【北京2020年2月19日PR Newswire＝共同通信JBN】
＊科技日報（Science & Technology Daily）が報道
新型コロナウイルス（COVID-19）との闘いに関し、中国科学技術省（MOST）は「科学技術を使用してCOVID-19の流行に対処する」プログラムを開始した。これは今のところ、4つの群の20の緊急プロジェクトを含むプログラムである。さらにMOSTは「重要な革新的新薬の創薬」と「深刻な感染の予防と治療」および一連の国家的重要研究開発計画を含む2つの主要な科学技術プロジェクトを再検討している。最近、これらのプロジェクトから幾つかの重要な成果が既に流行予防と対策の最前線で実行されている。
薬剤スクリーニングに関しては、さまざまな研究チームの最前線のスタッフが既存の研究に基づいて協力し、既に市販されているか、または既に臨床試験の段階に入っている薬剤を体系的かつ大規模にスクリーニングするために尽力した。その結果、彼らはリン酸クロロキン、レムデシビル、ファビピラビルなどの潜在的に有効な抗コロナウイルス薬剤を発見した。さらに最近、研究者らは幾つかの臨床試験を緊急に開始し、その結果は、薬剤の患者への治療効果が一段と明らかになってきていることを示している。
中国の細胞療法、伝統的中国医学（漢方）、プラズマ（血漿）療法の分野における研究開発（R&D）レベルおよび予備的蓄積に基づいて、「Joint Prevention and Control Group（共同予防管理グループ）」により組織されたこれら3つの療法の臨床試験が徐々に実施されており、重症患者の治療に重要な役割を果たしている。
幹細胞治療を使用してこの疫病に対するより最先端で効果的なソリューションを提供する目的で、MOSTの指導者らは中国科学院の「Innovation Institute of Stem Cell and Regenerative Medicine（幹細胞・再生医療革新研究所）」に赴き、その進展状況を確認した。COVID-19を治療するとされる「CAStem」と呼ばれる新規の細胞薬が創薬され、重度の急性呼吸窮迫症候群（ARDS）の治療に関するこれまでの実験で既に大きな進展を示している。研究チームは中国国家薬品監督管理局（China National Medical Products Administration）の緊急承認を申請するとともに、関連医療機関と協力している。これまでに、CAStemは既に倫理委員会の承認を得ており、臨床観察と評価が現在進行中である。
「中国と西洋の医療統合によるCOVID-19の予防と治療に関する臨床研究（Clinical Study on the Prevention and Treatment of COVID-19 by Integrated Chinese and Western Medicine）」と題する緊急プロジェクトが2月3日、MOSTの後援により公式に開始された。プロジェクトリーダーで天津中医薬大学学長の張伯礼氏は「COVID-19の治療でポジティブな治療効果が示された」と語った。総計23人の患者が治癒し、Hubei Provincial Hospital of Integrated Traditional and Western Medicine（湖北省伝統・西洋統合医療病院）およびWuhan Hospital of Traditional Chinese Medicine（武漢中医病院）を退院した。
プラズマ療法の分野に関してChina National Biotech Group（CNBG）は2月13日、一部回復期患者からの血漿（けっしょう）の収集と、新型コロナウイルスの特別な免疫血漿製剤および特別な免疫グロブリンの調製を完了した。厳格な血液のバイオセーフティー検査、ウイルス不活性化、抗ウイルス活性検査を経由して、特別な免疫血漿は、臨床治療用に調製することに成功し、既に重症の患者の臨床治療に投入されている。
ワクチンの研究開発の分野に関しては、Chinese Center for Disease Control and Prevention（CDC、中国疾病管理予防センター）が1月24日、初めてのCOVID-19ウイルス株の分離に成功し、これは世界保健機関（WHO）およびその他の国際機関により承認されている。COVID-19向けの幾つかの新しい型のワクチンは動物実験段階を開始しており、全ての人々に希望をもたらしている。
ソース：Science and Technology Daily
