【ゲイザースバーグ(米メリーランド州)2022年4月21日PR Newswire=共同通信JBN】
*COVID-19・インフルエンザ混合ワクチン候補の第1/2相臨床試験で、同ワクチンの忍容性と免疫原性の高さが示された
*本混合ワクチン試験のデータは、2022年末までに開始予定の第2相用量確認試験に反映される
*インフルエンザワクチン単体と混合ワクチンで免疫反応が確認され、いずれにも将来的可能性がある
重篤な感染症に対する次世代ワクチンの開発と商品化を専門とするバイオテクノロジー企業Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は21日、COVID・インフルエンザ混合ワクチン(CIC)の第1/2相臨床試験の初期結果を発表した。CICは、NovavaxのCOVID-19ワクチン「NVX-CoV2373」と同社の4価インフルエンザワクチン候補を組み合わせたものである。CIC試験により、同混合ワクチン製剤の実用性、忍容性、免疫原性の高さが実証された。
Novavaxの研究開発責任者、Gregory M. Glenn医学博士は「当社は、公衆衛生状況の動向を継続的に評価しており、COVID-19と季節性インフルエンザの両方に対処できるブースター接種を繰り返す必要があるかもしれないと考えている」「今回のデータ、さらにCOVID-19・インフルエンザ混合ワクチンに加えてインフルエンザとCOVID-19の単独ワクチンにも将来的な可能性があることに意を強くしている」と語った。
混合ワクチンの安全性、忍容性プロフィルは、本試験の参照製剤であるNVX-CoV2373および4価ナノ粒子インフルエンザワクチンの単剤と一致していた。混合ワクチンの忍容性は概ね良好であることが分かった。重篤な有害事象はまれで、同ワクチンに関連ありと評価されるものはなかった。
本試験は記述的評価項目を採用し、異なるCICワクチン製剤の安全性と免疫反応を評価した。試験の設計にはモデリングベースのアプローチ「実験計画法(DOE)」を用い、従来のアプローチと比較して、COVID-19抗原とインフルエンザ抗原の両方の用量選択をより効果的に微調整し、今後の開発に役立てられるようにした。試験の暫定結果から、さまざまなCICワクチン製剤が、参照したインフルエンザワクチンおよびCOVID-19ワクチンの単独製剤(H1N1、H3N2、B-Victoria HA、SARS-CoV-2 rS抗原用)と同等の免疫反応を参加者に誘発することが判明した。モデリング結果から、混合製剤は全体として抗原量を最大50%削減できる可能性があり、生産と流通を最適化できることも分かった。
本試験で使用されたタンパク質ベースのワクチンはいずれも、免疫反応を増強し、中和抗体の高レベル発現を促すため、特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)を添加してつくられた。これらのデータは、2022年末までに開始予定の第2相確認試験入りを支持している。
本試験のデータは、ワシントンDCで開催されたWorld Vaccine Congress(WVC、ワールド・ワクチン・コングレス)で発表された。
インフルエンザ・プログラムの最新情報
WVCでNovavaxは、かつて「NanoFlu」と呼ばれ、同社の主要免疫原性評価項目を満たした単独インフルエンザワクチン候補の第3相試験の主な結果についても説明した。これらの結果は既に、ランセット誌に掲載されている(The Lancet )。
米国での承認
NVX-CoV2373、インフルエンザワクチン候補のいずれも、まだ米食品医薬品局(FDA)による承認あるいは米国での使用許可を受けていない。
NVX-CoV2373の重要な安全情報
*NVX-CoV2373は、有効成分あるいはいかなる添加剤に対しても過敏症のある人には禁忌である。
*COVID-19ワクチンの投与によるアナフィラキシー事象が報告されている。ワクチン投与後、アナフィラキシー反応が出た場合に、適切な治療と監視が行えるようにしておく必要がある。少なくとも15分間の注意深い観察が推奨され、NVX-CoV2373の初回接種でアナフィラキシーを起こした人には、2回目の接種は行わないこと。
*ワクチン接種に伴い、注射針に対する反応として血管迷走神経反応(失神)、過呼吸、ストレス関連反応などの不安関連反応が起こることがある。失神によるけがを避けるため、予防措置を講じることが重要。
*急性重症熱性疾患または急性感染症に罹患している人は、ワクチン接種を延期すること。軽度の感染症と微熱あるいはそのいずれかがある場合は、ワクチン接種を遅らせる必要はない。
*抗凝固療法を受けている人、血小板減少症や凝固障害(血友病など)のある人は、筋肉内投与後に出血やあざができることがあるので、NVX-CoV2373の投与は慎重に行うこと。
*NVX-CoV2373の効能は、免疫抑制された人では低くなることがある。
*妊娠中のNVX-CoV2373の投与は、潜在的利益が母体および胎児への潜在的リスクを上回る場合にのみ検討すること。
*NVX-CoV2373の投与により、一時的に運転や機械の使用能力に影響が出る可能性がある。
