【上海2023年10月10日PR Newswire=共同通信JBN】絶縁(アイソレーション)の話は聞き飽きたという人もいるかもしれませんが、実は回路や個人の安全を守る上で重要な役割を担っているのです。
簡単な例を挙げましょう。電気自動車(EV)のバッテリー電圧は400V、あるいは800Vに達することもありますが、ドライバーは落ち着いて安全に車内の全ての機器、計器、ノブを操作できます。こうした冷静さと安全性の背後では、さまざまな形式の絶縁が重要な役割を果たしており、高電圧システムと低電圧システムの間に安全で信頼できる接続を構築しています。
このような大きな影響を考慮すると、絶縁タイプの選択は特に重要です。半導体技術の進歩により、デジタルアイソレーターの人気は急上昇しています。
デジタルアイソレーターを理解することは、さほど難しくはありません。光電変換と変調が他の技術に変更されている以外は、フォトカプラーに似ています。ただし、デジタルアイソレーターでは光減衰は起こらないことに留意してください。フォトカプラーと異なり、デジタルアイソレーターには、良好なスイッチング特性、経年劣化に対する脆弱性の低さ、高信頼性、高耐電圧能力、高速性、エネルギー伝達性など、多くのメリットがあります。これらは全て、半導体技術に支えられています。
しかしながら、テクノロジーの領域に完璧は存在しません。デジタルアイソレーターには明らかな利点がありますが、トレードオフも常に存在します。例えば、容量性アイソレーターではコモンモード干渉が発生することがあり、これを抑制する必要があります。コモンモード干渉に対する耐性を大幅に強化する方法はいくつかあります。中国のアイソレーターメーカーNOVOSENSEを例に取ると、同社はOOKをベースに独自の変調技術Adaptive OOK(R)を開発し、デジタルアイソレーターのコモンモード干渉に対する耐性を向上させました。
いわゆるAdaptive OOK(R)技術は、IC内部のコモンモード検出回路を使いコモンモード信号の状態を検出し、検出した信号に応じて内部のキー回路の特性や電圧利得(ゲイン)をダイナミックかつ適応的に変調します。コモンモードノイズが大きいほどノイズをより効果的に抑制できるため、コモンモード干渉に対するロバスト性と耐性が向上します。
適応変調のもう1つの利点は、フル動作状態で高いコモンモード干渉耐性を保証する必要がないことです。回路が干渉を抑制するためより多くの機能を実行する必要があるのは、瞬間的な干渉が比較的大きい場合だけです。過酷な条件がなく、コモンモード干渉耐性の要求が低いほとんどの場合、Adaptive OOK(R)技術はシステム特性と消費電力のバランスをうまく取り、全体的なパフォーマンスを最適化できます。
電磁リレーやフォトカプラーの台頭と優位性の時代を経て、ついにデジタルアイソレーターの夜明けがやってきました。システムのセキュリティーを保証し、ユーザーを保護するために、ますます不可欠な存在となっています。もし、まだシステムにフォトカプラーを使用しているのなら、考え直して、デジタルアイソレーター技術の世界に深くのめり込む時かもしれません。