【寧徳(中国)、シュツットガルト(ドイツ)2021年5月21日PR Newswire=共同通信JBN】
*CATLは2024年から、メルセデス・ベンツのトラック「eActros LongHaul (eアクトロス・ロングホール)」向けバッテリーを供給
*両社は、トラック専用のより進化した次世代バッテリーセルとパックを共同で設計、開発していく予定
*「CATLとの強力なコラボレーションを拡大、強化することは、当社が電動化の動きを加速し、トラック業界のゼロエミッション化をリードする上で重要な役割を果たす」 - ダイムラー・トラックAG(Daimler Truck AG)のMartin Daum最高経営責任者(CEO)
*「両社の強力なグローバルパートナーシップにより、eモビリティーステージにおけるダイムラー・トラックAGのマーケットポジションがさらに強化され、カーボンニュートラルに向けた動きが加速すると考えている」 - CATLの創業者兼会長兼CEOのRobin Zeng博士
それぞれの分野のグローバルリーダーである商用車メーカー、ダイムラー・トラックAG(Daimler Truck AG)とリチウムイオンバッテリーのメーカー、開発者Contemporary Amperex Technology Co. Limited(CATL)は20日、カーボンニュートラルな電動化トラック輸送の実現という共通のビジョンに基づき、従来のパートナーシップを強化すると発表した。CATLは、2024年に量産体制が整う予定のメルセデス・ベンツのバッテリー式電気トラック「eActros LongHaul」用のリチウムイオンバッテリーパックのサプライヤーになる。供給は2030年以降も続けられる。バッテリーは、高エネルギー密度、超長寿命、急速充電機能を兼備し、バッテリー式の長距離電気トラック特有の要件を満たすものになる。さらに両社は、さまざまなトラックの用途に応じられる高いモジュール性、拡張性と、将来の電気トラックモデルにも適合可能な柔軟性を重視した、トラック専用のより進化した次世代バッテリーセルとパックを共同で設計・開発していく予定。
ダイムラー・トラックAGとCATLは2019年、メルセデス・ベンツの「eActros」、フレートライナーの「eCascadia」「eM2」などの電気トラックシリーズ向けのリチウムイオンバッテリー・セルモジュールのグローバル供給契約を締結した。ダイムラー・トラックAGは2020年9月、計画的な長距離ルートでのエネルギー効率の高い輸送を実現する、航続距離約500kmの「eActros LongHaul」を発表した。
ダイムラー・トラックAGの取締役会会長で、ダイムラーAGの取締役でもあるMartin Daum氏は「パリ協定へのコミットメントと、当社が全力で取り組んでいる道路上でのカーボンニュートラルな輸送の実現という最終目標を達成するには、パートナーシップが不可欠だ。CATLとの強力なコラボレーションを拡大、強化することは、当社が電動化の動きを加速し、トラック業界のゼロエミッション化をリードする上で重要な役割を果たす。当社は2021年以降、顧客志向の革新的な電気トラックの量産車を幅広く発売していく」と語った。
CATLの創業者兼会長兼CEOのRobin Zeng博士は「e-モビリティーにおける共通のビジョンに基づき、ダイムラー・トラックAGとの既存のパートナーシップを強化できることを非常にうれしく思う。CATLの革新的なEVバッテリー技術と、ダイムラー・トラックの大型トラック業界に関する深い専門知識という、両社の強力なグローバルパートナーシップにより、eモビリティーステージにおけるダイムラー・トラックAGのマーケットポジションがさらに強化され、カーボンニュートラルに向けた動きが加速すると考えている」と語った。
▽CATL:革新的バッテリーソリューションを通じたカーボンニュートラルの促進
CATLは、カーボンニュートラルの目標を達成するべく、据え置き式や移動式のエネルギーシステムに使われている化石燃料を、最新のバッテリーと再生可能エネルギーが生み出す高効率の電力システムで代替し、電化とインテリジェント化による市場アプリケーションの総合的イノベーションの促進を目指している。ダイムラー・トラックAGとのパートナーシップ拡大は、このジャーニーにおける重要な節目であり、CATLのクリーンエネルギーソリューションで世界の商用車の電化を加速する新たなチャンスの到来でもある。
CATLは、化学構造システム、構造システム、極限製造、ビジネスモデル全体で継続的なイノベーションを行い、最先端の価値ある製品を顧客や消費者に提供している。1500回充電しても劣化しないLFPケミストリーシステムと革新的なセルツーパック(CTP)テクノロジーが特長の、ユニークな商用車向けバッテリーソリューションにより、エネルギー密度が高く、超長寿命、信頼性が高く、優れたコスト効率を誇る車両用バッテリーが誕生した。
SNE Researchによると、CATLの2020年のEVバッテリー消費量は、4年連続世界第1位にランクされており、その32%は商用車向けである。このデータソースは、CATLのEVバッテリーを搭載したトラックとバスの世界販売数が2021年3月までに34万3000台を超え、CATLが商用車市場で最大のEVバッテリーサプライヤーとなったことも示している。
▽Contemporary Amperex Technology Co., Limitedについて
Contemporary Amperex Technology Co., Limited(CATL)は、新エネルギー車用のバッテリーシステムとエネルギー貯蔵システムの研究開発、製造、販売を行っている、リチウムイオン電池業界のグローバルリーダーである。SNE Researchによると、CATLは2020年、4年連続でEVバッテリーの消費量で世界第1位にランクされた。
中国の寧徳に本社を置くCATLは、寧徳(福建省)、リツ陽(江蘇省)、西寧(青海省)、宜賓(四川省)、肇慶(広東省)に国内のバッテリー製造拠点がある。CATLは現在、グローバルに事業を拡大しており、ミュンヘン(ドイツ)、パリ(フランス)、横浜(日本)、デトロイト(米国)に海外子会社を開設している。ドイツのエアフルトで現在、欧州の生産拠点が建設中である。同社(300750.SZ)は2018年、株式を上場した。詳細については、http://www.catl.com を参照。
▽ダイムラー・トラックAG(Daimler Truck AG)について
ダイムラー・トラックAGは、世界中に35以上の主要拠点があり、約10万人の従業員を擁する世界最大の商用車メーカーの1つである。ダイムラー・トラックAGは持続可能な企業戦略を追求しており、2039年までに欧州、日本、北米で、走行時にカーボンニュートラル(「タンクから車輪まで」)な新車のみの販売を目指している。早ければ2022年には、主要販売地域である欧州、米国、日本のダイムラー・トラックAGの車両ポートフォリオに、バッテリー駆動システムを搭載した量産車が加わる予定。ダイムラー・トラックAGは、2027年までに水素ベースの燃料電池車の量産車を追加し、ポートフォリオを補完する予定である。ダイムラー・トラックAGは既に、数百台の車両を顧客に使用してもらい、電気自動車に関する包括的かつ実践的な専門知識を獲得しており、世界中の顧客によるバッテリー駆動試験および量産トラック・バスの総走行距離は1000万kmを超えている。