【オースティン(米テキサス州)2022年4月15日PR Newswire=共同通信JBN】
*ハードウエアを意識したソフトウエアは最大のハードウエア性能を促進し、市場投入までの時間を早め、エコロジカルプットプリントの向上を推進する
ハイパースケールのイノベーションを全ての人にもたらす非営利組織のOCP(Open Computer Project)Foundationは15日、新しいハードウエア-ソフトウエア協調設計戦略(hardware-software co-design strategy )を発表した。これにはマイクロソフトとインテルによるScalable I/O(Input/Output)Virtualization(SIOV)仕様によるOCPへの最近の貢献や、Linux Foundationが現在行っているSONiC Projectの新しいコラボレーションの実例がある。
Open Compute Project FoundationのGeorge Tchaparian最高経営責任者(CEO)は「ハードウエア-ソフトウエアの協調設計は、ハードウエアの性能を最大限に引き出すために、そしてシステムの性能や環境フットプリントがソフトウエアとハードウエアの相互作用に大きく依存するハードウエアの市場投入までの時間を短縮するために、ハードウエアを熟知する必要があるソフトウエアに焦点を当てている。OCPの新しいハードウエア-ソフトウエア協調設計戦略の一環として、マイクロソフトとインテルが新たな貢献をしてくれたこと、そしてLinux FoundationでのSONiC Projectにおけるコラボレーションを継続できることをわれわれは喜んでいる」と述べた。
ハードウエア-ソフトウエアの協調設計は、ソフトウエアのワークロードがより多様化し、許容できるエネルギーと環境コストで最高のパフォーマンスを実現するために特殊なシリコンを必要とする中、新たな重要性を帯びている。システムソフトウエアあるいはファームウエアは、基礎となるハードウエアアーキテクチャーの知識を用いて、コスト対パフォーマンスの曲線に沿って適切なエンジニアリングトレードオフを行い、環境に優しいソフトウエアを実現するために設計される必要がある。
マイクロソフトとインテルによる、Scalable I/O Virtualization(Scalable I/O Virtualization )仕様の最近の貢献は、I/Oの大規模な仮想化に向けたハードウエアとソフトウエアのアーキテクチャーSIOVが提供するOCPのハードウエア-ソフトウエア協調戦略にとって重要な例である。この仕様はSR-IOV(シングルルートI/O仮想化)を進化させたもので、スケーリングの制限をなくし、数百、数千のVM(仮想マシン)やソフトウエアコンテナが、今日最新のクラウドネイティブソフトウエアの要件を満たすI/Oデバイスプールを動的に共有できるようにする。OCP はSIOV を中心とした健全なコミュニティー育成し、シリコンおよびクラウドアーキテクチャーのイノベーションを刺激する触媒になることを目指す。
OCP と Linux Foundation のコラボレーションが拡大し、SONiC プロジェクトが加わった。ハードウエア-ソフトウエアの協調設計に合わせ、OCPに残るSwitch Abstraction Interface (SAI)(https://www.opencompute.org/documents/switch-abstraction-interface-ocp-specification-v0-2-pdf )プロジェクトと、現在はLinux Foundationが行うSONiCを中心にコラボレーションが続いている。このコラボレーションにより、OCPはLinux Foundationソフトウエア開発コミュニティーがより大規模にSONiCを受け入れることの恩恵を享受し、OCP認定スイッチハードウエアへの支援を生み出し、OCP認定機器の新しい市場分野を開拓できることができるようになることを喜んでいる。SONiCは多くのハイパースケールなデータセンター事業者に好まれるOSだが、他の市場セグメントは特別な機能を必要としており、SAIにより、そうした市場がユースケースに最も適したスイッチOSを選ぶことが可能になる。
IDCのワールドワイドインフラストラクチャー・インフラストラクチャーシステム担当グループバイスプレジデントAshish Nadkarni氏は「データセンターインフラストラクチャー市場は進化を続けている。それはAIとMLワークロードの採用によって促されるシリコン多様性の増加に伴ったものだ。この多様性は、電力とエコロジカルフットプリントも管理する高性能のコンピューティングインフラを提供するプレッシャーを受けている市場を再形成している。これら要件の組み合わせにより、ハードウエア-ソフトウエア協調設計が不可欠になっている」と述べた。
▽主要な関係者のサポート
インテル(SIOV)
インテルのIntel Xeonロードマップ&テクノロジー担当シニアフェロー兼チーフアーキテクトのRonak Singhal氏は次のように述べた。「インテルは包括的で革新的なエコシステムを強化することの支援としてオープンスタンダードに全力で取り組んでいる。Open Compute Projectと提携し、新しいScalable I/O Virtualization(SIOV)仕様を展開することで、CPUとPCIeデバイスのエコシステム全体がハイパースケール時代に向け、よりスケーラブルで効率的かつ高性能なI/O仮想化の採用を加速させることができる」
マイクロソフト(SONiC)
SONiC Foundation役員でマイクロソフトのテクニカルフェロー/コーポレート・バイスプレジデントのDave Maltz氏は次のように述べた。「オープンソースのSONiC Network Operating Systemはネットワークエコシステム全体で迅速なイノベーションを実現している。それはOCPでのSwitch Abstraction Interface(SAI)から始まった。OCPとSONiCはこの何年か、互いの成長に素晴らしく貢献している。いま、SONiCはLinux Foundationに参加し、サービスを提供するコミュニティーや業界を拡大している。OCPとLF SONiC Foundationは、OCPのハードウエア-ソフトウエア協調設計戦略の一環として、ハードウエアとSAIの仕様全体に密接な協力を続けるだろう」
Linux Foundation
Linux Foundationのネットワーキング・エッジ・IoT担当ゼネラルマネジャーであるArpit Joshipura氏は次のように述べた。「Linux Foundationは、オープンソースデータセンターのNOS展開におけるリーダーであるSONiCが、われわれの成長するオープンネットワーキングプロジェクトと開発コミュニティーに参加してくれたことを歓迎する。われわれはSONiCのソフトウエアコンポーネントに重点を置いているため、ハードウエアとSAIのような仕様の調整について、Open Compute Foundation(OCP)と提携することを楽しみにしている」
▽Open Compute Project Foundationについて
Open Compute Project(OCP)の中心はハイパースケールデータセンター事業者、通信プロバイダー、コロケーションプロバイダー、企業ITユーザーから成るコミュニティーで、ベンダーと協力し、製品組み込みの際にはクラウドからエッジまで展開されるオープンなイノベーションを開発する。OCP Foundationは市場に対応し、未来を形成するためにOCPコミュニティーを育成・支援する責任を担い、ハイパースケール主導のイノベーションを全ての人々にもたらす。市場対応の達成は、オープンな設計とベストプラクティスを通じて、そしてOCPコミュニティーが効率性、大規模運用、持続可能性に向けて開発したイノベーションを組み込んだデータセンター施設とIT機器によって実現される。未来を形作るものとしてはAIとML、オプティクス、高度な冷却技術、コンポーザブルシリコンなど、ITエコシステムの大きな変化に備える戦略的な取り組みに投資することが含まれる。詳しい情報は、www.opencompute.orgを参照。
▽メディア問い合わせ先
Dirk Van Slyke
Open Compute Project Foundation
Vice President, Chief Marketing Officer
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