【ニューヨーク2021年10月13日PR Newswire=共同通信JBN】DarwinHealth, Inc.は13日、Prelude Therapeuticsが開発中の複数の分子抗がん剤をトランスレーショナル軌道に乗せる新規バイオマーカーを同定するため、同社の「臨床試験向けバイオマーカー拡充戦略(Biomarker Enrichment Strategies for Trials)」(BESTプラットフォーム)を採用した共同科学研究を発表した。
DarwinHealthは共同研究で、マスターレギュレーター(MR)タンパク質および腫瘍チェックポイントに焦点を当てた、独自の定量的なシステム生物学ベースのアルゴリズムやCLIA承認技術、検証済みの手法を用いて、血液腫瘍と固形腫瘍の両方を対象にPreludeの裁量で実施される臨床試験の患者群選択の精度を大幅に向上させる、タンパク質ベースの新規バイオマーカーを同定する。
DarwinHealthの共同創業者で、コロンビア大学システムバイオロジー学部長兼クライド・アンド・ヘレン・ウー教授のAndrea Califano教授は「このバイオマーカーに焦点を当てた共同研究の目的は、Preludeの分子薬パイプラインの全体的および腫瘍特異的作用機序を評価し、特性を明らかにし、これらの薬剤を反応性の高い患者群につなげる新規バイオマーカーを同定することにある。さらに、本共同研究では、Prelude Therapeuticsが選んだ複数の血液悪性腫瘍および固形腫瘍のサブタイプにおいて、様々な発がん経路を標的とするPreludeの分子薬パイプラインの潜在的治療機会を機構的に明らかにする。本研究では、VIPERアルゴリズムを活用して、サブタイプを特定した腫瘍の生存に必要な主要なマスターレギュレーター(MR)タンパク質モジュール(腫瘍チェックポイント)に対するこれら多様な化合物の活性を明らかにする」と説明した。
DarwinHealth最高科学責任者(CSO)のMariano Alvarez博士は「BESTイニシアチブは、Preludeの分子薬パイプラインがサブタイプを特定した腫瘍チェックポイント活性を反転させる潜在力を評価するため、化合物と腫瘍を特定した正確で実用的な情報を提供する。こうした研究の目的は、検証済みの化合物/腫瘍サブタイプ/バイオマーカーの幅広い組み合わせを生み出し、バイオマーカー開発や患者選択のためのエビデンスとメカニズムに基づくロードマップを作成、臨床試験の加速を図ることにある」と説明した。
BESTイニシアチブの一環として、DarwinHealthは、様々なタイプの腫瘍において、厳選したPreludeの分子薬パイプラインの潜在的臨床価値の包括的計測値を提供する。DarwinHealthは、従来の技術では明らかにならない可能性のある重要な機会を活用するため、定量的モデリングとバイオマーカーを中心としたトランスレーショナルパスウェーを通じて、生体内検証研究の設計も支援する。
DarwinHealthの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のGideon Bosker博士は「BEST共同研究は、抗がん剤の発見に焦点を当て、バイオテクノロジー、バイオ医薬品業界の重要な満たされていないニーズの1つに応えるものだ。それは、最終的効果が、がん依存性の根底にある制御プログラムの複数の標的に向けられたオンターゲットおよびオフターゲットの薬剤効果の不完全な範囲の結果として得られる可能性がある、化合物の臨床反応の予測能力が高いバイオマーカーを開発することだ。このような不確実性は、バイオマーカーの概念を、薬剤の主要な(つまり、高親和性の)標的だけでなく、われわれの統合的な計算・実験手法によって同定された多タンパク質分類にまで拡大することにつながる」と指摘した。
特に、BESTプラットフォームで同定された新規の多タンパク質分類は、DarwinHealthが以前、多発性骨髄腫について報告している(N Engl J Med 2019;381:727-38. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1903455 )およびDLBCL(British Journal of Haematology; 02 August 2021, https://doi.org/10.1111/bjh.17730 )。
これらの技術は、腫瘍の状態維持に必要な患者固有のMRタンパク質を不活性化する薬剤の能力をベースに、薬剤候補とがん患者の間のメカニズムの一致を同定するには理想的である。重要なのは、これらの発見は、バイオマーカーを使用した精密なヒト臨床試験や商業開発へと迅速に成熟させられることである。
