【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)、ソウル(韓国)2019年5月15日PR Newswire=共同通信JBN】Inovio Pharmaceuticals Inc.(NASDAQ: INO)とPlumbline Life Sciences(XKRX: 222670)は15日、アフリカ豚コレラ(ASF)ウイルスの新たな動物用衛生ワクチンを共同開発するための共同事業を発表した。このワクチンは、InovioのSynCon(R)技術を用いて開発され、有効性を実現するCELLECTRA(R)デバイスで送達される予定。韓国を拠点とするPlumblineは、ASFワクチンの開発と商品化のすべての資金を拠出する。InovioとPlumblineは既に動物衛生分野でライセンスパートナーシップを結んでおり、Inovioは現在、Plumblineの株式の約15%を保有している。今回の合意の一環として、Inovioは小動物モデルでASFワクチンを作成、試験する。Plumblineは、豚チャレンジモデルを含むより大きな動物モデルでさらなるワクチンの試験を実施、ワクチン商品化のための開発を進める予定。金銭的取り決めは明らかにされていない。
アフリカ豚コレラ(ASF)は豚やイノシシに感染する伝染性の高い出血性ウイルス性疾患で、深刻な経済的、生産上の損失の原因となっている。現在、ASFに承認済みのワクチンはなく、現在のアジアでの流行は、中国、ベトナム、韓国を含む多くのアジア諸国の農業経済を劇的に脅かしている。この疾患は豚では治療不能だが、人には無害である。
Inovioの最高科学責任者であるローラン・ユモー博士は「この致命的な豚ウイルスと戦うワクチンを開発するために、InovioのSynthetic Nucleicsプラットフォームを適用できることを大変うれしく思っている。Inovioは、新たに発生した感染症ワクチンを開発した実績があり、Plumblineと協力してASFワクチンの試験、商品化を進めていけることを喜んでいる」と語った。
Plumblineのアントニー・K・キム社長兼最高経営責任者(CEO)は「Plumblineは、動物衛生と農産食品供給に対する恐るべき脅威に対処する新たなワクチンを提案するためにInovioと協力することを非常に喜んでいる。当社はDNAベースの動物衛生用治療の商品化で実績があり、豚用の製品LifeTide(R)SW5がオーストラリア、ニュージーランド、韓国で既に承認され、他とは一線を画している。ASF用ワクチンを可及的速やかに商品化できるよう、当社の全リソースを投入していく」と述べた。
現時点での公式推定では、既に中国で100万匹の豚が殺処分されているが、殺処分データは2019年に4億4000万頭に上る中国の豚のうち、その100倍以上が殺処分される可能性があることを示している。米農務省は4月、中国の豚は米国の年間生産量に匹敵する1億3400万匹が減ると予測、これは同省が1970年代半ばに中国の豚を数え始めて以来の最悪の落ち込みである。
アフリカ原産のASFウイルスは、豚とイノシシ、それにこの疾患を感染させる軟ダニの一種だけに感染する。この疾患は数十年前にアフリカで発生し、欧州の豚とイノシシから検出されてきた。このウイルス性疾患は、2007年にグルジア(現在のジョージア)共和国に出現、コーカサス地方に広がり、その後、2018年8月に中国、そして今年1月にモンゴル、2月にベトナムに到達した。日本は3月下旬、感染性ASFの最初の事例を発見した。アジアでのアフリカ豚コレラのまん延は極めて致命的であり、たとえそれが人の健康に害はないと分かっていても、人のエボラを連想させる出血性疾患は、感染した事実上すべての豚を殺す。
▽Plumbline Life Sciences, Inc.について
Plumbline Life Sciences、Inc.は、愛玩動物に焦点を当てている動物用バイオ医薬品企業である。同社は、動物が生まれつき持つ生物学的、免疫学的潜在力を最適化するため、エレクトロポレーションによるプラスミドベースのデオキシリボ核酸(DNA)送達と発現技術を使い、動物用のDNAベースのワクチンと治療法を開発している。同社のソリューションには、自然発生分子である成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)や、プラスミドを骨格筋細胞や皮膚に送達するためのエレクトロポレーション技術が含まれる。同社は、イヌのがん・貧血、ウマの蹄葉炎、ネコの腎不全・貧血、イヌの腎不全・貧血、ブタのGHRH用の製品を提供している。Plumbline Life Sciences, Inc. は、韓国のソウルを拠点としている。
▽Inovio Pharmaceuticals, Inc.について
Inovioは、がんと感染症を標的とした合成核酸技術の発見、開発、商品化に重点的に取り組む革新的バイオテクノロジー企業である。Inovioは独自の技術プラットフォームを抗原シーケンシングとDNA送達に応用し、標的疾患に対する強力な免疫反応を活性化させている。この技術は生体内でのみ機能し、標的のがんや病原体に対する強力で完全に機能するT細胞と抗体反応を、絶え間なく活性化することが実証されている。Inovioの最先端臨床プログラムであるVGX-3100は、HPV関連頸部前がんの治療薬として第3相試験に入っている。また、HPV関連がん、膀胱がん、膠芽細胞腫を標的とした免疫腫瘍プログラム開発が第2相試験中で、B型肝炎、ジカ、エボラ、MERS(中東呼吸器症候群)、HIV用のプラットフォーム開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、アストラゼネカ、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ApolloBio Corporation、GeneOne Life Science、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Coalition for Epidemic Preparedness Innovations、パーカーがん免疫療法研究所、米国防高等研究計画局(DARPA)、国立衛生研究所(NIH)、国立アレルギー・感染症研究所、国立がん研究所、HIV Vaccines Trial Network、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学が含まれている。詳細はwww.inovio.com を参照。
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