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INOVIOがAdvaccineとの提携を拡大しCOVID-19のDNAワクチン候補INO-4800のグローバル第3相有効性試験を実施

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
2021-06-09 17:27 1148

 【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2021年6月8日PR Newswire=共同通信JBN】

 *第3相有効性試験は世界のワクチン提供が不十分な地域で今夏開始予定

*INO-4800が第2相試験で全年齢層で高い耐容性と免疫原性を示したとの先ごろの発表に続くニュース

 感染症、がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患から人々を守り、治療するための精密設計DNA医薬品の市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業INOVIO(NASDAQ:INO)は8日、既に発表しているAdvaccine Biopharmaceuticals Suzhou Co., Ltd.(「Advaccine」)との提携を拡大し、INNOVATE(INOVIO INO-4800 Vaccine Trial for Efficacy)と呼ばれる実施中の第2/3相試験のグローバル第3相部分を共同で実施すると発表した。両社は協力して、主に中南米とアジアの数カ国の18歳以上の被験者を対象に、1カ月の間を置いてINO-4800(2.0 mg)を2対1の無作為化比で2回投与し、安全性と有効性を評価する。第3相部分の主要評価項目は、COVID-19疾患をウイルス学的に確認することになる。2.0mgの投与量は、INO-4800が試験対象となった全年齢層で概ね高い耐容性と免疫原性を示した第2相部分の結果を受けて決定された。

 INOVIOの社長兼最高経営責任者(CEO)のJ. Joseph Kim博士は「現在、世界のほとんどの国のCOVIDワクチンの接種率が10%未満で、INOVIOとAdvaccineはこの夏、INO-4800のグローバル第3相試験を早急に開始する必要があると感じている。INOVIOは、最近発表した(published )INO-4800の第2相データで、同ワクチンが試験対象の全年齢層で高い忍容性と免疫原性を示したことに意を強くしている。既に発表済みの研究結果(previously announced study )で、INO-4800は、懸念されているSARS-CoV-2変異株に対しても、広範な交差反応性免疫反応を発現させることが判明しており、世界中のより多くの人々により大きな予防効果をもたらすことができるかもしれない」と語った。

 Kim博士は「INO-4800は、承認されれば、国際社会のワクチンニーズに十分対応することができると考えている。これまでの試験結果で、忍容性が高く、バランスのとれた中和抗体と望ましいT細胞反応(CD8およびCD4)を発現し、投与が容易であることが分かっている。室温で1年以上安定しており、低温輸送や超低温輸送を必要としない強力な熱安定性プロファイルがあり、ワクチン供給が十分でない国々向けのワクチンの展開をサポートできるユニークな製品だ。INO-4800は初期臨床データで安全に再投与できることが示されており、一次ワクチンとして承認される可能性に加え、ブースターワクチンとして使用される可能性もある」と続けた。

 Advaccineの創業者兼会長のBin Wang博士は「INOVIOと当社との提携拡大には多くの相乗効果があり、INO-4800のグローバル第3相試験には非常に期待している。忍容性、免疫原性の高いCOVID-19ワクチンを世界中のより多くの人々に届けられるのが楽しみだ。AdvaccineはDNAワクチンの大規模GMP製造設備をつくり上げ、このほど中国の規制当局からワクチン製造許可を取得、同ライセンスを保有する中国では数少ない企業の1つとなった。当社は、核酸ベースのCOVID-19ワクチンの満たされていないグローバルニーズに応えるため、製造能力のさらなる拡大に取り組んでいる」と語った。

 提携拡大を受け、INOVIOとAdvaccineは規定の制限と条件の下で、約1億ドルと推計されているグローバル第3相試験計画の総費用を均等に負担する予定。提携拡大は、Advaccineが中国本土、香港、マカオ、台湾を含む中華圏でINO-4800を開発、製造、商品化する独占的権利を保有するとの2021年1月に発表済みの独占契約(announced )を含む、両社間の既存の関係の延長線上にある。拡大された契約に基づき、Advaccineは中華圏以外のアジア諸国における権利も得る。Advaccineは、INO-4800の中国での第1相、第2相臨床試験の資金提供をはじめとして、INOVIOとのINO-4800の共同開発で豊富な経験を有している。

