【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2019年9月17日PR Newswire=共同通信JBN】Inovio Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ: INO)は17日、同社とその共同研究者であるウィスター研究所が、InovioのDNAコード化モノクローナル抗体(dMAb(R))プラットフォームを採用した抗菌薬耐性(AMR)に取り組む革新的研究に対する国立衛生研究所(NIH)の助成金460万ドルを受領したと発表した。Inovioは、同社のdMAbをベースとした多剤耐性感染症と戦うための画期的なアプローチを提案している。最近の研究で、InovioはAMRに的を絞ったdMAbアプローチを開発、これらdMAbが動物モデルで多剤耐性感染を効果的に制御できることを実証した。
米疾病管理予防センターは、抗生物質に対する耐性が米国で年間200万人の病気と2万3000人の死をもたらしていると推定。抗菌薬耐性が米国経済に与える影響は、直接的な医療費が200億ドル、さらに追加的間接費が年間250億ドルと推計されている。
副社長兼最高科学責任者であるローラン・ヒューモー博士は「抗菌薬耐性は、広がりつつある世界的な公衆衛生上の懸念であり、Inovioにとっては極めて大きな市場機会だ。抗生物質耐性菌は驚くべきペースで出現しており、これらの感染症と戦うための新たなクラスの効果的な抗生物質の開発には30年の空白期間があった。当社の究極の目標はインパクトの大きいdMAb製品パイプラインにつながるモノクローナル抗体技術へのパラダイムシフトアプローチを生み出すことであり、これは企業とのパートナーシップ、外部からの資金提供、そして提携によって開発できる。今回のNIHの助成金は、この目標を前進させるだろう」と語った。
Inovioは今年初め、ジカウイルス感染を治療、予防するため、dMAb製品(INO-A002)の初の人体試験を開始した。このジカ研究は、安全性と忍容性を実証するだけでなく、がん、感染症、炎症性疾患をターゲットとするInovioの広範なdMAbプラットフォーム開発に向けた大きな一歩である。体内に直接送達されると、設計された合成抗体遺伝子配列によって提供される遺伝的指示が、治療用抗体(dMAb)製品の製造工場になるよう体の細胞に指示、抗体技術の大きな飛躍を可能にする。今回の460万ドルのNIH助成金は、抗菌薬耐性感染に対するdMAb技術の臨床開発開始という究極の目標を持つ追加的前臨床試験を支えることになる。
Inovioとその共同研究者は、機能的なモノクローナル抗体を最適化されたDNAプラットフォーム内でコード化する合成遺伝子配列を設計することにより、dMAb技術を開発した。こうした遺伝子配列は体内に投与されると、注射部位で局所的に発現される。受容者は、細菌を明確な標的とするコード化されたモノクローナル抗体を産生するよう細胞に指示する遺伝子コード化された青写真を受け取る。InovioのdMAbは簡単かつ迅速に開発でき、患者の体内で直接製造されるため、従来の抗体の製造にかかっていた製造スケジュールやコストを劇的に引き下げる。さらに、抗体をコード化するDNAプラスミドは高価なコールドチェーンストレージを必要とせず、同梱配送に適している。
従来のモノクローナル抗体は今日の医薬品市場で最大区分を占めており、がん、感染症、炎症、心血管疾患などの治療で毎年の売上高は1000億ドル以上に上る。dMAb製品は、合成設計と患者の体内製造により、この重要な医薬品クラスへの破壊的参入者となっている。Inovioとその共同研究者はこの数年で、dMAbプラットフォームを前進させるため、既に6000万ドル超の非希釈助成金を受け取った。極めて重要なモノクローナル抗体市場全体への破壊的参入者であるdMAbと、新たな世界的感染症の脅威に迅速に対応できるユニークな適用性への関心は高い。
▽InovioのDNAベースのモノクローナル抗体プラットフォームについて
従来のモノクローナル抗体は体外のバイオリアクター内で製造され、通常はコストのかかる大規模製造施設の開発と手間のかかる製造が必要である。さらに、製造後の保管と製剤の安定性が、こうした製品の到達範囲を制限している。Inovioの破壊的なdMAb技術には、新たなプラスミドベクターと独自の製法を活用した単純化設計により、こうした制約を克服する潜在力があり、迅速な開発、製品の安定性向上、製造の容易さと展開性を可能にし、究極的にはコスト効率を上げ、製品の到達範囲を広げて、様々な病気を治療するための新たな方法を提供できる可能性がある。DNAプラスミドは体の細胞に直接送達され、コード化されたモノクローナル抗体が局所的にトランスフェクトされた細胞によって産生される。既に公表されている研究で、ジカウイルスを標的とする高度に最適化されたDNAベースのモノクローナル抗体(INO-A002)の単回投与が、マウスの血流中で高レベルの抗体の発現をもたらし、致死性の動物抗原投与に対する防護効果を発揮したことが示されている。Inovioは今年初め、INO-A002の初の人体試験を開始した。このジカdMAb研究は、安全性と忍容性を実証するだけでなく、Inovioの広範なdMAbとdBTEプログラム開発に向けた大きな一歩である。追加の研究でも同様に、エボラ、インフルエンザ、チクングンヤ熱、ライム病、デング熱に対してdMAb製品が動物を致死的または病原性の攻撃から守ったことを示すデータが報告されている。加えて同チームは、動物の前立腺がん、乳がん、卵巣がんに効果のあるdMAbの送達も報告している。
▽Inovio Pharmaceuticals, Inc.について
Inovioは、がんと感染症を標的とする合成DNA技術の発見、開発、商品化に重点的に取り組む革新的バイオテクノロジー企業である。Inovioは、独自の技術プラットフォームを抗原シークエンシングと送達に応用し、標的疾患に対する強力な免疫反応を活性化させる体内でのタンパク質発現を可能にしている。この技術は、標的のがんや病原体に対する強力かつ完全に機能するT細胞と抗体反応を、絶え間なく活性化することが実証されている。Inovioの最先端臨床プログラムであるVGX-3100は、HPV関連子宮頸部前がんの治療薬として第3相試験に入っている。また、HPV関連がん、膠芽細胞腫を標的とした免疫腫瘍プログラム開発が第2相試験中で、外部の資金提供によるジカ、MERS(中東呼吸器症候群)、ラッサ、HIV用のプラットフォーム開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、アストラゼネカ、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ApolloBio Corporation、GeneOne Life Science、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Coalition for Epidemic Preparedness Innovations(CEPI)、米国防高等研究計画局、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、国立がん研究所、HIV Vaccines Trial Network、ウォルター・リード陸軍研究所、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学が含まれている。詳細はwww.inovio.com を参照。
▽問い合わせ先
投資家向け
Ben Matone
+1 484-362-0076
ben.matone@inovio.com
メディア向け
Jeff Richardson
+1 267-440-4211
jrichardson@inovio.com
ソース:Inovio Pharmaceuticals, Inc.