【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年2月10日PR Newswire=共同通信JBN】
*希少疾患の再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)治療用
*RRPは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型と11型が引き起こす、希少で命を落とす可能性もある奇病
*InovioのDNA医薬品パイプラインには、HPV関連疾患、がん、新型コロナウイルス(2019-nCoV)を含む感染症に焦点を当てた15の臨床プログラムが含まれている
Inovio Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ: INO)は10日、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)治療用の同社のDNA医薬品、INO-3107を第1/2相臨床試験で評価するための治験薬(IND)申請を米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。RRPは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型および11型感染により引き起こされる希少疾患で、生命にかかわる気道閉塞につながる非がん性腫瘍の成長を引き起こす症状は、がんに進行することもある。現在、同疾患は治療不可能で、一時的に気道を回復させる腫瘍除去手術以外に手当ての方法がない。腫瘍はほぼ必ず再発し、手術は年に複数回繰り返さなければならないことが多い。RRPは、同疾患を患う人々の生活の質に深刻な影響を与えかねない。
今回の非盲検・多施設第1/2相試験では米国内の約63人の被験者を登録、HPV 6か11またはその両方の関連RRPを有し、過去3年間に年間少なくとも2回の外科的介入による関連乳頭腫除去の必要があった被験者で、INO-3107の有効性、安全性、忍容性、免疫原性を評価する。今回の臨床試験で成人被験者は、最初に乳頭腫の切除手術を受け、次にINO-3107を3週間に1回、計4回投与される。初期有効性エンドポイントは、試験治療前の頻度と比較して、最初のINO-3107投与後の外科的介入の時間的間隔が2倍以上になることである。成人で十分な安全性と潜在的な有効性データが得られれば、Inovioは小児患者や潜在的ブースター療法を含めるべく試験を拡大する予定。
Inovioの臨床開発担当副社長、ジェフリー・スコルニック医学博士は「Inovioの治験DNA医薬品INO-3107は、HPV 6および11感染が引き起こす腫瘍を、隠れている場所を特定して根こそぎ死滅させ、除去するよう設計されている。このDNA医薬品は、RRPを患っている人々に、生涯ではなくとも長期にわたる症状の改善をもたらす可能性がある。とりわけ、大きくなった乳頭腫を気道から一時的に切除できても、原因である再発ウイルスには対処できていない、頻繁に繰り返され、患者を衰弱させる手術の代替手段になると考えている」と語った。
Inovioの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJ・ジョセフ・キム博士は「Inovioの使命は、差し迫った健康ニーズのある患者に当社の新規DNA医薬品へのアクセスを迅速に提供することだ。FDAのINO-3107臨床試験認可を喜んでおり、RRP患者および医学界と緊密に協力して可能な限り速やかに募集を進められるよう期待している」と語った。
Inovioは有効性試験の開始に加え、FDAの希少疾病用医薬品開発室(OOPD)から希少疾病用医薬品指定を受けることも計画している。FDAは、罹患している人が米国内で20万人に満たない希少な疾患または障害の安全かつ効果的な治療、診断、予防を目的とした医薬品および生物学的製剤に希少ステータスを与えている。OOPDは、指定された適応症について最終的に規制当局の承認が得られた場合の排他的先売期間など、一定のメリットやインセンティブを医薬品開発者に与えている。
Inovioは最近、科学誌Vaccines(MDPI)でINO-3106(RRPを引き起こしたHPV6を標的とするDNA医薬品候補)のパイロット臨床試験のデータを公開した。試験結果は、INO-3106が免疫原性と、細胞傷害性T細胞を含むHPV 6特異的細胞反応の関与と拡大を発現させたことを実証した。同論文はまた、Inovioの免疫療法が、数年にわたり年にほぼ2回の手術を必要としてきた2人の患者のいずれをも、疾患を管理して手術が必要になる時期を大幅に遅らせることができることを示した。1人の患者は1年半以上手術を必要とせず(584日間手術なし)、2人目は2年半以上手術の必要がなかった(915日間手術なし)。
▽InovioのDNA医薬品について
Inovioには現在、HPV関連疾患、がん、さらに感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の助成金を得ている新型コロナウイルス(2019-nCoV)を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品開発臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドで構成される医薬品である。
InovioのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるInovio独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAは、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開け、プラスミドが入れるようにする。いったん細胞内に入ると、プラスミドは複製を開始し、それによって体自体の自然な反応メカニズムが強化される。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで免疫反応を直ちに引き起こしにかかることが可能になる。InovioのDNA医薬品は、遺伝子治療や遺伝子編集のように、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。
2000人以上の患者が様々な臨床試験において6000以上の適用でInovioの治験DNA医薬品を投与されているが、InovioのDNA医薬品は、標的の病原体やがんに対する安全、強力かつ完全に機能するT細胞と抗体の反応を絶え間なく活性化している。
▽RRPについて
再発性呼吸器乳頭腫(RRP)は、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる気道における腫瘍の成長を特徴とする希少疾患(米国での活動症例は推定1万5000例)である。乳頭腫は良性ではあるが、生命にかかわる重度の気道閉塞や呼吸器合併症を引き起こす可能性がある。この疾患の特徴は、外科的処置で切除した後に乳頭腫が再発する性質があることである。治療せず放置しておいて肺にRRPができると、罹患者は再発性肺炎、慢性肺疾患(気管支拡張症)、最終的には進行性肺不全を発症する可能性がある。非常にまれな症例(1%未満)では、乳頭腫ががん化(悪性転換)し、扁平上皮がんへと進行することもある。RRPのその他の症状には、声がれ、睡眠や嚥下の困難、慢性的な咳が含まれる。RRPの症状は、成人よりも小児の方がより深刻である。小児では、この障害は4歳前後に診断されることが最も多い。成人でこの障害が最もよく起きるのは、30代か40代である。
▽Inovio Pharmaceuticals, Inc.について
Inovioは、HPV、がん、感染症関連疾患から人々を治療、治癒、予防する精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。Inovioは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達することで、子宮頸がんの70%、肛門がんの90%、外陰がんの69%の原因となっている高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去する強力な免疫反応を安全に発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。Inovioの最適化されたプラスミド設計と送達技術は、HPVだけでなく、標的のがんや病原体に対する強力かつ完全に機能するT細胞と抗体の反応を絶え間なく活性化することが実証されている。Inovioの最先端臨床プログラムであるVGX-3100は、HPV関連子宮頸部前がんの治療薬として第3相試験に入っている。また、HPV関連のがんと多形膠芽腫(GBM)を対象とする免疫腫瘍プログラム開発が第2相試験中で、外部資金によるジカ、中東呼吸器症候群(MERS)、ラッサ熱、HIV、新型コロナウイルス(2019-nCoV)のワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび協力者には、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局、GeneOne Life Science、HIV Vaccines Trial Network、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。詳細については、www.inovio.com を参照。
▽問い合わせ先
投資家向け
Ben Matone
Inovio
+1 484-362-0076
ben.matone@inovio.com
メディア向け
Jeff Richardson
Inovio
+1 267-440-4211
jrichardson@inovio.com