【北京2020年4月17日PR Newswire=共同通信JBN】
科技日報(Science and Technology Daily)のニュース報道:
COVID-19と闘うための特定の医薬品はあるのか。いつその薬は入手できるのか。この2つの疑問に今は答えにくい。特定の医薬品の開発は非常に難しい。新薬の研究開発(R&D)事業は、通常は非常に長い時間と巨額の費用がかかるので、実際的ではない。
中国の科学者らは、既存薬の新用法を調べる方がCOVID-19対策の素早い手法だと考えた。
研究者らは7万以上の医薬品や化合物から有効な医薬品の可能性のある5000品目を迅速に選別し、新型コロナウイルスの活動の生体内実験を実施する100品目をふるい分けた。医薬品開発の臨床試験や安全評価に欠かせないあらゆる段階が、既存薬の新用法を探る工程で確保されなければならない。すべての関連R&D活動は安全、効果、入手可能の原則を堅持している。
科学技術省の張新民生物学センター所長は「臨床応用されている現在のすべての医薬品は厳重な安全性調査・評価を経ている。適応、禁忌、副作用は説明書に明記されている。使用者が説明書に記載された治療法、診断結果と治療方針に厳密に従えば、安全は保証されている」と科技日報に述べた。
さらに「軽い通常の症例が重症化するのを防ぐため、われわれはリン酸クロロキン、ファミラビルと伝統的中医薬(TCM)の推奨を重視した。重症・重体患者の治療には回復期血漿療法、トシリズマブ、幹細胞治療、人工肝臓療法を推奨している。これまで、われわれはいずれの局面でも進歩してきた」と語った。
抗マラリア薬のリン酸クロロキンと抗インフルエンザ薬アルビドールはCOVID-19診断・治療指針の第6版に含まれている。もともと軽症から重症のリュウマチ性関節炎の治療に使われたトシリズマブは指針第7版に含まれる。これは現在、重症患者の治療に使われている。ファピラビルは臨床研究が終了し、良好な有効性が示された。これは全面的に実証された後、できるだけ早くCOVID-19診断・治療指針に追加するよう公式に勧告された。
研究成果の応用と中国の医学治療計画は現在の世界的流行への対応で周知されるだろうと張氏は述べた。
伝統的中医薬がCOVID-19対策の中国の手法で重要な役割を果たしているのは言及する価値がある。
Central Guidance Team(中央指導小組)メンバーで中国工程院会員の張伯礼天津中医薬大学学長は「Xuanfeibaidu顆粒は医学書、臨床経験、薬剤スクリーニングに基づく処方薬だ。われわれはXuanfeibaidu処方に基づく新たな顆粒薬の開発計画を始め、良好な臨床有効性が示された」と語った。張氏とやはり中央指導小組メンバーの劉清泉北京中医医院院長は迅速に症候群の研究を実施し、これを基に伝統中医薬の臨床有効性の評価研究と薬剤スクリーニング、新薬開発を完了した。
張伯礼氏のチームは現在、抗インフルエンザと抗肺炎の市販されている中国特許医薬品65種を集め、中国特許薬成分の調合、生体外評価、サイトカインストーム細胞モデルと抗肺繊維症細胞モデルの確立と並行したバーチャルスクリーニングを完了した。
ソース:Science and Technology Daily