者のデベロッパー、フィンテック企業、ベンダーを含むパートナーに提供するプラットフォームビジネスであると定義している。
ヘンリー・マー氏は、オープンバンキングモデルは銀行がその商品、リスク、技術能力を特定の産業に組み込むことを可能にし、その結果、銀行はターゲットの顧客により直接的にアプローチできる、と考えている。
これはお互いに利益のある状況である。銀行は、顧客がさまざまなシナリオの下で最も必要とするコンテキストベースの金融サービスを提供でき、他方、金融専門知識や能力を持たないパートナーの企業も顧客により良いサービスを提供できる。その結果、銀行は、従来銀行を利用してこなかったロングテール市場に到達することが可能となり、インクルーシブファイナンスを効果的に促進することができる。
「オープンバンキング」は2018年、中国の銀行から大きな注目を集めたが、それらの多くの銀行がAPIテクノロジーに基づくオープンバンキング・プラットフォームを導入した。
しかしながら、ヘンリー・マー氏によると、オープンバンキングはAPIテクノロジー以上のものであり、「3 O」パラダイム、すなわち「オープンプラットフォーム(Open Platform)」、「オープンイノベーション(Open Innovation)」、「オープンコラボレーション(Open Collaboration)」によって特徴付けられる。
*「オープンプラットフォーム」は、パートナーに銀行サービスを提供するため、API、SDK、H5テクノロジーの使用が不可欠である。
*「オープンイノベーション」は、オープンソースソフトウエア、知的財産ライセンス、リファレンス実装を促し、パートナーシップを強化する。
*「オープンコラボレーション」は、分散型テクノロジーの上に事業提携を促進する。
現在、WeBankは「3 O」パラダイムを積極的に実践しており、金融業界の使用事例、ならびに法務サービス、メディア、エンターテインメント、公共・政府サービス、リテールビジネスなどのその他の業界パートナーの使用事例に同銀行の最先端のテクノロジーを適用している。WeBankは、コンテクスト的な金融サービスのイノベーター、テクノロジーコミュニティーのパイオニア、そして協力的なビジネスエコシステムの設計者となることを目指している。
オープンバンキングの発展に伴って、リスクと課題が生じる。サイバーセキュリティー、多様かつ多数のパートナーとのコネクティビティー、事業継続性、データプライバシー、企業文化は、対応すべき典型的な分野である。
これらの課題に取り組むためには、エンドツーエンドのサイバーリスク評価メカニズムを作り上げるとともに、パートナーとの接続性を簡略化し、包括的な事業継続プランを構築し、ブロックチェーンベースの分散型アイデンティティーとプライバシー保護ソリューションを導入し、機敏で分散的な意思決定の文化を育成する「オープンコンソーシアムチェーン」のような革新的テクノロジーを採用する必要がある。これらはWeBankの「オープンバンキング」時代にとって最も重要なベストプラクティスの一部と考えられている。
Photo - https://photos.prnasia.com/prnh/20190321/2410221-1
ソース:WeBank Co Ltd