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メルクが5900万ユーロの抗体薬物複合体(ADC)生産拡大を発表

Merck
2020-09-09 21:00 3118

【ダルムシュタット2020年9月9日PR Newswire=共同通信JBN】

*高効能医薬品有効成分(HPAPI)生産用の最大級の1桁ナノグラム封じ込め製造施設を創設

*抗体薬物複合体(ADC)の連続フロー製造を可能に

*約50人の常勤雇用追加へ

大手科学・技術企業のメルク(Merck)は9日、米国ウィスコンシン州マディソン近くの同社施設で、5900万ユーロの高効能医薬品有効成分(HPAPI)・抗体薬物複合体(ADC)製造能力を拡大すると発表した。この投資は、がん治療の潜在力があるより強力な化合物の大規模製造を可能にする。完成は2022年半ばの予定で、2021年以降、約50人の常勤雇用が追加されるだろう。

Merck is expanding its ADC manufacturing capabilities. ADCs are an emerging class of medicines designed for high-specificity targeting and destruction of cancer cells, while preserving healthy ones.
Merck is expanding its ADC manufacturing capabilities. ADCs are an emerging class of medicines designed for high-specificity targeting and destruction of cancer cells, while preserving healthy ones.

メルク・ライフサイエンスのAndrew Bulpinプロセスソリューション責任者は「ADCは過去10年間にわたり大きく成長し、近年の規制当局認可は標的療法としての将来性を示している。当社はこの分野で35年以上の経験があり、生物製剤、複合体製法、小分子の開発と製造で先頭に立ってきた。この投資は、革新者らと協力して新治療法を迅速かつより効率的に患者にもたらす当社のコミットメントを明確にするものだ」と語った。

メルクの新たな6500平方メートルの業務用建造物は、1桁ナノグラムの職業暴露許容限界物質に対応するよう厳格に設計された最大級のHPAPI専用製造施設となる。このプロジェクトは同社マディソン事業用地に追加される。ここの施設は高活性物質を扱うために設計された北米で初の商業用ADC施設である。新建造物は、ADC生体共役反応、医薬品有効成分、添加剤、補助剤の製造が専門の米国ミズーリ州セントルイスに設置されているメルク事業用地の追加となる。

ADCは、健康な細胞を保護しつつがん細胞に対する高特異性照準・破壊のために設計された新興部類の医薬品である。世界的に現在、認可されたADCは9件しかない。しかし、ADC業界は大きく成長しており、2030年までに130億ユーロに達すると予想されている(注1)。

ADCは他の治療選択肢と比べて多くの利点があるが、独自の課題もある。その開発は複雑で、厳格な封じ込めインフラストラクチャーを要し、その構造的特異性は大小分子の多くの技術と解析能力の専門知識を必要とする。こうした問題があるため、ADCプロジェクトの70%以上は受託開発製造機関(CDMO)に外注されている(注2)。

メルクは小分子、生物製剤、ADC技術の開発・製造で35年以上の経験があり、臨床試験用と商業用の両方の製造で幅広い知識・技術を提供する。同社の総合的サービスポートフォリオは前臨床から商用まで、単一のソースからの医薬品の開発・生産の各段階を組み合わせている。この包括性はリスクの軽減に役立ち、治療薬をより速く患者に届けるプロセスを能率的にする。

メルクのすべてのニュースリリースは、電子メールで配信されると同時に、メルクのウェブサイトで入手できる。オンライン登録、選択変更、ないしサービス中止はwww.merckgroup.com/subscribe にアクセスを。

▽メルクについて

メルク(Merck)は、医療、生命科学、高機能素材分野の大手科学・技術企業である。約5万7000人の従業員が、より楽しく持続可能な暮らし方を生み出すことで、何百万もの人々の生活に日々、プラスの変化をもたらすため働いている。遺伝子編集技術の推進や、最も困難な疾患を治療するための独自の方法の発見から、インテリジェントなデバイスの実現まで、メルクはいたるところにある。メルクは2019年、66カ国で162億ユーロの売上高を達成した。

科学的調査と責任ある起業家精神が、メルクの技術的、科学的進歩の鍵となってきた。1668年の創業以来、メルクはこのように繁栄してきた。創業家が今も、この上場企業の株式の過半数を所有している。メルクは、「メルク」の名称とブランドに対する世界的な権利を保有している。唯一の例外は米国とカナダで、同社は医療部門ではEMDセローノ、生命科学部門ではミリポアシグマ(MilliporeSigma)として、さらにEMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っている。

(注1)"Antibody-Drug Conjugates Market to Be Worth $15bn by 2030(抗体薬物複合体市場は2030年までに150億ドル相当に達する)."-European Pharmaceutical Review, 30 Aug. 2019

www.europeanpharmaceuticalreview.com/news/98037/antibody-drug-conjugates-market-15bn-2030/

(注2)Roots Analysis Private Ltd. ADC Contract Manufacturing Market, 2015-2025(ADC受託製造市場、2015-2025).August 2015

www.adc.expert/2mNns33

Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1250213/merck_adc_expansion.jpg?p=medium600

ソース: Merck