【ダルムシュタット(ドイツ)2021年10月30日PR Newswire=共同通信JBN】
*メルクの独自技術ChetoSensar(TM)が溶解度の課題を軽減し、ADCに新たな期待
*新たなDOLCORE(TM)プラットフォームが市場化を最大1年短縮
*ADC臨床製造施設拡張がADC受託開発製造機関(CDMO)としての15年の経験を土台に、次世代ADCを推進
*既存と新規のモダリティー向けのプロセスソリューションCDMOサービスを含む「3大」事業の成長加速へ野心を強化
大手科学・技術企業メルク(Merck)は29日、生命科学事業部門が新技術を開始し、抗体薬物複合体(ADC)治療薬の生産力を拡大すると発表した。これらのイニシアチブは、近い将来にADCと非常に強力な医薬品有効成分(HPAPI)の生産力を倍増する新しいモダリティーへの投資と取り組みへの支援を強調するものである。
メルクのAndrew Bulpin生命科学プロセスソリューション責任者は「ADCは著しく成長しており、市販薬として認可されたADCは過去3年で3倍になった。当社はこの分野の先駆者で、現在、市販されている認可ADCの50%に関与している。今回の最新の刷新と生産力増強は、世界中のがん患者に新治療薬をもたらすのに役立ち、こうした新しいモダリティーの未来を形成する当社の取り組みを強化するものだ」と語った。
ChetoSensar(TM)技術の開始により、メルクはCDMOサービスと並行して、ADCの疎水性に取り組む先導者の1社である。多くのADC候補は水溶性に乏しく、ADCの臨床停止の20%以上はこの問題が原因とメルクは推定している。同社の新たなChetoSensar(TM)技術はADCの溶解度を改善し、その結果、これまでは使用を停止されたADCに期待を持たせる。
ADCに一般に利用される搭載薬物は、合成するのに多くの工程が必要な高度な複合分子である。メルクの計算によると、同社の新たなDOLCORE(TM)プラットフォームは必要な開発・製造時間を大幅に短縮し、新しいDolostatinベースのADC搭載薬物の市場化を最大1年早める。
さらに、同社は米ミズーリ州セントルイスの臨床製造施設のADC生産力を12月に拡大する。この施設は面積を拡大し、初期臨床サプライのクロマトグラフィー精製を含む大規模生産が可能になる。これは、米ウィスコンシン州マディソン近郊のメルク施設の5900万ユーロの拡張発表(announcement )に続くもので、HPAPIのキロラブ生産力を倍増して、HPAPI、ADCリンカー・搭載薬物、複合API(有効成分)の製造を促進できる。
この刷新と生産力増強は、生命科学事業部門の主要推進要素としてのプロセスソリューション事業を含む「3大」事業への投資を通じての成長加速への同社の野心を支える。
ADCの開発・製造で15年の経験があるメルクは、唯一の高度に経験豊富な事業者として効率化された独自のCDMOサービスを提供する。同社はその世界的ネットワークと深い専門知識を活用して、それぞれの分子の独自の工程を仕立て、同時に、製薬メーカーが必要とするダイナミックなクライアント提携関係を生み出し、彼らの重要なマイルストーン達成に役立つ。メルクは受託開発製造を、多様なモダリティーにわたる業界で最も広範囲の生産提供と統合している。顧客は同社の一流のバイオセイフティー試験ポートフォリオからBioReliance(R)サービスもシームレスに組み込むことができる。
メルクは最近、ドイツのダルムシュタット、アイルランドのコーク、スイスのブフス、米カリフォルニア州カールスバッド、米ウィスコンシン州マディソン、米ニューハンプシャー州ジャフリー、米マサチューセッツ州ダンバーズでの拡張プロジェクトを発表した。これらの拡張は、メルクの生命科学事業部門の生産力と機能を増強し、救命医薬品への世界的な需要拡大を支え、公衆衛生に大きく貢献する野心的な複数年プログラムの一環である。
メルクの全ニュースリリースは、メルクのウェブサイトで公開されると同時に、電子メールで配布される。オンラインでの登録、サービスの選択変更または停止は、www.merckgroup.com/subscribe まで。
▽メルクについて
大手科学・技術企業のメルク(Merck)は、医療、生命科学、電子工学の分野で事業展開している。約5万8000人の従業員が、より楽しく持続可能な暮らし方を生み出すことで、多くの人々の生活に日々、前向きの変化をもたらすよう取り組んでいる。遺伝子編集技術の推進や、最も困難な疾患を治療するための独自の方法の発見から、インテリジェントな機器の実現まで、メルクはいたるところにある。メルクは2020年、66カ国で175億ユーロの売上高を達成した。
科学的探求と責任ある起業家精神が、メルクの技術的、科学的進歩の鍵となってきた。1668年の創業以来、メルクはこのように繁栄してきた。創業家が今も、上場企業の株式の過半数を所有している。メルクは、「メルク」の名称とブランドに対する世界的な権利を保有している。唯一の例外は米国とカナダで、その事業部門は医療ではEMDセローノ、生命科学ではミリポアシグマ(MilliporeSigma)として、さらにEMD Electronicsとして営業している。
Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1671958/Merck_Germany_Next_Gen_ADCs.jpg?p=medium600