omniture

カールスバーグがバイオベースの完全リサイクル可能なボトルを消費者に提供-過去最大規模の試験

Carlsberg Group
2022-06-22 23:01 1803

【コペンハーゲン(デンマーク)2022年6月22日PR Newswire=共同通信JBN】カールスバーググループ(Carlsberg Group)は22日、これまでで最大規模の試験となる、新しいファイバーボトル(Fibre Bottle)の試験的運用を発表した。消費者は、バイオベースかつ完全にリサイクル可能なこのビールボトルを初めて手にすることになる。進化するテクノロジーと持続可能な実践に焦点を当てたこのボトルには、有機大麦と再生大麦を使用して醸造されたビールが入っている。

この試験的な取り組みは、ビールボトルを商業的に実現するというカールスバーグの野心を加速させるために不可欠なもので、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、英国、ポーランド、ドイツ、フランスといった欧州西部の8市場に8000本のファイバーボトルのサンプルが提供される。このボトルは、厳選されたフェスティバルやフラッグシップイベント、ターゲットとなる製品サンプリングを通じて、現地の消費者、顧客、その他のステークホルダーの手にわたる。こうした規模のテストにより、カールスバーグは人々の製品体験に関するフィードバックを収集する機会を得て、次世代のデザインの参考にすることができる。

Carlsberg reveals next generation Fibre Bottle, made from sustainably sourced wood fibre and plant-based lining
Carlsberg reveals next generation Fibre Bottle, made from sustainably sourced wood fibre and plant-based lining

▽新しいファイバーボトルはPEFの潜在能力を活用

このファイバーボトルが画期的なのは、カールスバーグのパートナーである再生可能化学をリードするエキスパートAvantiumが開発した植物由来のPEFポリマーライニングを使用していることである。PEFは天然素材のみで作られており、プラスチックのリサイクルシステムに適合し、もし国のリサイクルシステム外で処理された場合でも自然分解される。PEFは持続可能なパッケージングの利点の他にもビールと繊維の外殻の間の非常に効果的なバリアとして機能し、従来の化石燃料を使用するPETプラスチックよりもビールの味と発泡性を保護できる。

パッケージング会社Pabocoが製造したボトルの外殻は、持続可能な方法で調達されたバイオ由来の木材繊維で構成されている。この外殻には断熱性があり、缶やガラス製ボトルに比べてビールをより長く冷たく保てる利点がある。

カールスバーグのグループ開発担当Stephane Munch副社長は次のように述べた。

「われわれの新しいファイバーボトルを消費者に届け、自分で体験してもらえることをうれしく思う。この試験的な取り組みは本製品の生産、性能およびリサイクルを大規模にテストするという、より大きな目的を果たすものになる」

「ビールの有効な機能的バリアとしてPEFを特定し、製造することは、当社にとって最大の課題の1つだった。そのため、良好な試験結果を得て、サプライヤーと協力し、ライン上でボトルが充填されるのを見ることは素晴らしい成果である!」

このボトルは、製品の品質を確保するために現時点で必要なキャップ以外は100%バイオベースで、ボトル、キャップとも完全にリサイクル可能である。今後、Paboco、カールスバーグ、そしてペーパーボトルコミュニティーのパートナーは、2023年に一般的なソリューションとなることが予想される繊維ベースのボトルキャップ代替品を検討している。カールスバーグはAvantiumおよびPabocoとともに開発を続け、今年の消費者フィードバックとPabocoの開発を活用し、ビールの一次パッケージングに同様に適合した3.0ソリューションに到達する予定である。

▽これまでの枠にとらわれない大麦で醸造

進歩したのはボトルそのものだけではない。カールスバーグは2022年の消費者試験に向けて、より持続可能なビールをボトルに詰めた。大麦麦芽のサプライヤーであるSouffletとのコラボレーションにより、カールスバーグは完全有機農法と再生農法で栽培された大麦を使用したビールを醸造した。具体的には、再生農業のさらなる利点に寄与するため、被覆作物は有機栽培の大麦畑で栽培されている。この大麦の栽培方法によって農地の生物多様性が向上し、土壌の健全性が高まり、従来の農法に比べて土壌による自然の炭素隔離が増加し、それと同時に消費者はこれまでと同じカールスバーグ独特の味を楽しむことを期待できる。

▽より良いものを常に追求

ファイバーボトルのジェネレーション2.0は、製品ライフサイクル評価において使い捨てガラスボトルよりも優れたパフォーマンスを示しており、カールスバーグは今後登場するジェネレーション3.0の設計についてさらに大きな野心を抱いている。現在の予測に支えられたカールスバーグのビジョンは、ファイバーボトルが今の使い捨てガラスボトルよりも最大で80%少ない排出量を達成することである。

つまり、1つの使い捨てガラスボトルを製造するごとに、同じカーボンフットプリントで5つのファイバーボトルを製造することができる。カールスバーグは最終的に、ファイバーボトルが詰め替え可能なガラスボトルと同じ低カーボンフットプリントを達成することを目指している。詰め替え可能なガラスボトルは効率的なシステムで収集・再利用された場合、現時点で最高のパフォーマンスを発揮する一次パッケージングである。ファイバーボトルが大規模に商品化されればカールスバーグの消費者の選択肢が広がり、ガラスボトルや缶などの既存のパッケージングに置き換わるのではなく、補完することになる。

カールスバーグのSimon Boas Hoffmeyerグループサステナビリティーディレクターは次のよう付言した。「当社の新しいファイバーボトルの進歩は、あらゆる意味でより良い製品を作ることを重視したカールスバーグのパイオニア精神の証である。当社は2015年からこのプロジェクトに全力で取り組んでおり、このボトルの環境フットプリントと製品性能をさらに高めることで、業界標準を設定し続けることを目指している。重要なのはコラボレーションであり、当社はパートナーとともに、持続可能なパッケージングソリューションへの研究開発が、いまやどのようにして標準になりつつあるのかを見ることに興奮している」

今回の試みはカールスバーグの野心的なESGプログラム「Together Towards Zero and Beyond」の世界的な立ち上げに先立つもので、既存のサステナビリティーの実績と勢いに基づき、持続可能な農業と持続可能なパッケージングにおける新たな野心に踏み込み、最終的にはカールスバーグがバリューチェーン全体でカーボンインパクトの低減を実現することである。

Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1843958/Carlsberg.jpg?p=medium600

ソース: Carlsberg Group