▽DarwinHealth, Inc.(ダーウィンヘルス)について
DarwinHealth:Precision Medicine Therapeutics for Cancer Medicineは、CEOのGideon Bosker医学博士とコロンビア大学システムバイオロジー学部長兼クライド・アンド・ヘレン・ウー化学システムバイオロジー教授のAndrea Califano教授が共同で創業した、「がんの最前線」技術に焦点を当てた企業である。同社の技術は、過去14年にわたりCalifano研究室で開発され、コロンビア大学から独占的にライセンス供与されている。DarwinHealthの技術は、実用的かつ予期できないことが多い小分子薬と特定の腫瘍サブタイプや患者群の機械的かつバイオマーカー指向の組み合わせを、プロテオミクスレベルで同定するために開発された。従って、小分子薬と免疫腫瘍学ベースの開発経路の両方で、抗がん剤パイプラインの開発を加速することができる。
DarwinHealthは、独自のシステムバイオロジー・アルゴリズムを活用し、事実上、全てのがん患者を、治療成果の上がる可能性が最も高い薬剤や薬剤の組み合わせと一致させる。Bosker博士は「逆に、同じアルゴリズムで、ヒトの悪性腫瘍の全スペクトルに対する未知の潜在力のある治験薬や化合物の組み合わせや新たながん標的に優先順位を付けることもできる。これは、化合物パイプラインの最適化と機序的に実行可能な新たながん標的と、化合物と腫瘍の組み合わせの発見の両方を追求している製薬会社にとって極めて有益だ」と説明した。
DarwinHealthの社是は、システムバイオロジーに根ざした新たな技術を展開して、がん治療の臨床転帰を改善することである。その核となる技術であるVIPERアルゴリズムは、がんの実行可能な新種の治療標的であるマスターレギュレーター・タンパク質の密に結合したモジュールを識別できる。方法論は、以下の2つの補完軸に沿って適用される。まず、DarwinHealthの技術は、がん細胞の制御ロジックのより根本的かつ深い段階で、創薬可能な標的の体系的な識別、検証をサポート、当社と当社の研究パートナーが、根本的かつより普遍的な腫瘍の依存性と機序に基づく次世代の効能を引き出すことができるようにする。第2に、医薬品の開発と発見の観点から、マスターレギュレーターをベースとする潜在的に創薬可能な新たな標的とそうした標的のアップストリーム・モジュレーターの特定が同じ技術でできる。腫瘍チェックポイントの解明とターゲティングに重点を置いたDarwinHealthの腫瘍構造アプローチは、ここに、精度重視のがん治療薬の発見と治療を前進させるために最も重要なソリューションとリポジショニング・ロードマップを提供する。
DarwinHealthが採用している独自の精密医療ベースの手法は、同社の重要なコンピューターインフラを共同開発したDarwinHealthのCSO、Mariano Alvarez博士をはじめとする研究首脳が著した膨大な科学文献に裏付けられている。こうした独自の戦略は、コンピューター上、体外、体内の分析データを統合することにより、がん細胞のゲノムワイドな制御およびシグナル伝達ロジックをリバースエンジニアリング、分析する機能を活用している。これにより、医薬品資産の正確な開発曲線を解明、加速、検証できるよう設計された完全統合型の薬物特性評価・発見プラットフォームを提供、臨床および商業化の可能性がフルに実現できる。詳細については、www.DarwinHealth.com を参照。
▽Prelude Therapeutics(プレリュード・セラピューティクス)について
Prelude Therapeuticsは、細胞のがん化経路を標的とする革新的な医薬品候補を開発している臨床期精密抗がん剤企業である。同社の主要製品候補は、PRMT5の強力、かつ選択的な経口阻害剤となるよう設計されている。Prelude初の臨床候補薬PRT543は、進行性の固形腫瘍と一部の骨髄性悪性腫瘍を対象に第1相開発段階にある。Preludeは、脳への高曝露用に最適化された2番目のPRMT5阻害剤、PRT811の開発も進めており、多形性膠芽腫(GBM)など対象に第1相臨床試験中である。同社のパイプラインには、再発/難治性の血液悪性腫瘍患者を対象に第1相開発中の3番目の臨床候補薬である経口MCL1阻害剤PRT1419、および前臨床試験が最も進んでいる2つの候補薬であるCDK9阻害剤PRT2527とSMARCA2タンパク質分解剤PRT-SCA2も含まれている。
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