【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2019年1月15日PR Newswire=共同通信JBN】
*本来のペムブロリズマブ、ニボルマブ配列との比較で
*がん専門誌Oncotarget掲載論文で、PD-1 DNAコード化モノクローナル抗体(dMAbs)に脚光
Inovio Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ: INO)は15日、免疫チェックポイント分子PD-1を標的とする最適化DNAコード化モノクローナル抗体(dMAbs(TM))の開発に成功したと発表した。画期的な前臨床データは、PD-1タンパク質を標的とする合成デザイナーdMAbバージョンのペムブロリズマブ(キイトルーダ(R))あるいはニボルマブ(オプジーボ(R))配列の単回注射は、マウスの体内で最大数カ月間、直接発現されるよう確実に再開発できることを示した。さらに、これらの治療薬の分子設計をInovio独自に配列最適化することで、同一の結合能を維持しつつ、元のキイトルーダやオプジーボ本来の配列と比較して発現の有意な改善がもたらされた。
これら公表されたdMAbの結果は、以下のような複数の利点を有する新世代のチェックポイント阻害剤の進歩の可能性を実証している。(1)チェックポイント阻害療法の患者レジメンの簡素化-現在市販されているタンパク質ベースのmAbと共に3週間毎に投与される90分静脈内注入をdMAbの単回局所注射に変更(2)体内でより一貫した発現をもたらし、患者により大きなメリットとなる可能性がある(3)簡単な追加的修正と単純化したdMAbの組み合わせ処方により、さらなる臨床上のメリットを迅速に提供する一層の機能向上をもたらす。PD-1 dMAbの結果は、Oncotargetの最新号に、ウィスター研究所のInovioの共同研究者によって「合成DNAコード化モノクローナル抗体(dMAb)の生体内での生成によるチェックポイント阻害剤送達の簡素化」というタイトルの論文として発表された。
Inovioの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJ・ジョセフ・キム博士は「われわれは、ヒトの体内で直接製造される潜在的に画期的な医薬品分野「dMAb」を急速に開拓しつつある。PD-1/PD-L1を標的とするチェックポイント阻害mAb製品は、今日の免疫腫瘍学における最も重要な進歩を示すものだ。企業提携、外部からの資金調達、コラボレーションを通じて、全く新しい知的所有権を持つ当社のPD-1を標的としたdMAb製品を、大ヒット製品であるキイトルーダやオプジーボの改良版となる可能性のある製品として売り込んでいくのを楽しみにしている」と語った。
Inovioは最近、初のdMAb技術のヒトに対する研究を開始した。安全性と耐容性の実証に加え、INO-A002の第1相用量漸増試験(ジカウイルス感染の予防または治療のため)は当初、数回の用量でのジカdMAbの体内生産レベルを評価する。体内への直接送達を使用し、CELLECTRA(R)プラットフォームによって局所的に送達されるよう設計された合成dMAbによってもたらされる遺伝的指令は、患者ごとにカスタマイズされた治療用抗体製品の製造工場になるよう体の細胞に指示し、抗体技術の大きな飛躍を可能にする。
従来のモノクローナル抗体は今日、製薬市場で最も大きな割合を占めており、毎年の医薬品の売上高はがん、感染症、炎症、心血管疾患にまたがる治療で1000億ドル以上に上る。合成設計され、患者の体内で生産されるdMAb製品は、この重要な医薬品分野への破壊的な参入者となる。Inovioとその共同研究者は過去数年間に、dMAbプラットフォームを推進するため6000万ドルを超える非希薄化助成金を既に受け取っている。dMAbには、収益性の高いmAb市場全体への破壊的な参入者として、また新たな世界的な感染症の脅威に対する迅速な対応と危機的なワクチンの制約への対応が可能であるという独自性に大きな関心が寄せられている。
