【ダルムシュタット(ドイツ)2019年3月5日PR Newswire=共同通信JBN】
*特許の対象は、遺伝子治療・研究を進め、オフターゲット効果を減らすペアCas9ニッカーゼ技術
*同社の全体的なCRISPR特許としては13番目
*CRISPR関連特許を関係者に積極的にライセンス供与
大手科学・技術企業でゲノム編集のリーダーであるメルク(Merck)(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2388064-2&h=3840555483&u=https%3A%2F%2Fc212.net%2Fc%2Flink%2F%3Ft%3D0%26l%3Den%26o%3D2388064-2%26h%3D328798815%26u%3Dhttps%253A%252F%252Fwww.merckgroup.com%252F%26a%3DMerck&a=Merck )は5日、カナダ特許庁が真核細胞内でのペアCRISPRニッカーゼ使用を対象としたメルクの特許申請を許可した。この特許は、最終的には患者に届けられる治療困難な疾患の治療法を開発する際、正確な方法を必要としている科学者に、重要かつより明確なソリューションを提供する。
メルクのウディット・バトラ取締役兼ライフサイエンス事業部門最高経営責任者(CEO)は「この特許は、健康な細胞には影響を与えずに病変遺伝子を治すCRISPRの能力を向上させる技術を対象としており、CRISPR治療の安全性をさらに向上させるものだ。メルクは15年間、ゲノム編集イノベーションの最前線に立ってきており、今回の特許取得は、当社の基礎的なCRISPR切断・結合の知的財産を一層拡大し、科学者が遺伝子治療研究を進めるのに役立つ」と語った。
CRISPR技術はメルクのコアコンピテンシーである。同社は、倫理的および法的基準を慎重に考慮しつつ、ゲノム編集の研究を支援している。メルクは、独立した外部のBioethics Advisory Panel(生命倫理諮問委員会)(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2388064-2&h=3407059452&u=https%3A%2F%2Fc212.net%2Fc%2Flink%2F%3Ft%3D0%26l%3Den%26o%3D2388064-2%26h%3D3156828697%26u%3Dhttp%253A%252F%252Freports.merckgroup.com%252F2017%252Fcr-report%252Fproducts%252Fbioethics.html%26a%3DBioethics%2BAdvisory%2BPanel&a=Bioethics+Advisory+Panel )を設立。ゲノム編集あるいはその利用に関する研究を含む、同社の事業に関わる研究向けにガイダンスを提供し、さらに研究や応用分野で使用できる有望な治療アプローチ情報を提供する際、科学的、社会的問題を考慮した上で、明確な経営上の立場を規定している(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2388064-2&h=3114576659&u=https%3A%2F%2Fc212.net%2Fc%2Flink%2F%3Ft%3D0%26l%3Den%26o%3D2388064-2%26h%3D3208219101%26u%3Dhttps%253A%252F%252Fwww.merckgroup.com%252Fcontent%252Fdam%252Fweb%252Fcorporate%252Fnon-images%252Fcompany%252Fresponsibility%252Fen%252Fregulations-and-guidelines%252Fgenome-editing-principle-EN.pdf%26a%3Dposition&a=position )。
今回のカナダの特許は、メルクにとってカナダで2番目、世界では13番目となる。2018年末にオーストラリアと欧州でも同様の特許が付与された。この最新の特許は、オフターゲット効果を軽減し、柔軟性が高く効果的なアプローチで特異性を高めるペアニッカーゼを対象としている。
ペアニッカーゼは、染色体配列の反対側の鎖をニッキングまたは切断して二本鎖切断を行うことで連携する、共通の遺伝子標的を標的とする2つのCRISPRニッカーゼである。このプロセスには、メルクのCRISPR結合技術と同じ方法で挿入するための外因性またはドナー配列を含めることができる。2つのCRISPR結合事象の要件は、ゲノムの他の場所でのオフターゲット切断の危険性を大幅に低下させる。
メルクのCRISPR統合特許ポートフォリオには、オーストラリア、カナダ、中国、欧州、イスラエル、シンガポール、韓国で付与された特許が含まれている。これらのCRISPR特許は、希望するゲノム改変を実現するための、染色体組み込み、あるいは真核細胞の配列の切断やDNA配列の挿入のためのものである。
メルクは、あらゆる分野での使用に同社の特許ポートフォリオ全てをライセンス供与している。
メルクは、ゲノム編集用のカスタム生体分子(TargeTron(TM)RNA誘導グループIIイントロンおよびCompoZr(TM)ジンクフィンガーヌクレアーゼ)を世界で初めて提供した企業で、世界中の研究者によるこれら技術の採用を推進した。メルクはまた、全ヒトゲノムを網羅するアレイ化されたCRISPRライブラリーをつくり、科学者が根本原因についてより多くの疑問を探求できるようにすることで、疾病治療を加速させた最初の企業でもある。
メルクは基本的なゲノム編集研究に加え、遺伝子や細胞ベースの治療法の開発を支援し、ウイルスベクターを製造している。メルクのライフサイエンス事業には、ゲノム編集から遺伝子医薬品製造まで、この分野への同社のコミットメントをさらに強固なものにする、新たなモダリティでの研究の促進を目指すゲノム編集専門のグループがある。
メルクのフォローは以下まで。
メルクの全ニュースリリースは、メルクのウェブサイトで公開されると同時に、電子メールで配布される。オンラインでの登録、サービスの選択変更または中止は、www.merckgroup.com/subscribe まで。
▽メルクについて
メルク(Merck)は、医療、ライフサイエンス、高機能素材分野の大手科学・技術企業である。約5万1000人の従業員が、より楽しく持続可能な暮らし方を生み出すことで、何百万もの人々の生活に日々、プラスの変化をもたらすため働いている。遺伝子編集技術の推進や、最も困難な疾患を治療するための独自の方法の発見から、インテリジェントなデバイスの実現まで、メルクはいたるところにある。メルクは2017年、66カ国で153億ユーロの売上を達成した。
科学的調査と責任ある起業家精神が、メルクの技術的、科学的進歩の鍵となってきた。1668年の創業以来、メルクはこのように繁栄してきた。創業家が今も、上場企業の株式の過半数を所有している。メルクは、「メルク」の名称とブランドに対する世界的な権利を保有している。唯一の例外は米国とカナダで、同社は医療部門ではEMDセローノ、ライフサイエンス部門ではミリポアシグマ(MilliporeSigma)として、さらにEMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っている。
Photo - https://mma.prnewswire.com/media/827881/CRISPR_EN_Merck.jpg