【上海2020年4月28日PR Newswire=共同通信JBN】中国の上海緑谷製薬(緑谷)(Shanghai Green Valley Pharmaceuticals)は2020年4月8日、米食品医薬品局(FDA)からGV-971の国際的多施設第3相臨床試験用の新医薬品(IND)申請について正式決定文書を受け取った。同文書は、アルツハイマー病患者の治療で提案された臨床試験の開始が承認されたことを示しており、発効日付は2020年4月3日である。
GV-971は、海産褐藻由来の酸性直鎖オリゴ糖の経口投与混合品である。作用機序の前臨床試験は、GV-971が腸内微生物叢のバランスを修復し、腸内細菌代謝産物の異常な増加を抑制し、末梢および中枢の炎症を調節し、アミロイドたんぱく質の沈着とタウたんぱく質の過剰リン酸化を減少させて認知機能を改善できることを示している。腸内微生物叢がパーキンソン病や抑うつ症、自閉症、その他の中枢神経系疾患の発生と非常に相互関連していることを示す証拠が相次いでいる。GV-971は2019年11月2日に中国国家薬品監督管理局(NMPA)から軽度から中等度のアルツハイマー病患者の認知機能改善用薬として条件付きで承認され、2019年12月29日に中国で発売された。
GV-971の非臨床試験、臨床試験、化学・製造・品質管理(CMC)やNMPAによる新薬承認申請(NDA)の承認に使われた中国での第3相臨床試験の有効性、安全結果の全資料パッケージに基づき、緑谷は直接、FDAに国際的多施設第3相臨床試験のIND申請提出し、承認を得た。これにより全体の過程が短縮され、世界中のアルツハイマー病患者に新たな希望をもたらすことになろう。
緑谷はGV-971の第3相臨床試験を管理するため、世界最大の医薬品開発業務受託機関(CRO)であるIQVIA(旧Quintiles)と臨床試験の運営で共同作業を続ける。この試験には軽度から中等度のアルツハイマー病患者2000人以上が登録する予定で、12カ月間の二重盲検治療期間と6カ月間の非盲検試験から成り、北米、欧州と、中国を含むアジア太平洋地域の200カ所で実施される。全米アルツハイマー協会の2018年Bengt Winblad Lifetime Achievement Award(ベングト・ウィンブラッド特別功労賞)受賞者で、クリーブランドクリニック神経学研究所のジェフリー・カミグズ神経治療・医薬品開発教授がこれまで臨床試験設計を主導しており、今後、緑谷の科学イノベーション委員会(SIC)委員長を務める。主要な治験責任者(PI)にはマーティン・ファーロー、ロイ・ジョーンズ、ブルーノ・ベラス各氏など、世界的に知られた専門家が含まれている。中国での治験責任者は首都医科大学宣武医院の賈建平教授と上海精神衛生センターのシャオ・シフ教授である。
第3相臨床試験は2024年に終了する計画で、新薬承認申請(NDA)は2025年までに行われる予定である。
ソース:Shanghai Green Valley Pharmaceuticals