フィレンツェ(イタリア)
2020年11月16日
/PRNewswire/ --
イタリアの株式非公開製薬・診断会社メナリニ・グループ(Menarini Group)は14日、欧州医薬品庁(EMA)ヒト用医薬品委員会(CHMP)が、悲惨な転帰を伴う侵攻性の血液悪性腫瘍、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の成人患者の治療の第一選択として、ELZONRIS(タグラクソフスプ)の単剤療法承認に肯定的見解を採用したと発表した。CHMPの肯定的見解は、治療未経験あるいは治療歴のあるBPDCN患者にこれまで実施されてきた最大の前向き臨床試験に基づくものである。
CHMPの見解は、欧州連合(EU)全体でヒト用医薬品の販売承認を与える権限を持つ欧州委員会で審査されることになる。承認されれば、ELZONRISはBPDCNの最初で唯一の治療法となり、この満たされていない高い医療ニーズに対応する、EU全体で利用可能な初の承認済みCD123標的療法となる。
メナリニ・グループのElcin Barker Ergun最高経営責任者(CEO)は「本日のCHMPの肯定的見解はBPDCNに苦しむ欧州の患者にとって重要な節目であり、難治性がんに冒された人々の生活を改善するという当社の強いコミットメントの表れだ。BPDCNは希少かつ侵攻性の疾患で、現在、EUで承認されている治療の選択肢はない。このため、BPDCN患者がELZONRISを使えるようにすることに一歩近づけたのがとりわけうれしい」とコメントした。
ELZONRISは、現在はメナリニ・グループの傘下にあるステムライン・セラピューティクス(Stemline Therapeutics)が米国で最初に商用発売した、CD123を標的とする標的療法薬である。買収条件に基づき、ステムラインの株主は、欧州委員会の承認後、EU5国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国)のいずれかでELZONRISの最初の販売が完了し次第、各株主に1株当たり1.00ドルの現金を与える取引不能の不確定価額受領権(CVR)1つを受領した。
ELZONRISは2018年、米食品医薬品局(FDA)によって承認され、米国では現在、成人および2歳以上の小児患者のBPDCNの治療に使用できる。
▽ELZONRIS(R)について
CD123を標的とする標的療法薬ELZONRIS(R)(タグラクソフスプ)は、米食品医薬品局(FDA)によって承認されており、成人および2歳以上の小児患者のBPDCNの治療薬として米国で市販されている。米国における全処方情報は、www.ELZONRIS.com を参照。
ELZONRISは、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄線維症(MF)、急性骨髄性白血病(AML)など他のCD123 +適応での追加臨床試験でも評価が行われており、CD123 +オールカマー試験を含むその他の試験も計画されている。
▽BPDCNについて
かつては芽球性NK細胞リンパ腫と呼ばれていたBPDCNは侵攻性の血液悪性腫瘍で、多くの場合、皮膚症状を伴い、歴史的にみて予後不良である。BPDCNは通常、骨髄と皮膚あるいはそのいずれかで発症、リンパ節や内臓で見つかる場合もある。BPDCNの由来細胞は、形質細胞様樹状細胞(pDC)前駆細胞である。BPDCNの診断は、CD123、CD4、CD56の免疫表現型診断、およびその他のマーカーに基づいて行われる。世界保健機関(WHO)は2008年、それまで芽球性NK細胞リンパ腫、無顆粒CD4 +/CD56 +血液皮膚腫瘍などと呼ばれていた同疾患を「BPDCN」と命名した。詳細については、BPDCN疾患啓発ウェブサイトwww.bpdcninfo.com を参照。
▽CD123について
CD123は、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)や、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄線維症(MF)など特定の骨髄増殖性腫瘍(MPN)、急性骨髄性白血病(AML)(特定のAMLサブセットで濃縮される可能性もある)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病(CML)を含む幅広い悪性腫瘍の細胞表面に発現する標的である。CD123は、多発性骨髄腫(MM)、急性リンパ性白血病(ALL)、有毛細胞白血病(HCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、および特定の非ホジキンリンパ腫(NHL)でも報告されている。さらにCD123 +細胞は、いくつかの固形腫瘍の腫瘍内微小環境、および皮膚ループスや強皮症など特定の自己免疫疾患でも検出されている。
▽メナリニ・グループについて
メナリニ・グループ(Menarini Group)は、70カ国以上の直接拠点を含む140カ国に拠点を持つ国際的な大手製薬会社である。同社のグローバルプラットフォームは、欧州、米国、中米、アフリカ、中東、アジア太平洋に広がり、年間売上高は42億ドルを超える。メナリニは腫瘍に集中的に取り組んでおり、米国では既に市販品があるほか、様々な腫瘍を治療するため、いくつかの新たな治験薬の開発を行っている。メナリニは130年以上にわたり、世界中の患者や医師に様々な治療領域をカバーする完全な製品ラインナップを提供するため、医薬品の開発、製造、流通への投資も行ってきた。
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