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INOVIOのVGX-3100非盲検第2相試験の中間結果がHPV関連外陰異形成に対する有効性示す

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
2020-03-30 21:00 1902

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年3月31日PR Newswire=共同通信JBN】

*VGX-3100 DNA医薬品により、患者の80%で対象の高リスクHPV 16/18関連前がん性外陰病変領域が縮小(平均60%)。患者の20%でウイルスが検出されず、外陰異形成を完全に治癒

*データは2020年米コルポスコピー・子宮頸部病理学会(American Society for Colposcopy and Cervical Pathology、ASCCP)会議で発表される

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ:INO)は31日、高度扁平上皮内病変(HSIL)としても知られる、高リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)16型と18型あるいはそのいずれかが引き起こす前がん症状である外陰異形成の女性に対するVGX-3100の安全性と有効性を評価するため設計された非盲検第2相試験の中間結果を報告した。計22人の被験者が全4回の投与を受け、研究終了まで評価される。INOVIOは、VGX-3100による治療後6カ月で主要エンドポイント評価を完了した10人の被験者の中間データを報告している。入手できた結果によれば、治療の6カ月後、80%(10人の被験者のうち8人)が対象病変領域(平均60%減少)の減少(平均2 cm2)を示し、そのうち20%(10人中2人)は外陰HSILが完全に消散し、治癒領域でウイルスは検出されなかった。

試験結果は、4月1日から4月2日の米コルポスコピー・子宮頸部病理学会(ASCCP)年次総会のバーチャルセッションで「Preliminary Results of an Open-Label Phase 2 Study of VGX-3100 for the Treatment of HPV-16 and/or HPV-18 (HPV-16/18) Related Vulvar HSIL(HPV16型または18型、あるいはその両型(HPV16/18)関連外陰部HSILのVGX-3100を使用した治療の非盲検第2相試験の中間結果)」と題して発表される。安全性結果は、VGX-3100の既知の安全性プロファイルと一致していた。薬物関連の深刻な有害事象はなかった。がんの症例は観察されていない。

外陰部HSILは、通常は外科手術を必要とする希少症状で、身体的、心理社会的な影響が大きい(激痛、外観の異常、性機能障害など)。こうした手術の成功例はわずかで、高悪性度外陰部前がんの再発率は治療後3年で約30-50%である。外陰部HSILの女性の概ね5%未満に自然消散がみられる。適切な治療をしなければ、外陰部HSILは外陰がんに進行する可能性があり、このがんにより2020年だけで米国で約1350人の命が奪われると予測されている。

INOVIO副社長で、HPV治療臨床開発責任者であるプラカシュ・ブーヤン医学博士は「INOVIOは、HPV前がん性疾患の包括的な治療法としてVGX-3100を開発している。今回の概念実証データは、外陰部前がんを治療し、女性の健康を向上させるより良いアプローチに、われわれを一歩近づけてくれた」と語った。

本臨床試験の調整主任研究員を務めた、ピッツバーグ大学産科・婦人科・生殖学部長でミルトン・ローレンス・マッコール教授のロバート・エドワーズ医学博士は「この新たなプラットフォームは、この非常に特殊な疾患につながる長期に及ぶウイルス誘引前がんに対し、効果的な免疫刺激を可能にする。こうした患者の多くは、何年にもわたる、あるいは連続的な切除手術を受け、性機能が著しく損なわれ、がんのリスクにさいなまれており、場合によっては非常に特殊な治療を必要とする侵襲性の高いがんになることもある」と語った。

外陰異形成に対するVGX-3100安全性と有効性のポイント

  • 安全性結果は、VGX-3100の既知の安全性プロファイルと一致している。薬物関連の深刻な有害事象はなかった
  • 80%(10人の被験者のうち8人)は治療6カ月後に病変領域の全体的な縮小を示し、20%(10人の被験者のうち2人)は外陰部HSILが完全に消散した。これに対し、自然退縮は1.5%-5%である
  • 結果は、高リスクHPV関連前がん性子宮異形成を対象とするこれまでのVGX-3100第2b相研究でも実証されたように、DNA医薬品の概念実証をさらに支持するものである
  • 外陰部HSILの女性の自然治癒率は5%未満である
  • 外陰部HSILの手術の成功例はわずかで、高悪性度外陰部前がんの再発率は治療後3年で約30-50%である

