- Xevinapantは頭頸部の未治療の局所進行扁平上皮がんに対するFDA画期的治療指定薬のアポトーシスタンパク質拮抗薬の最初の阻害剤であり、現在の標準治療と併用されます。
- 第II段階の試験ではこの患者集団において、Xevinapant+化学放射線療法が標準治療と比較して死亡リスクを51%減少させたことが報告されました。2020年9月に第III段階の試験が開始しました。
- Merck社は独占的なグローバル開発および商品化の権利を獲得しています。Debiopharm社は契約一時金として1億8800万ユーロ、マイルストーンとして最大7億1000万ユーロ、及びロイヤリティの支払いを受け取ります。
ローザンヌ、スイス– 2021年3月4日 – Debiopharm社 (www.debiopharm.com)はスイスに拠点を置く世界的なバイオ医薬品企業であり、本日科学技術の大手企業であるMerck社とXevinapant (デビオ1143)の開発及び商業化のための独占的ライセンス契約の署名を発表しました。アポトーシス阻害タンパク質 (IAP) 拮抗剤 アンタゴニストの強力な経口薬であるXevinapantは、後期臨床開発におけるこのクラスで唯一の医薬品であり、クラスで最初になる可能性があります。Xevinapantは現在、治療歴のない高リスク局所進行性頭頸部扁平上皮がん(LA SCCHN)を対象とした重要な第III段階TrilinX試験において、プラチナ製剤をベースとした化学療法および標準分割強度変調放射線療法との併用で調査されています。Merck社は頭頸部がんの分野で強力な商業的足跡を残していることから、優れた第II段階データを活用し、xevinapantをがん患者のための変革的治療法にするためのパートナーとして選ばれています。
本ライセンス契約の条件に基づき、Merck社は米国を含む世界中でxevinapantの開発および商品化をする独占的権利を得ています。Merck社はDebiopharm社と現在進行中のTrilynXの第III段階の登録試験に共同出資を行います。この試験は高リスクのLA SCCHNでシスプラチン適格患者を対象とした根治的化学放射線療法 (CRT) にxevinapantを追加した場合のプラセボに対するxevinapantの有効性と安全性を評価する世界的な二重盲検プラセボ対照700ランダム化臨床試験です。
この世界ライセンス契約はDebiopharm社が実施した臨床開発への取り組みに報いると共に、同社独自のビジネスモデルの機敏性と妥当性を示した重要な成果です。医薬品開発に焦点をあてることで、Debiopharm社は最も革新的な発見を最も優れた製薬パートナーと橋渡しすることができます。
「Debiopharm社では、治癒への野望に駆り立てられています。私たちのビジネスモデルは患者様のニーズと満たされていない医療ニーズに基づいています。これまでのxevinapantのデータは頭頸部がん患者の標準治療を改善する極めて重要な可能性を示しています。これは数十年にわたり新しい治療法が登録されていないことを示しており、Merck社は頭頸部がんに関する深い知識とその世界的な販売能力を有しており、xevinapantを前進させるための非常に有能なパートナーとなり、頭頸部がんおよびその他の適応症における治療の次なるゴールドスタンダードとして位置づけることができます。」とDebiopharmのCEOであるBertrand Ducrey氏は述べました。
「頭頸部がんにおける私たちの専門知識と伝統をxevinapantの開発に取り入れることで、免疫療法を含む他のアプローチが限定的な成功しか収めていなく、満たされていないニーズの高い分野における重要な新しい治療選択肢を探求する機会が得られます。第II段階の臨床試験で有望な長期有効性が示されたことから、IAPの拮抗作用がこのがんの変革的なアプローチとなる可能性があることが示唆しています。私たちはDebiopharm社のxevinapantの強力な臨床プログラムで示されたこの強力な概念実証に基づいて、この可能性のある新しい標準治療を開発し続けます。」とMark社の取締役飮メンバーおよびヘルスケアCEOのPeter Guenterは述べました。
「局所的に進行した頭頸部がんは特有の衰弱性があり、飲み込み、話しかた、呼吸する能力を損なうことがよくあります。現在の標準治療では、患者の少なくとも半数が、通常最初の2年以内に再発します。CRTにxevinapantを追加することで死亡リスクを半減させた第II段階試験の有効性に基づいて、この治験薬は待望の新しい標準治療を提供する可能性があります。」 とローザンヌ大学病院の放射線腫瘍学部門長であり、第III段階のTrilinX試験の主任研究員であるJean Bourhis教授は述べました。
