【ゴルムド(中国)2019年1月31日PR Newswire=共同通信JBN】中国を本拠とするリチウムイオン電池メーカーであるContemporary Amperex Technology Co., Limited(CATL)は、中国で初めて風力発電(400MW)、太陽光発電(200MW)、集光型太陽光発電(50MW)、エネルギー貯蔵システム(ESS)(100MWh)を送電網上に1つの統合システムとして一体化したLuneng Haixiマルチミックスエネルギー実証プロジェクト(以下、「プロジェクト」)の一環として、世界初かつ中国最大のバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)マルチミックスエネルギー発電所(以下、「発電所」)を納入した。
発電所は、変動があり、とりわけ不安定なエネルギー源を持つ3つの異なる再生可能エネルギーを調整し、需要の変動に常時対応することが求められており、そのバッテリーとバッテリー管理システムはシステムの信頼性にとって極めて重要である。プロジェクトの独占的バッテリーサプライヤーであるCATLは、製品の設計、開発段階でこの要件を克服し、BESSの送電網への接続試験と稼働開始に要したのはわずか17日だった。
CATLの副会長兼最高戦略責任者であるフアン・シリン氏は「発電所はこの種初の、電気化学エネルギー貯蔵システムと統合された多機能集中型発電所だ。その技術的信頼性と手頃な価格は、様々な再生可能エネルギー利用のさらなるグローバル展開を促進するだろう」と語った。
エネルギー貯蔵所建設の際の最優先事項は安全性である。信頼できる素材を選ぶことで、CATLは故障事故と二次被害急増の可能性を最小にしている。CATLはまた、潜在的故障モード・影響分析(FMEA)設計プロセスに従い、製品の開発、製造および管理の初期段階でリスクを特定し、リスク軽減計画を実行して、適切に設計されたバッテリーセル、モジュール、キャビネット、制御システムを備えたバッテリーシステムの安全な稼働を確保している。3層のリレー保護システムを活用して、CATLはさらに過充電・過放電、過電流でダメージを受けてもバッテリーシステムの性能を保証、温度の高すぎ、低すぎの稼働条件も緩和している。
CATLと業界が直面する安全性と性能の重要課題の1つが、温度管理である。発電所が設置されたのは、気温が摂氏-33.6度から35.5度まで変わるゴルムド。バッテリーの性能を15年間保証するため、CATLは通気・気流設計を使用しキャビネットの温度を一定に保つ冷却システムを導入した。バッテリー管理ユニットが、温度の懸念を検知すると直ちにバッテリー冷却システムを起動。一方、予備充電電力が、低温下での充電で起きる容量ロスあるいはリチウムプレーティングからバッテリーを保護する。
加えて、ゴルムドは活発な地震帯に位置し、振動や衝撃の吸収が求められるため、プロジェクトには厳しい構造的要件もある。CATLの最先端の試験・検証センターは、厳格な試験とシミュレーションを実施、同社のバッテリーがマグニチュード8の地震が起きても耐えられることを証明した。
中国電力研究所の主任研究員であるフイ・ドン博士によると、この発電所は「仮想同期発電機を備えた世界初かつ中国最大の電気機械エネルギー貯蔵所」である。発電所を重要な部分とし、年間発電量12万6250MWh(40万1500トンの石炭発電エネルギーに相当)を見込むプロジェクトは、様々な新エネルギー利用の好例であり、それにより世界中のスマートグリッド(次世代送電網)利用の基準が設定されることになるだろう。
▽CATLについて
CATLは、電気自動車およびエネルギー貯蔵システム用のリチウムイオン電池の製造を専門とする中国最大のバッテリープロバイダーである。同社は、新エネルギーの推進、EVとESSバッテリー技術を通じた世界の変革に全力を尽くしている。CATLの年間販売量には、2017年に12GWhに達したEVとESS電池が含まれており、2018年のEV電池設置量は23.43GWhだった。
Photo - https://photos.prnasia.com/prnh/20190130/2360931-1
ソース:Contemporary Amperex Technology Co., Limited