【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)、オスロ(ノルウェー)2019年5月23日PR Newswire=共同通信JBN】
*Coalition for Epidemic Preparedness Innovationsの資金援助によるINO-4500の初のヒト投与試験
*備蓄ワクチンとして緊急使用を計画
Inovio Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ: INO)は21日、CEPIと共同で、ラッサ熱ウイルス感染を予防するDNAワクチン候補であるINO-4500を評価するための第1相、ヒト初回投与臨床試験で被験者への投与を行ったと発表した。INO-4500の安全性、忍容性および免疫反応について評価するこのプラセボ対照・盲検・用量漸増試験に、Inovioは約60人のボランティアを登録する予定。このInovioの試験は、臨床試験入りする初のラッサ熱ワクチン候補となる。Inovioが主催する同試験と同社のINO-4500プログラムは、CEPIすなわちCoalition for Epidemic Preparedness Innovationsとのグローバルパートナーシップを通じて資金の全額が提供される。
CEPIのメラニー・サヴィル・ワクチン開発部長は「これは、新たな感染症に対するワクチン開発を加速させるというわれわれの仕事で重要な進展である。過去2年間、ナイジェリアで報告された症例数の著しい増加と、大流行が毎年起きていることから、ラッサ熱は西アフリカ全域で依然として深刻な公衆衛生上の脅威だ。同疾患が引き起こす甚大な災禍を減らす道を切り開く可能性のあるInovioの取り組みと進展を歓迎する」と語った。
Inovioの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJ・ジョゼフ・キム博士は「独自のCELLECTRA(R)有効性向上システムで皮内に送達されるInovioのクラス最高の合成核酸ワクチンは、多くの人々をパンデミックから守る潜在力があり、新たなウイルスの脅威に迅速な対応をするのに非常に適している。Inovioは、HIV、エボラ、MERS(中東呼吸器症候群)、ジカなどいくつかのグローバルな予防ワクチン候補の開発を急いでおり、多くの臨床試験で90%を超える免疫反応率を報告している。当社はパートナーであるCEPIと共に、新たなワクチンを医療に投入し、人命を救う方策を探し求めていく」と語った。
Inovioは以前発表した論文で、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)から350万ドルの助成金を受けて実施した前臨床研究において、同社のラッサ熱DNAワクチン候補が致死量のウイルスを投与された非ヒト霊長類で100%の防御を提供したと報告している。ラッサ熱は西アフリカで発生する急性のウイルス性疾患で、大規模な流行を繰り返す可能性があり、同地域では致死率が高い。ラッサ熱に対するライセンス取得済みのワクチンあるいは認可済みの治療法はない。
Inovioはこの研究結果を利用して、2019年後半から2020年に、西アフリカの流行国でラッサ熱ワクチン候補の第2相現地試験に入りたいと考えている。満足のいく第2相データが得られれば、CEPIが現地の規制当局や世界保健機関(WHO)と協力し、将来、同地域全域で使用できるようInovioのワクチンを備蓄する可能性がある。
Inovioは昨年、CEPIからラッサ熱とMERS(中東呼吸器症候群)のワクチン候補開発を第2相試験に進めるため、5600万ドルの助成金を受けた。InovioとCEPIの共通の目標は、ラッサ熱ワクチンが第2相試験終了済み備蓄ワクチンとして、可及的速やかに緊急使用できるようにすることである。
Inovioの免疫療法とワクチンの合成核酸プラットフォームは、最適化された合成抗原遺伝子をCELLECTRA(R)免疫増強システムを使い細胞内に送達、そこでそれらは個々人の免疫システムを活性化させるタンパク質抗原に変わり、強固な標的T細胞および抗体反応を生じさせる。Inovioの免疫療法は生体内でのみ機能し、今日まですべての臨床試験で標的疾患に対する抗原特異的免疫反応を生じさせている。
▽ラッサ熱について