*2回目の投与から7日たっていない人は、予防効果が完全でない場合がある。全てのワクチン同様、NVX-CoV2373のワクチン接種が全ワクチン接種者を守るわけではない。
*臨床試験中に観察された最も一般的な副作用は、頭痛、吐き気または嘔吐、筋肉痛、関節痛、注射部位の圧痛・疼痛、疲労感、倦怠感だった。
添付文書付き製品概要の全文を含む追加の安全情報については、www.NovavaxCovidVaccine.com を参照。
▽COVID-19・インフルエンザ混合ワクチンの第1/2相試験について
CICワクチンの第1/2相試験では、Novavaxの組換えタンパク質ベースのNVX-CoV2373とインフルエンザワクチン候補、特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-Mを組み合わせた単一製剤の評価を行っている。本試験では、50-70歳の健康な成人642人を対象に、同混合ワクチンの安全性、忍容性、免疫反応を評価する。登録の少なくとも8週間前に、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスへの感染歴があるか、公認ワクチンによるワクチン接種を受けている人が参加者となる。全参加者が、複数の製剤を評価するために各群に無作為に割り振られ、0日目と56日目に投与される。本試験はオーストラリアの10施設で実施中である。(ClinicalTrials.gov 識別子: NCT04961541)
▽NVX-CoV2373について
NVX-CoV2373は、COVID-19疾患を引き起こすウイルスSARS-CoV-2の最初のウイルス株の遺伝子配列から設計したタンパク質ベースのワクチンである。NVX-CoV2373は、コロナウイルスのスパイク(S)タンパク質由来の抗原生成用のNovavax組換えナノ粒子技術を使って作成され、免疫反応を強化し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのMatrix-Mをアジュバント添加している。NVX-CoV2373には精製したタンパク質抗原が含まれており、複製することも、COVID-19を引き起こすこともできない。
NovavaxのCOVID-19ワクチンは、すぐ使用できる液体製剤で、10回の接種分を1バイアルとしてパッケージされている。接種方法は、0.5 mlのワクチン(抗原5マイクログラム、アジュバントMatrix-M 50マイクログラム)を21日間隔で2回筋肉注射する。本ワクチンはセ氏2-8度で保管されており、既存のワクチン供給、コールドチェーンのルートが使える。本ワクチンは、当局の勧告に従って使用すること。
Novavaxは、NVX-CoV2373の製造、商業化、販売のため、世界中でパートナーシップを確立している。既に下りている認可は、生産量で世界最大のワクチンメーカー、インド血清研究所(Serum Institute of India)との製造パートナーシップを活用した。今後、Novavaxのグローバル・サプライチェーン内の他の製造施設のデータが追加提出される予定。
▽アジュバントMatrix-M(TM)について
Novavaxの特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-Mは、抗原提示細胞の注射部位への侵入を促し、局所リンパ節内の抗原提示を増強、免疫反応を高めることにより、強力で忍容性の高い効果を発揮した。
▽Novavaxのインフルエンザ・プログラムについて
かつて「NanoFlu」として知られていたNovavaxのインフルエンザワクチンは、Novavaxが同社のSF9昆虫細胞バキュロウイルスシステムで製造した4価組換えヘマグルチニン(HA)タンパク質ナノ粒子インフルエンザワクチンである。このインフルエンザワクチンは、推奨されている野生型循環ウイルスのHA配列と同じHAアミノ酸タンパク質配列を使用、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-Mが添加されている。同治験薬候補は、2019-2020年のインフルエンザシーズンに実施された第3相対照試験中に評価が行われた。
▽Novavax(ノババックス)について
Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は、重篤な感染症を予防する革新的ワクチンの発見、開発、商品化を通じた地球規模での健康増進を掲げるバイオテクノロジー企業である。同社独自の組換え技術プラットフォームは、遺伝子工学のパワーとスピードを組み合わせ、緊急かつグローバルな健康ニーズに対応できるよう設計された、免疫原性の高いナノ粒子を効率的に生成する。同社のCOVID-19ワクチン「NVX-CoV2373」は、欧州委員会や世界保健機関(WHO)など、世界中の複数の規制当局の条件付き承認を得ている。同ワクチンは、世界中のそれ以外の複数の規制当局でも審査が行われている。
詳細については、www.novavax.com にアクセスし、LinkedIn(LinkedIn )で当社に連絡を。
▽問い合わせ先
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