第 16 回目を迎える JCA-Mauvernay Award は、今回、荻原秀明博士および片岡圭亮博士に授与されました。
スイス、ローザンヌ – 2020年10月5日 – スイスの世界的なバイオ医薬品企業である Debiopharm社(www.debiopharm.com)は、10月3日に国立がん研究センター研究所がん治療学分野の荻野秀明博士の研究「Development of Synthetic Lethal Therapy for Chromatin Regulator Deficient Cancers」と、国立がん研究センター研究所分子腫瘍学分野の片岡圭亮博士の研究「Genetic dissection of molecular pathogenesis in human cancer」に対して JCA-Mauvernay Award を授与いたしました。
荻原博士と片岡博士は、「がんの実像を見つめて共に歩む」をテーマにハイブリッド(バーチャル/ライブ)会合として広島で開催された第79回日本癌学会(JCA)学術総会で本賞を受賞されました。Debiopharm社取締役会会長であるティエリー・モーヴェルネがパンデミックの状況下で授賞式に出席できなかったため、JCAの会長である中釜斉博士とDebiopharm 社の在日代表である能見貴人博士が両受賞者にトロフィーならびに副賞を贈呈いたしました。
荻原秀明博士の研究は、癌細胞がある変異を持つことによりその生存を特定の分子に依存するようになり、その特定の分子を標的とした治療薬に対して感受性が高くなる合成致死性に焦点をおいています。この標的を治療剤で阻害することにより、変異を持つがん細胞を殺滅することができますが、一方でそのような変異を持たない正常な細胞には影響がありません。
片岡圭亮博士は、人のがんにおける遺伝子変異の大規模な解析に関する研究に携わってこられ、腫瘍が免疫を回避する原因の一部を同定されました。また、片岡博士は一つの癌遺伝子の中に起こる複数の変異を同定され、こうした変異は異なる種類のがん細胞においても認められました。これらの複数変異の一部は、腫瘍のクローン選択に寄与する可能性があります。
「荻原秀明博士と荻原秀明博士のがんの研究へのコミットメントと熱心な取り組みに対して褒賞できることを誇りに思います。日本を訪れることができないことは非常に残念ですが、本年の学会は世界の科学的協力と研究が将来の治療法の開発にとって重要であることを明らかにしました」と、Debiopharm社取締役会会長であるティエリー・モーヴェルネは述べました。
JCA-Mauvernay Award について
2005 年以来、日本癌学会(JCA)と Debiopharm Group は 「JCA-Mauvernay Award」を共同で授与しています。この賞は、日本とスイスの間の科学的協力関係、および研究者の原動力となる知的好奇心に焦点をあてています。基礎研究と臨床応用の両方の観点から、腫瘍学の分野における日本の研究者による卓越した業績を高く評価することを目的としています。賞金総額は 25,000 スイスフランです。
Debiopharm 社のがん患者への取り組み
Debiopharm 社は、腫瘍学領域で未だ満たされていない医療ニーズに対する革新的な治療法の開発に取り組んでいます。革新的な製品を現実の患者さんの手に間違いなく届けるために、有望な薬剤候補を見つけてインライセンスし、安全性と薬理効果を臨床で証明した後、商業化のために大規模な製薬企業とパートーナーシップを結び、その製品を世界各地の多くの患者さんの手にお届けしています。過去40年にわたる成果に対して、Debiopharm社は、「Swiss Biotech Success Story 2020 (2020年スイスのバイオテク会社の成功物語)」という評価を受け、これからもがんに対する革新的な治療薬の開発を目指して研究開発を続けて参ります。こうした取り組みにより、最近 xevinapant(Debio 1143)が FDA の画期的治療薬として指定され(すなわち、公式に医薬品開発の迅速化が認められました)、頭頸部がんの高リスク患者を対象とした第 III 相の TrilynX 治験を開始いたしました。
詳細については以下のページをご覧ください:www.debiopharm.com
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Debiopharm 社へのお問い合わせ
ドーン・ホートン
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