【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年4月7日PR Newswire=共同通信JBN】
*最大40人の健康なボランティアが2カ所の試験施設で参加
*前臨床動物実験では有望な免疫反応示す
*協力者、パートナー、資金提供者の世界的な連合で急速な進展が可能
INOVIO Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ:INO)は6日、米食品医薬品局がCOVID-19感染防止用につくられた同社のDNAワクチン候補であるINO-4800の治験新薬(IND)申請を承認し、今週からの健康なボランティアでのINO-4800の第1相臨床試験に道を開いたと発表した。初回投与は6日の予定。
Inovioの社長兼最高経営責任者(CEO)、J・ジョセフ・キム博士は「これはグローバルなCOVID-19との闘いの中での重要な一歩だ。安全で効果的な新ワクチンがなければ、COVID-19のパンデミックは生命と暮らしを脅かし続けるだろう。これは、COVID-19ワクチンを第1相臨床試験へと迅速に開発・推進する当社のDNA医薬品プラットフォームの力を証明するものでもある。ウイルスの遺伝子配列が1月初旬に入手可能になって以降、当社のスタッフ、パートナー、資金提供者の専門チームが結集し、INO-4800を今回の第1相試験を通じて予定されている有効性試験へと迅速に進められるように24時間体制で作業を続けている」と語った。
感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)のリチャード・ハチェットCEOは「今回の進展は、世界的なCOVID-19ワクチンへの探求の中での重要な一歩である。INOVIOのDNAワクチンプラットフォームは、COVID-19に対するワクチン候補を開発するためにCEPIが選択した最初の技術の1つだった。われわれは、彼らのワクチン候補が臨床安全性試験へと迅速に前進していることをうれしく思う。今後12-18カ月以内にCOVID-19ワクチンを製造することは、科学的挑戦というだけではない。それには、業界や政府を越えた新たなレベルの連携と投資も必要になる。われわれが安全、効果的で、より広範な利用のために世界中で入手可能なワクチンを得られるまでにはまだ長い道のりがあるが、われわれは今日、その道のりの重要な節目に到達した」と語った。
INO-4800の第1相試験では、ペンシルベニア州フィラデルフィア(ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院)とミズーリ州カンザスシティー(Center for Pharmaceutical Research)で最大40人の健康な成人ボランティアが登録され、既に参加者候補のスクリーニングが始まっている。INO-4800の研究用資材は先週、両施設に到着した。各参加者は、4週間空けてINO-4800を2回投与され、この研究からの初期免疫反応と安全性データは夏の終わりまでには得られる見込みである。世界中の規制当局と共有され、INDの一部として提出された前臨床データは、複数の動物モデルで有望な免疫反応結果を示している。抗原投与研究を含む追加の前臨床試験は、第1相臨床試験と並行して継続される。
INOVIOの薬事規制担当上級副社長であるアミ・シャー・ブラウン博士は「資金提供から10週間で、ヒトに対する初の試験をサポートする前臨床データが揃った新たなワクチンが開発、製造できたのは、INOVIOと当社の協力者にとって大きな節目だ」と語った。
これまでのところ、INOVIOのCOVIDワクチンの前臨床結果は、当社が完了した中東呼吸器症候群(MERS)の第1相ワクチン研究と一致している。MERSは同じくコロナウイルスによって引き起こされ、そこでは、INOVIOのDNAワクチンは忍容性が高く、被験者の95%で高レベルの抗体反応を誘導し、研究参加者の90%近くで広範なT細胞反応を発現させた。その試験で使用されたDNAワクチン(INO-4700)に対する抗体反応の持続性は、投与後60週間維持された。
INOVIOは、第1相研究から安全性と免疫原性の初期データが得られ次第、できる限り速やかにINO-4800を第2相有効性研究へと進める計画である。INOVIOは資金提供から10週間で、進行中の第1相および計画中の第2相臨床試験をサポートするため、数千回の投与分のINO-4800を製造した。並行して、INOVIOはINO-4800の製造の規模拡大にも取り組んでいる。INOVIOは、追加試験と緊急使用向けに、年末までに100万回投与分のワクチンを用意する計画で、然るべき規制当局の指針と資金提供待ちの状態である。
ペンシルベニア大学病院の感染症専門の内科教授で、この研究の責任者でもあるパブロ・テバス医学博士は「この初期研究の登録は迅速に進むと予想している。このパンデミックからできるだけ早く、より多くの人々を守るのを支援するため、できるだけのことをしたいと考えている人々の間で、このワクチンへの関心が非常に高まっている」と語った。
ウィスター研究所ワクチン・免疫療法センター所長で同研究所取締役副社長でもあるデビッド・B・ウェイナー博士は「このDNA技術の臨床解釈に対する一貫性と結び付いたINOVIOの経営陣とチームの経験は、今後もこのプログラムの重要な資産となり続ける」と語った。
INOVIOは、INO-4800を迅速に前に進めるため、協力者、パートナー、資金提供者の世界的な連合を構築した。ウィスター研究所の科学チームは、重要な研究貢献をしてくれた。INOVIOのプログラムは、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とビル&メリンダ・ゲイツ財団の惜しみない資金提供によって支えられている。 GeneOne Life Science(KSE:011000)の完全所有子会社で、過去13年間にわたってINOVIOの製造パートナーであるVGXI, Inc.は、INO-4800プラスミド臨床製品の迅速な製造、試験、リリースを可能にした。米国防総省(DOD)もINO-4800の追加投与分の製造のため、INOVIOの協力者であるOlogy Bioservicesに資金提供した。
▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて
INOVIOは現在、HPV(ヒトパピローマウイルス)関連疾患、がん、さらに感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)からの助成金の下で開発中のMERSおよびCOVID-19関連のコロナウイルス疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムを開発中である。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖DNAである最適化DNAプラスミドから成る。
INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRA(R)は、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドの侵入を可能にしており、他のDNAやmRNAアプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったプラスミドは細胞本来のメカニズムによって固有のコード化抗原の生成に使用され、それが免疫反応を刺激する。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の生成と製造の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性、忍容性である。
2000人以上の患者がさまざまな臨床試験において6000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たすDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。
▽INOVIOについて
INOVIOは、HPV、がん、感染症の関連疾患から人々治療、治癒、保護するために精密設計されたDNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接投与し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん状態の子宮頚部(けいぶ)異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型および18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの90%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERSおよびCOVID-19関連のコロナウイルス疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび協力者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/DOD、GeneOne Life Science/VGXI、HIV Vaccines Trial Network、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、Plumbline Life Sciences、Regeneron、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会に20%以上の女性がいる企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。
▽問い合わせ先:
Media: Jeff Richardson, +1-267-440-4211, jrichardson@inovio.com
Investors: Ben Matone, +1-484-362-0076, ben.matone@inovio.com