【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年11月17日PR Newswire=共同通信JBN】感染症やがんから人々を守り、治療するための精密設計DNA医薬品の市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業INOVIO(NASDAQ:INO)は16日、米食品医薬品局(FDA)からCOVID-19ワクチン候補INO-4800の第2/3相臨床試験計画の第2相部分に進む許可を受けたと発表した。INNOVATE(INOVIO INO-4800ワクチン有効性試験)と呼ばれる第2/3相臨床試験計画は、米国の成人を対象に実施されるINO-4800の無作為化・盲検・プラセボ対照・安全性・有効性試験である。INNOVATE試験は、米国防総省(DoD)化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)が、保健問題担当国防次官補室(OASD(HA))、国防保健局(DHA)と連携して資金を提供する。
試験の第2相部分は、感染リスクの高い3つの年齢層(18-50歳、51-64歳、65歳以上)それぞれにとってより適切な投与量を確認するため、INO-4800を2回投与(1.0 mgまたは2.0 mg)した場合の安全性、忍容性、免疫原性を、各投与量ごとにINO-4800またはプラセボのいずれかを投与する3対1の無作為化試験で、引き続き第3相有効性評価が行われる。INNOVATE試験の第3相部分は、INOVIOがINO-4800を直接皮内に送達するために使用するCELLECTRA(R)2000デバイスに関連するFDAの残りの疑問を満足のいく形で解消するまで、部分的な臨床保留状態に置かれている。当社は、第2相部分の実施期間中、そして試験の第3相部分の開始前に、デバイスに関する残る疑問を解消する予定。
INOVIOの社長兼最高経営責任者(CEO)、J. Joseph Kim博士は「COVID-19パンデミックとの戦いで安全かつ効果的なワクチンの開発に精力的に取り組んできたINOVIOチームを非常に誇りに思う。第2相試験の開始は、INO-4800にとって極めて重要な節目だ。われわれは、現役の軍人、軍属のためのINO-4800開発促進でDoDとのパートナーシップを継続できることをとりわけ喜んでおり、COVID-19と戦う当社の技術に対する同省の変わらぬ信頼に感謝している」と語った。
Kim博士はさらに、「INO-4800の重要な差別化要因は、われわれがこれまで観察してきた安全性、忍容性データ、およびその優れた熱安定性プロフィルだ。これにより、冷凍コールドチェーンを必要としない大規模生産と輸送が可能になる。INO-4800は安全に再投与する能力も維持しており、CD4 +とCD8 +の両方のT細胞反応を刺激する能力でも差別化されている」と述べた。
FDAの続行許可は、INOVIOの非臨床データ、デバイス情報、第1相試験の安全性、免疫原性の暫定データ、および第2相、第3相臨床試験の設計、計画の審査に基づき出された。試験の第2相部分では、それを受けた第3相部分で計画されている有効性評価の用量確認のため、最大17の米国施設で約400人の参加者を登録して安全性と免疫原性を評価する予定。
DoDは、同社独自のスマートデバイスCELLECTRA(R)3PSPの大規模製造とCELLECTRA(R)2000デバイスの調達のため、6月に発表した7100万ドルの資金に加え、INNOVATE臨床試験の第2相、第3相の両部分への資金提供にも同意した。
▽INO-4800「INNOVATE」第2/3相臨床試験について
INNOVATE試験の筆頭治験責任医師は、ペンシルベニア大学病院の医学教授Pablo Tebas博士である。試験の第2相部分は、3つの年齢層(18-50歳、51-64歳、65歳以上)それぞれにとってより適切な投与量を確認するため、INO-4800を2回投与(1.0 mgまたは2.0 mg)した場合の安全性、忍容性、免疫原性を、各投与量ごとにINO-4800またはプラセボのいずれかを投与する3対1の無作為化試験で、引き続き第3相有効性評価が行われる。当社は、感染率の高い環境やSARS-CoV-2にさらされるリスクが高い地域で働いたり、居住していたりして、とりわけ閉鎖された環境で露出時間が比較的長い、あるいは個人用保護具(PPE)が一貫して使用されていない可能性がある特定の人々を対象として、登録の多様性確保に熱心に取り組もうとしている。
試験の第3相部分でINOVIOは、第2相の評価データに基づき提案された用量の有効性を評価するため、18歳以上の健康な男性と妊娠していない女性を登録する予定である。参加者は、1対1の割合で無作為に登録され、INO-4800かプラセボのいずれかの投与を受ける。第3相部分は状況次第で、最終的な登録者数は第3相部分の期間中のCOVID-19の発生率によって決められる。第3相部分の主要評価項目は、COVID-19疾患をウイルス学的に確認することである。
▽INOVIOのINO-4800開発促進国際協調体制について
INOVIOはINO-4800の開発を急ぐため、協力者、パートナー、資金提供者の国際協調体制をつくり上げた。現在までの研究・開発協力者は、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学、テキサス大学、復旦大学、ラヴァル大学などである。INOVIOは、Advaccine、国際ワクチン研究所と連携、それぞれ中国および韓国でINO-4800の臨床試験を実施している。INOVIOは、英公衆衛生庁(PHE)、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)と共に、いくつかの動物実験モデルでINO-4800の前臨床効果の評価も行っている。INOVIOは、商業規模のINO-4800生産に向け、サーモフィッシャーサイエンティフィック、Richter-Helm BioLogics、Ology Bioservicesなどの受託製造業者チームと協力しており、安全で効果的なワクチンに対する世界的需要急迫に応じられるよう、生産能力を一層拡大するため、さらなる外部資金とパートナーシップを求めている。これまでに感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、米国防総省が、INO-4800の開発と生産に多額の資金を提供した。
▽INO-4800について
INO-4800は、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染予防のために開発されたINOVIOのDNAワクチン候補である。INOVIOはコロナウイルス関連事業の経験が豊富で、SARS-CoV-2関連の別のコロナウイルスである中東呼吸器症候群(MERS)のワクチンINO-4700の第2a相試験を始めた最初の企業である。
INO-4800は室温で1年以上安定しており、集団予防接種実施の際の重要な要素である輸送・保管時の冷凍の必要がない唯一の核酸ベースのワクチンである。
▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて
INOVIOには、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。
INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAデバイスは、短い電気パルスを使い、細胞に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドを注入、その他のDNAや、mRNAなど他の核酸アプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRAデバイスで投与することで、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の考案と生産の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、数多くの製品の臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロフィル、忍容性である。
2000人以上の患者が様々な臨床試験において、7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。
▽INOVIOについて
INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DOD)、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、サーモフィッシャーサイエンティフィック、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。
▽問い合わせ先
メディア向け
Jeff Richardson
+1 267-440-4211
jrichardson@inovio.com
投資家向け
Ben Matone
+1 484-362-0076
ben.matone@inovio.com