【マニラ(フィリピン)2019年5月10日PR Newswire=共同通信JBN】
*「A」格付けまであと1段階
*格付け見通しは「ステーブル(安定的)」
国際的格付け会社S&Pグローバル(S&P Global)はフィリピンの信用格付けを「BBB」から「BBB+」に引き上げた。格付け見通しは「ステーブル(安定的)」。これはS&Pによる信任投票である。
S&Pは4月30日に発表したリポートで、フィリピン経済の力強さを認め、同国の信用力を確認した。
S&Pは「フィリピンは、平均以上の経済成長、健全な対外ポジション、持続可能な財政を有している」と述べた。安定的な格付け見通しは、「フィリピン経済は抑制された財政赤字および安定的な公的債務と相まって、中期的に勢いを維持するというわれわれの見解を反映している」としている。
今回のS&P格付け引き上げは、世界的な経済問題にもかかわらずフィリピン経済が過去15四半期連続で6.0%を超える成長率を記録してきたという堅調な経済成長を受けたものである。政府はインフラストラクチャーや人的資本開発への不可欠な投資を増やしつつ、財政規律を継続的に実行している。
格付け引き上げは、フィリピンの堅調で持続可能で包括的な経済成長を促進するとみられる重要政策とインフラストラクチャー改革の実施を評価している。主要改革は、税制改革、コメ部門自由化、中央銀行憲章強化に関する法律、ビジネス円滑化を増大させ外国投資ネガティブリストを緩和するためのイニシアチブなどである。
S&Pによる格付け引き上げについてカルロス・ドミンゲス財務相は「S&Pグローバルがフィリピンの格付けを「BBB+」に1段階引き上げたことは、大胆な改革と健全な経済政策に対するドゥテルテ大統領の揺るぎないコミットメントに対する賛辞であり、これらは政府の10項目の社会経済アジェンダと断固としたイニシアチブを早急に実現するというドゥテルテ大統領の強い政治的意志に体現されている」と語った。
ドミンゲス氏は「ドゥテルテ大統領があらゆる政治的論争を超越し、税制改革、貿易自由化、インフラストラクチャー近代化などの政策イニシアチブの追求に集中し続けた意義は計り知れない。これらは成長の勢いを維持し、投資を誘致し、すべてのフィリピン国民のための金融包摂を大統領の監視下に置くことを確実にするために必要である。われわれはまた、大統領の社会経済的プログラムを支持してくれた議会に感謝したい」と付け加えた。
財務省財務局のロサリア・デレオン氏はこのニュースを歓迎し、「格付け引き上げは、債務管理に関するわれわれの健全な方針を評価したものである。たとえインフラストラクチャーや社会サービスへの投資を増やしても、われわれは債務を抑制し続けてきた。われわれは財政規律にコミットしている、そしてこれはフィリピンを国際金融コミュニティーの観点から真に信用力のある主権国家としている」と述べた。
フィリピン中銀のベンジャミン・ディオクノ総裁は、S&Pの好意的な格付け行動は、健全な経済運営、慎重な金融政策、強力な金融部門監督を評価したものだと語った。
ディオクノ氏は「中銀は長年にわたり物価・金融安定という任務に引き続きコミットし、経済が繁栄するための環境を提供してきた。物価安定という主要任務を実行し銀行部門を監督する能力を強化する新しい憲章を武器にして、中銀はフィリピンの経済発展目標を支持し続ける」と述べた。
新しい格付けは優れた「A」信用格付けカテゴリーの「A minus(Aマイナス)」格付けまでわずか1段階である。
ソース:Bangko Sentral ng Pilipinas (BSP)