Inovioと共同研究者たちは過去数年間、致死性の感染症の予防からがんの根絶、命にかかわるレベルのコレステロール値の低減までの治療実績とともに、dMAbプラットフォームから得た有力な前臨床データを一貫して実証する複数のインパクトある論文を発表してきた。dMAbはこの点で、はるかに高効率で、新たなmAb様生物製剤の迅速な製造、展開、進歩のための独自の機能を提供している。加えて体内でつくられたdMAbは、発現プロファイル、患者特異的グリコシル化などの付加的利点を有する可能性があり、従来のmAbアプローチと異なり、体内での組織培養や費用、時間のかかる生産システムに依存しない。Inovioは以前、免疫チェックポイント分子CTLA-4を標的とするdMAbの動物試験成功を発表している(Duperret et al. Cancer Res. 2018)。この前臨床試験では、マウスのCTLA-4タンパク質を標的とする高度に最適化されたdMAbが、生体内で確実に発現され、確立された疾患モデルにおいて治療的抗腫瘍免疫反応を促進し得ることが実証されている。重要なのは、Inovioの抗ヒトCTLA-4抗体イピリムマブ、トレメリムマブ用dMAbが、単回送達で数カ月間、高レベルで持続的な発現を達成したことである。Inovioはこの分野で、米特許庁から取得した最初の2件の特許を含め複数の特許を取得しており、これには直近の四半期に取得した今回のdMAb技術をカバーする特許も含まれている。
キイトルーダ(R)はメルク・アンド・カンパニー(MRK)の登録商標で、オプジーボ(R)は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(BMY)の登録商標である。
▽InovioのDNAベースのモノクローナル抗体プラットフォームについて
従来型のモノクローナル抗体は体外のバイオリアクター内で製造され、通常はコストのかかる大規模製造施設の開発と時間、労力のかかる製造が必要である。Inovioの破壊的なdMAb技術には、開発の迅速性、製品の安定性向上、製造の容易さと展開性を可能にする、新たなプラスミドベクターと独自の製法を活用した単純化設計により、こうした制約を克服する潜在力があり、究極的にはコスト効率を上げ、製品の到達範囲を広げて、様々な病気を治療するための新たな潜在的方法を提供することが可能になる。こうしたdMAbはCELLECTRA(R)を使用して身体の細胞内に直接届けられ、コード化されたモノクローナル抗体が局所的にトランスフェクトされた細胞によって産生される。既に公表されている研究で、エボラウイルスを標的とする高度に最適化されたDNAベースのモノクローナル抗体の単回投与が、マウスの血流中で高レベルの抗体の発現をもたらし、致死性の動物抗原投与に対する防護効果を発揮したことが示されている。追加的研究でも同様に、インフルエンザ、チクングンヤ熱、デング熱に効果のあるdMAb製剤が、致死性の抗原を投与された動物を守ったことを示すデータが報告されている。同チームは、動物の前立腺がん、乳がん、卵巣がんに効果のあるdMAbの送達も報告している。
▽Inovio Pharmaceuticals, Inc.について
Inovioは、がんと感染症の治療を変革するDNA免疫療法の発見、開発、商品化に重点的に取り組む後期バイオテクノロジー企業である。Inovio独自のプラットフォーム技術は、次世代の抗原シークエンシングとDNAデリバリーを応用し、標的疾患に対する強力な免疫反応を活性化する。この技術は生体内でのみ機能し、標的のがんや病原体に対する強力で完全に機能するT細胞と抗体反応を、絶え間なく活性化することが実証されている。Inovioは、殺能力が関連する臨床転帰と相関するT細胞の生成を報告している唯一の免疫療法企業である。Inovioの最先端臨床プログラムであるVGX-3100は、HPV関連子宮頸がんの治療薬として第3相試験に入っている。また、頭頸部がん、膀胱がん、膠芽細胞腫を標的とした免疫腫瘍プログラム開発が第2相試験中で、B型肝炎、ジカ、エボラ、MERS(中東呼吸器症候群)、HIV用のプラットフォーム開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、MedImmune、Regeneron、Roche/Genentech、ApolloBio Corporation、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学、パーカーがん免疫療法研究所、CEPI、国防高等研究計画局(DARPA)、GeneOne Life Science、Plumbline Life Sciences、ドレクセル大学、国立衛生研究所(NIH)、HIV Vaccines Trial Network、国立がん研究所、米軍のHIV研究プログラム、ラバル大学が含まれている。詳細については、http://www.inovio.com を参照。
ソース:Inovio Pharmaceuticals, Inc.
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