ラッサ出血熱としても知られるラッサ熱は、主に西アフリカで発生する急性のウイルス性疾患である。この疾患は、発熱、嘔吐、顔のむくみ、胸部、背中、腹部の痛み、目や鼻など体の様々な部位からの出血、そして死という広範な転帰をもたらし得る。感染は、感染したげっ歯類との接触を介して広がる。あまり一般的ではないが、体液を介し人から人へ感染することもある。西アフリカでのラッサ熱ウイルス感染は年間30万人に影響を及ぼし、約5000人が死亡すると推定されているが、これは疾患と感染の調査が不十分だったためである。ラッサ熱の診断が困難であること、およびこの疾患が発生している地域の多くが遠隔地であるため、報告されている症例数や死者数は実際の症例数や死者数より大幅に少ない可能性が高い。ラッサ熱ウイルスに感染した人の大部分(約80%)は無症状か軽度の症状を示すだけだが、それ以外の感染者にとっては死に至るほど深刻なものになり得る。ラッサ熱専用の認可済みのワクチンあるいは治療法はない。ラッサ熱で入院した患者の致死率は約15%から20%だが、2015年から2016年にかけて西アフリカのナイジェリアで流行した際のように、入院患者の致死率が50%に達した流行例もある。ラッサ熱の生存者の約3分の1は突発性難聴になる。ナイジェリアでは今年、前例のない流行が進行中で、最初の2カ月間に記録、報告された症例数は、それまでの同国の年間症例数を上回っている。2018年1月1日から12月31日までに計633件の確定症例と20件の推定症例がナイジェリア疾病管理センターに報告され、確定症例で171人、推定症例で20人が死亡、確定症例の致死率は27%だった。
▽CEPIについて
CEPIは、将来の流行を阻止するワクチンを開発するため2017年にダボスで創設された公的、私的、慈善、市民団体間の革新的なパートナーシップである。CEPIは、ノルウェー、ドイツ、日本、カナダ、オーストラリア、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカムから複数年の財政支援を受けている。CEPIはまた、ベルギーと英国の政府から単年の資金拠出を受けている。欧州委員会は、ECメカニズムを通じて関連プロジェクトを支援するため相当額の資金拠出を見込んでいる。CEPIは、10億ドルの資金調達目標のうち既に7億5000万ドル超を達成した。2017年1月の創設以来、CEPIは3つの提案を発表した。第1はラッサ熱ウイルス、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、ニパウイルスに対するワクチン候補だった。第2は、未知の病原体に対する迅速なワクチン開発に使用可能なプラットフォームの開発だった。第3は、リフトバレー熱とチクングンヤ熱のウイルスに対するワクチン候補である。今日までに、CEPIは12のワクチン候補(5つはラッサ熱ウイルス、4つはMERS-CoV、3つはニパウイルス)と、未知の疾患に対するワクチン開発用の3つのワクチンプラットフォームに、最大3億5000万ドルの拠出を約束している。詳細はCEPI.net で。@CEPIvaccines でフォローを。
▽Inovio Pharmaceuticals, Inc.について
Inovioは、がんと感染症を標的とした合成核技術の発見、開発、商品化に重点的に取り組む革新的バイオテクノロジー企業である。Inovioは独自の技術プラットフォームを抗原シーケンシングと送達に応用し、標的疾患に対する潜在的な免疫反応を活性化させている。この技術は生体内でのみ機能し、標的のがんや病原体に対する強力で完全に機能するT細胞と抗体反応を絶え間なく活性化することが実証されている。Inovioの最先端臨床プログラムであるVGX-3100は、HPV関連子宮頸部前がんの治療薬として第3相試験に入っている。また、HPV関連がん、膀胱がん、膠芽細胞腫を標的とした免疫腫瘍プログラム開発が第2相試験中で、B型肝炎、ジカ、エボラ、MERS、HIV用のプラットフォーム開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、アストラゼネカ、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ApolloBio Corporation、GeneOne Life Science、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Coalition for Epidemic Preparedness Innovations、米国防高等研究計画局(DARPA)、国立衛生研究所(NIH)、国立アレルギー・感染症研究所、国立がん研究所、HIV Vaccines Trial Network、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学が含まれている。詳細は、www.inovio.com を参照。
▽Inovio問い合わせ先
投資家向け:Ben Matone
484-362-0076
ben.matone@inovio.com
メディア向け:Jeff Richardson
267-440-4211
jrichardson@inovio.com
▽CEPI問い合わせ先
Rachel Grant
+44(0)7891249190
Rachel.Grant@cepi.net
Jodie Rogers
+44(0)7917030828
Jodie.Rogers@cepi.net