▽外陰異形成(HSIL)について

適切な治療をしなければ、外陰部前がんは外陰部浸潤がんに進行する可能性がある。米国では毎年約2万7000例のHPV関連外陰部前がんが発生、欧州でも同様の数の症例が毎年発生していると推定されている。HPV-16とHPV-18、あるいはそのいずれかが、米国や欧州におけるHPV関連外陰部前がんの症例の約80%に関与している。外陰部前がんが発症すると、自然退縮(すなわち、病変の自然消散)はまれで、起きるのは症例の1.5%-5%である。米国では毎年、新たに6000の外陰がんの症例が発生していると推定されており、その約50%-80%がHPV関連である。

▽臨床試験について

今回の非盲検・無作為化・多施設第2相臨床試験は、HPV-16とHPV-18、あるいはそのいずれかが引き起こす前がん性外陰異形成を患う18歳以上の成人女性で、VGX-3100の安全性と有効性を評価するよう設計されている。評価される主要有効性基準は、HSILの消散、HPV 16/18の非検出、および病変領域の縮小である。33人の女性が第0、4、12、24週にVGX-3100を4回分投与され、そのうち8人の被験者はイミキモドの局所投与も受け、これは補助的治療として評価された。VGX-3100のみの有効性を有意に改善しなかったため、イミキモド群への登録は中止された。VGX-3100の治療6カ月後の有効性は、取得できたデータのある全参加者について報告される予定で、そのうち22人はVGX-3100のみを投与された。3人の参加者は、転居(1人の被験者)と早期手術の選択(2人の被験者)を理由に中止された。試験は、治療を受けた参加者を、4回目の投与後、最大1年間追跡する。

▽INOVIOのHPV関連DNA医薬品臨床プログラムについて

今回の研究は、複数の臨床試験においてINOVIOのHPV関連DNA医薬品で実証された、重要な臨床的有用性が基礎となっている。具体的には、子宮頸部異形成を対象とする第2相概念実証試験で、VGX-3100は高悪性度子宮頸部病変の退縮と根本的なHPV感染の除去において、107人中43人の患者で完全寛解を実証した。さらに、第1相試験でMEDI0457とPD-1チェックポイント阻害剤で治療された転移性HPV関連頭頸部がん患者4人のうち2人は、長期の完全寛解を2年以上にわたって経験した。最後に、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)に対するINOVIOのDNA医薬品、INO-3107のパイロット試験の結果、2人中2人の患者が腫瘍の再発がなく、手術を遅らせることができた。

▽VGX-3100について

VGX-3100は、HPV-16およびHPV-18感染と子宮頸部の前がん性病変の治療のため第3相試験中のDNA医薬品である。INOVIOは、HPV関連の外陰部および肛門異形成(HSIL)の治療薬としての有効性を評価する非盲検第2相臨床試験を行っている。VGX-3100は、子宮頸部のHPV感染に対する初の承認済み治療法と、前がん性子宮頸部病変に対する初の非外科的治療法になる可能性がある。VGX-3100は、感染を標的とし、前がん細胞の破壊を引き起こすHPV-16とHPV-18に対する特異的免疫反応を刺激することで機能する。組織学的に確認されたHPV-16/18子宮頸部異形成(CIN2/3またはHSIL)のある167人の成人女性を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照第2b相試験で、VGX-3100による治療は、統計的に顕著な子宮頸部異形成の退縮と、対プラセボでHPV-16/18感染の除去をもたらした。最も一般的な副作用は注射部位の痛みで、重大な有害事象は報告されていない。VGX-3100は患者自身の免疫システムを利用し、リプロダクティブヘルスの喪失や心理社会的悪影響といった手術に伴うリスクの増加なしに、HPV-16とHPV-18の感染と前がん病変を除去する。

▽INOVIOのDNA医薬品について

INOVIOには現在、HPV関連疾患、がん、さらにコロナウイルス関連MERS、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品開発臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRA(R)は、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドの侵入を可能にしており、他のDNAやmRNAアプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったプラスミドは細胞本来のメカニズムによって固有のコード化抗原の生成に使用され、それが免疫反応を刺激する。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の生成と製造の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性、忍容性である。

2000人以上の患者が様々な臨床試験において6000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たすDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

▽INOVIO Pharmaceuticals, Inc.について

INOVIOは、HPV、がん、感染症関連疾患を患う人を治療、治癒、守るための精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの90%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、コロナウイルス関連MERSおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび協力者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局、GeneOne Life Science、HIV Vaccines Trial Network、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会に20%以上の女性がいる企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。

▽問い合わせ先

投資家向け
Ben Matone
484-362-0076
ben.matone@inovio.com

メディア向け
Jeff Richardson
267-440-4211
jrichardson@inovio.com

ソース: INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
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