【ゲイザースバーグ(米メリーランド州)2021年12月16日PR Newswire=共同通信JBN】
*武田薬品は、厚生労働省(厚労省)に初のタンパク質ベースのCOVID-19ワクチン候補の新薬承認を申請
*日本での第1/2相試験の中間データでは、強力な免疫反応と良好な忍容性が示され、重篤な有害事象はなかった
重篤な感染症に対する次世代ワクチンの開発と商品化を専門とするバイオテクノロジー企業Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は16日、同社のCOVID-19ワクチンの厚生労働省(厚労省)に対する新薬承認申請(NDA)が、パートナーの武田薬品工業株式会社(武田薬品)によって行われたと発表した。日本ではTAK-019、海外ではNVX-CoV2373として知られる、Matrix-M(TM)をアジュバント添加したNovavaxの組換えナノ粒子COVID-19ワクチンは、日本で新薬承認申請された初のタンパク質ベースのCOVID-19ワクチンである。
両社は厚労省の支援を得て、武田薬品の国内施設でTAK-019の生産能力の整備を進めており、薬事承認を経て、2022年初頭の供給開始を目指している。
NovavaxのStanley C. Erck社長兼最高経営責任者(CEO)は「本日の申請により、当社のタンパク質ベースのCOVID-19ワクチンを世界で幅広く使用できるようにする取り組みが、さらに前進した。当社と武田薬品とのパートナーシップは、十分解明されているワクチン・プラットフォーム上でつくられたCOVID-19ワクチンの供給に向け、粘り強く協力していくとの両社共通のコミットメントの反映だ」と語った。
今回のNDA申請には、武田薬品が日本で実施中のNVX-CoV2373/TAK-019の免疫原性および安全性に関する第1/2相臨床試験の中間解析が含まれており、そこでは、同ワクチンが強力な免疫反応を示し、忍容性も良好で、重篤な有害事象はなかったことが示された。武田薬品は、2021年12月時点で入手可能な全ての化学・製造・管理(CMC)、非臨床および臨床データを提出した。追って、NDA審査期間中に、追加のCMCデータを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出する予定。
申請書類には、Novavaxの2つの第3相主試験の安全性、有効性データも含まれている。1つは、米国とメキシコでの3万人を対象としたPREVENT-19で、中等度および重度の疾患を100%予防、流行の大部分を占める、懸念される変異株と注目すべき変異株に対して93.2%の有効性、全体で90.4%の有効性が示された。もう1つは、英国で1万5000人が参加した試験で、ウイルス原株に対して96.4%、アルファ(B.1.1.7)変異株に対して86.3%、全体で89.7%の有効性が示された。いずれの試験においても、NVX-CoV2373は安心できる安全性、忍容性プロファイルを示した。
日本の厚労省へのNDA申請に加え、Novavaxとインド血清研究所(Serum Institute of India Pvt. Ltd.(SII))は先ごろ、インドネシア(Indonesia )とフィリピン(Philippines )で同ワクチンの緊急使用許可(EUA)を取得。両社はインドでのEUA申請、世界保健機関(WHO)への緊急使用リスト(EUL)掲載申請(World Health Organization )も行っている。Novavaxは、英国(United Kingdom )、オーストラリア(Australia )、ニュージーランド(New Zealand )、カナダ(Canada )、シンガポール(Singapore )、アラブ首長国連邦(United Arab Emirates )、欧州連合(European Union )およびWHOへの同社ワクチンの承認申請も発表。さらにNovavaxとSK bioscienceは、韓国の食品医薬品安全省(MFDS)へのバイオ医薬品承認申請書(BLA)提出を発表した(South Korea )。Novavaxは、米食品医薬品局(FDA)には年内に完全なCMCデータパッケージを提出する予定。
▽NVX-CoV2373について
NVX-CoV2373は、COVID-19疾患を引き起こすウイルスSARS-CoV-2の最初のウイルス株の遺伝子配列から設計したタンパク質ベースのワクチン候補である。NVX-CoV2373は、コロナウイルスのスパイク(S)タンパク質由来の抗原生成用のNovavax組換えナノ粒子技術を使って作成され、免疫反応を強化し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのMatrix-M(TM)をアジュバント添加している。NVX-CoV2373には精製したタンパク質抗原が含まれており、複製することも、COVID-19を引き起こすこともできない。
NovavaxのCOVID-19ワクチンは、すぐ使用できる液体製剤で、10回の接種分を1バイアルとしてパッケージされている。接種方法は、0.5 mlのワクチン(抗原5マイクログラム、アジュバントMatrix-M 50マイクログラム)を21日間隔で2回筋肉注射する。ワクチンは摂氏2-8度で保管されており、既存のワクチン供給、コールドチェーンのルートが使える。
▽アジュバントMatrix-M(TM)について
Novavaxの特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)は、抗原提示細胞の注射部位への侵入を促し、局所リンパ節内の抗原提示を増強、免疫反応を高めることにより、強力で忍容性の高い効果を発揮した。
▽Novavax(ノババックス)について
Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は、重篤な感染症を予防する革新的ワクチンの発見、開発、商品化を通じた地球規模での健康増進を掲げるバイオテクノロジー企業である。同社独自の組換え技術プラットフォームは、遺伝子工学のパワーとスピードを組み合わせ、緊急かつグローバルな健康ニーズに対応できるよう設計された、免疫原性の高いナノ粒子を効率的に生成する。同社のCOVID-19ワクチン「NVX-CoV2373」は、インドネシアとフィリピンで緊急使用許可を取得、世界中の複数の市場で承認申請中である。同社の4価インフルエンザ・ナノ粒子ワクチンNanoFlu(TM)は、高齢者を対象とした第3相主臨床試験で主要目的を全て達成した。Novavaxは現在、同社のNVX-CoV2373とNanoFluワクチン候補を組み合わせたCOVID-NanoFlu混合ワクチンを第1/2相臨床試験で評価中である。いずれのワクチン候補も、免疫反応を増強し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavax独自のサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)を添加している。
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