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人種差別体験が記憶力低下と認知機能低下の増大に関係

Alzheimer's Association International Conference (AAIC)
2022-08-02 21:54 1145

【サンディエゴ202281PR Newswire=共同通信JBN】サンディエゴで1日にバーチャルでも開催された2022Alzheimer's Association International ConferenceR)(アルツハイマー病協会国際会議(R))(AAICR))(Alzheimer's Association International Conference )で報告された研究によると、構造的、対人的、制度的な人種差別の体験は、特に黒人の間で、中年と老年期の記憶スコアの低下と認知の悪化に関係している。

2022AAICで報告された主な結論は次の通り:

*中年で地域社会で暮らす1000人近くの成人(中南米系55%、黒人23%、白人19%)を対象とした研究では、対人関係と制度上の人種差別への遭遇は記憶スコアの低下と関連しており、これらの関連は黒人個人によって引き起こされていた。構造的人種差別の経験は、研究に含まれたすべての人種・民族グループの中で、エピソード記憶の低下と関連していた。

445人の90歳以上のアジア系、黒人、中南米系、白人、多人種の人々を対象とした研究では、生涯にわたり幅広い差別を経験した個人は、差別をほとんどまたは全く経験しなかった人々と比較して、晩年の意味記憶が低かった。

Alzheimer's Associationの最高多様性・公平性・包摂性責任者Carl V. Hill博士・公衆衛生学修士は「完全な包摂性への一歩として、健康の公平性を達成するために、個人と社会は人種差別やその他の形態の差別を特定し、なくさなければならない。われわれは、十分なサービスを受けられず、偏った影響を受け、過小評価されている人々が安全で、世話をされ、尊重される社会を創出する必要がある」と語った。

Alzheimer's AssociationAlzheimer's Disease Facts and Figures2022年報告書(2022 Alzheimer's Disease Facts and Figures )によると、アルツハイマー病などの認知症にかかる可能性が黒人は約2倍、ヒスパニック/ラティーノ(中南米系)は約1.5倍高い。

構造的な人種主義と差別のさまざまな種類と体験は、社会経済的地位の低下、質の低い早期教育、健康食品や適切な医療へのアクセスが少ないこと、など体系的な不平等の一因となっている。これらの要因は、黒人/アフリカ系米国人、中南米系米国人、その他のコミュニティーで生涯にわたり、脳の健康に個々に、また累積的に影響を与える。

African Methodist Episcopal Church International Health Commission医長のMiriam J. Burnett牧師(医学博士、神学修士、公衆衛生学修士)は「これらの体系的な格差は、質の高いケアや、貴重な健康情報やサポートを提供するソーシャルネットワークなど、重要な健康保護リソースへのアクセスが少ないことに関係している」と語った。

ペンシルベニア大学看護学部助教授でNational Association of Hispanic Nursesの会員であるAdriana Perez博士・CRNPANP-BCFAANFGSAは「社会的・環境的要因と同様に、一貫したリソース不足の蔓延は、アルツハイマー病やその他の認知症のリスクを高める心血管疾患や糖尿病など他の健康状態の格差につながる」と語った。

▽記憶スコアの低下に関連する重層的人種差別

研究によると、対人的および構造的な人種差別は、認知老化における人種的民族的格差の一因であることが示唆されている。しかし、重層的人種差別が生涯を通じて認知にどのように影響するかについては、ほとんど理解されていない。この知識ギャップを埋めるため、コロンビア大学アービング医療センターGertrude H. Sergievsky Centerの博士課程修了研究者であるDominika Seblova博士は健康の公平性に関する専門知識を持つ学際的な研究者チームと協力し、942人の中年成人(平均年齢55歳、女性 64%、中南米系 55%、非中南米系黒人 23%、非中南米系白人 19%)の対人関係、制度的、構造的人種差別の体験を評価した。