 グローバル第2/3相試験は、米国防総省化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)が保健問題担当国防次官補室(OASD(HA))、国防保健局と連携して資金提供したINOVIOの第2相部分をベースにしている。試験結果は、査読に先立ち、「Safety and immunogenicity of INO-4800 DNA vaccine against SARS-CoV-2: A Preliminary Report of a Randomized, Blinded, Placebo-controlled, Phase 2 Clinical Trial in Adults at High Risk of Viral Exposure(SARS-CoV-2に対するDNAワクチンINO-4800 の安全性と免疫原性:ウイルス暴露リスクの高い成人を対象とする無作為化・盲検・プラセボ対照・第2相臨床試験の暫定報告)」と題したプレプリント論文としてMedRxivに掲載された論文で確認できる。INO-4800の初期研究開発資金は、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とビル&メリンダ・ゲイツ財団から提供された。

 臨床試験自体の開始に加え、INOVIOは、臨床試験施設の提供が期待できるいくつかの国と、それらの国で規制当局の承認が得られた場合にINO-4800を供給する可能性を盛り込んだ先行市場契約について協議中である。

 ▽INO-4800の第2/3相臨床試験「INNOVATE」について

第2/3相臨床試験INNOVATEの第2相部分は、3つの年齢層(18-50歳、51-64歳、65歳以上)にINO-4800かプラセボのいずれかを3対1の無作為化比で2回投与(1.0mgまたは2.0mg)し、安全性、忍容性、免疫原性を評価するべく設計された。第2相のデータは、INO-4800が試験対象となった全年齢層で忍容性、免疫原性が高いことを示しており、第3相部分に入るに当たって投与量は2.0mgが選択された。

試験のグローバル第3相部分は、18歳以上の健康な男性と妊娠していない女性を登録、第2相の投与量確認データに基づき2回投与した場合のINO-4800(2.0 mg)の有効性の評価が目的である。試験は、主に中南米とアジアのワクチン提供が十分でない国々で実施される。参加者は2対1の割合で無作為に登録され、INO-4800かプラセボのいずれかを投与される。第3相部分は状況次第で、最終的な登録者数は第3相部分の実施期間中のCOVID-19の発生率によって決められる。第3相部分の主要評価項目は、COVID-19疾患をウイルス学的に確認することである。

 ▽INO-4800について

INO-4800は、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスSARS-CoV-2に対するINOVIOのDNAワクチン候補である。INOVIOはコロナウイルス関連事業の経験が豊富で、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こす関連コロナウイルスのDNAワクチン候補INO-4700の第2a相試験を開始した最初の企業である。

 精密設計されたDNAプラスミドから成るINO-4800は、皮内投与の後、独自のスマートデバイスを使用した電気穿孔法によりDNAプラスミドを体内の細胞に直接送達し、忍容性の高い免疫反応を発現させるよう設計されている。INO-4800は室温で1年以上、摂氏37度で1カ月以上安定している唯一の核酸ベースのワクチンで、通常の冷蔵温度での予測保存可能期間は5年、輸送・保管中の冷凍の必要はない。これらはいずれも、集団予防接種準備の際に考慮すべき重要な要素である。

 ▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて

INOVIOには、HPV関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得て開発中のCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖DNAである、精密設計DNAプラスミドから成る。

 INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRA(R)デバイスは、短い電気パルスを使い、細胞に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドを注入、他のDNAや核酸アプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRA(R)デバイスで投与することで、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の設計と生産の相対速度、保管、輸送中に冷凍の必要がない製品の安定性、持続性のある免疫反応、数々の臨床試験で観察されてきた忍容性である。

 3000人以上の患者が様々な臨床試験において、7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

 ▽INOVIOについて

INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、INOVIOの主力候補薬VGX-3100は、HPV16型と18型、あるいはそのいずれかが引き起こす前がん性子宮頚部異形成の治療に向けた第3相試験REVEAL 1において、有効性評価項目を達成した最初のDNA医薬品である。VGX-3100は、前がん性外陰部異形成と肛門異形成に対する治療効果を評価する別の第2相試験でも良好な有効性結果を示した。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスやCOVID-19の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DoD)、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、カネカユーロジェンテック、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、サーモフィッシャーサイエンティフィック、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。

▽問い合わせ先

メディア向け 
Jeff Richardson 
267-440-4211 
jrichardson@inovio.com 

投資家向け
Ben Matone 
484-362-0076 
ben.matone@inovio.com 

ソース: INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
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