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INOVIOの希少疾患、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)治療用DNA医薬品INO-3107を米FDAが希少疾病用医薬品に指定

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
2020-07-30 11:10 3506

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年7月29日PR Newswire=共同通信JBN】INOVIO(NASDAQ:INO)は29日、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)の治療薬として第1/2相臨床試験で評価が行われているDNA医薬品INO-3107が、米食品医薬品局(FDA)の希少疾病用医薬品に指定されたと発表した。

RRPは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型および11型感染により引き起こされる希少疾患である。RRPが引き起こす非がん性腫瘍の増殖は、生命にかかわる気道閉塞につながり、まれにがんに進行することもある。現在、同疾患は治療不可能で、一時的に気道を回復させるため増殖した腫瘍を切除する手術以外に治療法はほぼない。腫瘍はほぼ必ず再発し、手術は年に複数回繰り返さなければならないことが多い。RRPは、同疾患を患う人々の生活の質に深刻な影響を与えかねない。

希少疾病用医薬品指定は、希少疾患の医薬品開発促進を目的としている。FDAは、希少な疾患または症状の予防、診断、治療用の医薬品に希少疾病用医薬品ステータスを与えている。米国では希少疾病は、米国での有病率が年間20万人未満の疾患または症状と定義されている。今回、FDAの希少疾病用医薬品指定を受けたことで、INO-3107には臨床試験で発生した支出に対する税額控除、新薬申請(NDA)料の免除、FDAからの研究助成金、さらに最も重要なRRP治療薬として認可された場合の7年間の米市場独占権など、様々な開発インセンティブが与えられる。

INOVIOの薬事規制担当上級副社長、Ami Shah Brown医学博士は「INO-3107がFDAの希少疾病用医薬品指定を受けたことは、INOVIOの希少疾患用DNA医薬品開発において重要な節目であり、この患者を衰弱させる症状に対する満たされていない医学的ニーズに向き合うことの重要性を明確に示すものだ」と語った。

INO-3107の非盲検・多施設・第1/2相臨床試験は現在、米国で63人の被験者を募るための登録が行われており、HPV6型か11型またはその両方の関連RRPを有し、過去3年間に年間少なくとも2回の外科的介入による関連乳頭腫切除の必要があった被験者を対象にINO-3107の有効性、安全性、忍容性、免疫原性を評価する。この臨床試験で成人被験者は、最初に乳頭腫の切除手術を受け、次にINO-3107を3週間に1回、計4回投与される。主要有効性評価項目は、臨床試験前の頻度と比較して、最初のINO-3107投与後の外科的介入の時間的間隔が2倍以上になることである。

INOVIOは昨年、科学誌Vaccines(MDPI)に、INO-3106(HPV6型が原因のRRPを標的とするDNA医薬品候補)のパイロット臨床試験のデータを発表した。試験の結果、INO-3106が免疫原性を発現させ、細胞傷害性T細胞を含むHPV6特異的細胞反応の関与と拡大をもたらしたことが実証された。同論文はまた、INOVIOの免疫療法により、数年にわたり年にほぼ2回の手術を必要としてきた2人の患者がいずれも、疾患を管理して手術が必要になる時期を大幅に遅らせることができたことを明らかにした。1人の患者は1年半以上手術を必要とせず(584日間手術なし)、2人目は2年半以上手術の必要がなかった(915日間以上、手術なし)。

▽RRPについて

再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)は、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる気道の腫瘍の増殖を特徴とする希少疾患(米国での現患者数は推定1万5000人)である。乳頭腫は良性ではあるが、生命にかかわる深刻な気道閉塞や呼吸器合併症を引き起こす可能性もある。この疾患の特徴は、外科的処置で切除した後に乳頭腫の再発が起きやすいことである。治療せずに放置してRRPが肺で起きると、患者は再発性肺炎、慢性肺疾患(気管支拡張症)、そして最終的には進行性肺不全になる恐れがある。まれな症例では、乳頭腫ががん化(悪性転換)し、扁平上皮がんになることもある。RRPのその他の症状には、声がれ、睡眠や嚥下障害、慢性的なせきなどがある。RRPの症状は通常、成人より小児の方が重篤である。小児の場合、4歳前後で同疾患と診断されることが最も多い。成人の場合は、30代または40代での発症が最も多い。

▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて

INOVIOには現在、HPV関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品開発臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAデバイスは、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドの侵入を可能にしており、他のDNAや、mRNAといった他の核酸法の大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の生成と生産の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロファイル、忍容性である。

2000人以上の患者が様々な臨床試験において7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

▽INOVIOについて

INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DOD)、GeneOne Life Science/VGXI、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com  を参照。

▽問い合わせ先

メディア向け
Jeff Richardson
+1 267-440-4211
jrichardson@inovio.com 

投資家向け
Ben Matone
+1 484-362-0076
ben.matone@inovio.com 

ソース: INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
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