黒人の参加者は、すべてのレベルで人種差別に最もさらされていた。彼らは、黒人地区での制度的ディスインベストメント(負の投資)によりリソースが奪われていることが知られている隔離地域で育ち、居住する可能性が高い。黒人の参加者は、生涯で平均6回の公民権侵害を経験し、少なくとも週に1回は対人差別にさらされていた。これらの体験は記憶スコアの低下と関係しており、関係の大きさは実年齢の1-3歳に対応していた。構造的人種差別は、サンプル全体でエピソード記憶の低下と関係していた。

コロンビア大学アービング医療センター教授(神経心理学)でこの研究の主執筆者であるJennifer Manly博士は「疎外されたコミュニティーの間で人種差別や対人差別に慢性的にさらされることは、身体に影響を与え、生理学的健康に影響を与えるストレスにつながり、認知機能低下の進行の一因となる可能性がある。全体としてわれわれの調査結果は、人種差別が脳の健康に影響を与え、疎外されたグループのアルツハイマー病の不公平な重荷の一因となっていることを示す」と語った。

▽高齢者の認知力低下は差別体験と関連

差別は、健康の不平等の根本的原因である。しかし、差別が、超高齢者と呼ばれることもある最高齢者の認知老化の格差の一因となっているかどうかは不明である。カリフォルニア大学デービス校公衆衛生科学学部助教授(疫学)のKristen George博士と同僚たちはこの問題に答えるため、ライフアフター 90LA90)研究のアジア系、黒人、白人、中南米系、多民族の参加者の多様な集団における主要な差別の生涯経験と認知機能と機能低下の関係を調べた。

468人の参加者(20.5% アジア系; 21.8% 黒人; 14.5% 中南米系; 35.7% 白人; 7.5% 多民族)の登録時の平均年齢は93歳だった。参加者は、平均1.2年にわたり3つの認知評価を完了した。参加者は、アンケートを介して主要な生涯差別の経験を報告し、その回答に基づきグループ化された。

*グループ1は、職場での差別(すなわち、不当に解雇された、雇用されていない、昇進していない)を報告し、ほとんどが白人男性で構成されていた。

*グループ2は、生涯にわたってほとんど、ないし全く差別を報告しておらず、白人女性とアジア系、黒人、中南米系の高齢者で構成されていた。

*グループ3は、いくつかの分野(職場、金融、住居など)で差別を経験したと報告し、このグループの参加者はすべて非白人だった。

研究者は、グループ1(職場差別)の参加者は、グループ2(差別なし)と比較して、実行機能と意味記憶の領域におけるベースライン認知レベルが高いことを発見した。グループ3(広範な差別)は、グループ2と比較して、意味記憶がベースラインでより悪かった。全グループでは、時間の経過による認知低下に差がなかった。

George氏は「これらの調査結果は、最高齢者の間で、認知機能の不平等が生涯にわたる主要な差別の体験を説明した後も持続することを強調している。このグループの信じられないほどの長寿にもかかわらず、差別は認知の健康に消えることのない影響を与えており、最高齢者は依然、健康格差の解消、是正の取り組みの恩恵を受ける立場にある」と語った。

Alzheimer's Association International ConferenceR)(AAICR))について

Alzheimer's Association International ConferenceAAIC)は世界中のアルツハイマー病とその他の認知症を専門とする研究者の世界最大の集まりである。Alzheimer's Associationの研究プログラムの一環であるAAICは認知症に関する新しい知識を生み出し、活気ある共同研究コミュニティーの発展を促進する触媒の働きをする会議である。
AAIC 2022ホームページ: www.alz.org/aaic/
AAIC 2022ニューズルーム:www.alz.org/aaic/pressroom.asp
AAIC 2022ハッシュタグ:#AAIC22

Alzheimer's AssociationR)について

Alzheimer's Associationは、アルツハイマー病のケア、サポート、研究を専門とする世界的なボランティア健康組織である。その使命は、世界的な研究を加速し、リスクの低減と早期発見を推進し、質の高いケアとサポートを最大化することで、アルツハイマー病と他の全ての認知症の根絶に道を開くことである。理想は、アルツハイマー病や他すべての認知症(R)のない世界である。https://www.alz.org/ を参照するか、+ 1 800.272.3900に電話を。

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ソース: Alzheimer’s Association