以前に報告された無作為化二重盲検第II段階の臨床試験の結果では、主要評価項目である18ヵ月時点での局所領域制御率が、高リスクLA SCCHN患者(54% [95%CI:39~69]と33% [95%CI:20~48];オッズ比2・69 [95%CI:1·13~6·42];p=0・026)を対象としてプラセボ群およびCRT群と比較して、xevinapantを標準治療CRTに追加することで統計的に有意な21%改善が得られることが示されています。有意な無増悪生存期間 (PFS) の利益も、対照群と比較して、2年間の追跡期間後に観察されました。(HR=0.37, 95% CI:0.18~0.76;p=0.0069)[1]。追跡調査の3年間で、プラセボ+CRTと比較して、xevinapant+CRTは統計的に有意な51%の死亡リスクの低下を示しました(HR=0.49, 95% CI:0.26~0.92;p=0.0261)。xevinapant群の患者の約2/3が3年後に生存していたのに対し、対照群では51%でした。
2020年2月、米国食品医薬品局 (FDA) は第II段階試験の結果に基づき、治療歴のないのLA SCCHNと診断された患者を対象に、現行の標準治療であるプラチナ製剤をベースとした化学療法と標準分割強度変調放射線療法と併用する治療法として、xevinapantに画期的治療法の指定を付与しました。
頭頸部がんについて
世界では、頭頸部がんは年間65万人以上の患者数と33万人の死亡者数を占めており、6番目に多いがんの種類です[2]。LASCCHNは非常に衰弱性の高い疾患であり、進行するにつれて呼吸障害、嚥下障害、および言語障害につながる可能性があります[3]。標準治療CRTにも関わらず、 LA SCCHN患者の少なくとも40%~60%は局所領域又は遠隔再発を発症します。これは通常治療の最初の2年以内に検出され、新しい治療アプローチを特定する必要性を強調します[4]。
xevinapantについて
Xevinapant(Debio1143)は IAPs (アポトーシスタンパク質の阻害剤)の潜在的なファーストインクラスの強力な経口拮抗薬です。前臨床研究では、 xevinapantはがん細胞のアポトーシスに対する感受性を回復させ、それによりがん細胞のの主要な抵抗性メカニズムの1つを奪います。最も臨床的に進行したIAP拮抗薬として、 xevinapantは化学放射線療法 (CRT) 単独療法と比較して、臨床的に有意で持続的な臨床的効果を伴って、高リスクの局所進行性頭頸部扁平上皮がん(LA SCCHN)の患者において、化学放射線療法(CRT)との併用療法での有効性の証明されました。
患者様へのDebiopharm社の取り組み
Debiopharm社は、がんおよび感染症などの医療ニーズの高い疾患をターゲットとした革新的治療法を開発しています。破壊的な発見製品と実際の患者へのアプローチとのギャップを埋めるために、私たちはライセンス供与の可能性の高い化合物と技術を特定し、それらの安全性と有効性を臨床的に実証し、そして世界的に患者のアクセスを最大化するために大規模な医薬品事業化パートナーを選択します。Debiopharm社は結腸直腸がんの世界的な標準治療であるoxaliplatinおよび前立腺がん治療の標準治療であるtriptorelinの開発で知られています。XevinapantはDebiopharm社が開発した3番目の変革的治療薬になることが期待されています。
詳細については、www.debiopharm.comをご覧ください。
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Debiopharm 社連絡先
ドーン・ホートン
連絡管理者
Tel: +41 (0)21 321 01 11
References:
[1] Sun XS, Tao Y, Le Tourneau C, et al. Debio 1143 and high-dose cisplatin chemoradiotherapy in high-risk locoregionally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: a double-blind, multicentre, randomised, phase 2 study. Lancet Oncol 2020; 21: 1173-1187.
[2] Bray F, Ferlay J, Soerjomataram I, et al. Global cancer statistics 2018: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin 2018; 68 (6): 394-424.
[3] Johnson DE, Burtness B, Leemans CR, et al. Head and neck squamous cell carcinoma. Nat Rev Dis Primers. 2020 Nov 26;6(1):92.
[4] Machiels, J-P, Leemans, CR, Golusinski, W, et al. Squamous cell carcinoma of the oral cavity, larynx, oropharynx and hypopharynx: EHNS–ESMO–ESTRO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Ann Oncol. 2020 Nov;31(11);1462-1475.