ロンドン, 2021年10月28日 /PRNewswire/ -- Getting to Zero Coalitionは27日、2050年までに完全脱炭素化への移行を実現するために政府、業界、国際機関が取らなければならない行動の包括的な研究である「Strategy for the Transition to Zero-Emission Shipping(ゼロエミッション海運への移行戦略)」を開始した。
海運業は過去に移行を経験しており、再びそれがあり得る。University Maritime Advisory Services(UMAS)がGetting to Zero Coalitionのために準備したこのリポートは、移行が、社会への大規模な利益とともに、新しい市場、新しいテクノロジー、新しい雇用を創出する機会であることを示している。
この戦略は、移行理論と技術経済学を組み合わせた初の主要な海運リポートである。リポートは、そのような移行の本質的要素、すなわち、政治的、技術的、経済的、商業的要件、およびそれらを実現するために、このセクターから必須とされる行動のための新たな知見を提供している。
UCL Energy Institute准教授で同リポートの主執筆者であるTristan Smith博士は「2018年以降、脱炭素化の議論は、業界の燃料選択とIMO(国際海事機関)での炭素価格設定の可能性に関する討議が中心だった。このリポートは、海運の脱炭素化にはより広い視点が必要であり、国および地域レベルを含め、引っ張ることができ、引っ張るべきである変化のための多くのレバー(手段)により注意を払う必要があることを示している」と語った。
リポートは、燃料経路は事前に決定されていないが、今後数年間の選択によって影響を受けると結論付けている。しかし、この時点での海運業の移行での、最も緊急の商業的、政策的行動は、水素に由来するスケーラブルなゼロエミッション燃料の生産・使用の増加に貢献することができる行動である。
Global Maritime ForumのJesse Fahnestock調査・分析部門責任者はロンドンのチャーチハウスで開かれたGlobal Maritime Forum年次サミットでの移行戦略開始に際し、「移行を開始し、コストとリスクを削減するには、業界のリーダーシップ、コラボレーション、および民間部門と公共部門の両方からの初期段階の投資が不可欠である。2030年までに海運で5%のスケーラブルなゼロエミッション燃料に到達することにより、次の数十年に急速な拡散を可能にする転換点を作り出すことができる。われわれは2020年代に、海運の総燃料消費量の約10%がゼロエミッション燃料への移行に有望な諸条件を備えていると推定しており、この目標はほぼ達成可能である」と語った。
リポートは、2050年までに完全な脱炭素化への移行が可能であることを強調しているが、すべての関係者は独自の方法で準備する必要がある。この10年間、ゼロエミッション海運を支援、展開する可能性のある国や企業は、そのために協力を開始する必要がある。行動へのより高い障壁に直面している人々は、来るべき急速な変化のために柔軟かつ強力な戦略を準備しなければならない。そして、すべての関係者は、IMOを通じてグローバルに強力な行動を可能にするために取り組む必要がある。
世界経済フォーラムのMargi Van Goghサプライチェーン・輸送責任者は「成功とは、単一の行動方針を見つけることではなく、さまざまな利害関係者による一連の行動を見つけることを意味する。これは、2050年までに同セクターを完全に脱炭素化するため、相互に強化および補完することができるということである」と述べている。
「Strategy for the Transition to Zero-Emission Shipping」はUMASがGetting to Zero CoalitionのためにMission Possible Partnership (MPP)の資金供与を受けて用意した。
▽Getting to Zero Coalitionについて
Getting to Zero Coalitionは、海事全体の主要な利害関係者を集め、金融セクターや2030年までに商業的に実行可能なゼロエミッション船をスケーラブルな現実にすることにコミットしている他のセクターにバリューチェーンを供給する、業界主導のコラボレーションプラットフォームである。Getting to Zero Coalitionは、Global Maritime Forum、Friends of Ocean Action、および世界経済フォーラムの間のパートナーシップである。
▽Global Maritime Forumについて
Global Maritime Forumは持続可能な長期的経済発展と人間の幸福を高めるため、世界の海上貿易の未来を形作ることに取り組んでいる国際的非営利団体である。
▽Friends of Ocean Actionについて
Friends of Ocean Actionは、ビジネス、国際機関、市民社会、科学、学界の55人を超えるグローバルリーダーからなるユニークなグループであり、海洋が直面する最も差し迫った課題に対するスケーラブルなソリューションを急速に発展させている。世界経済フォーラムがWorld Resources Institute(世界資源研究所)と協力してFriends of Ocean Actionを主催している。
▽世界経済フォーラム(World Economic Forum)について
世界経済フォーラムは、官民協力のための国際組織である。同フォーラムには、世界、地域、業界のアジェンダづくりのため、政治、ビジネス、その他各界のトップリーダーが参加している。非営利財団として1971年に設立され、スイスのジュネーブを本拠としている。同フォーラムは独立して公平であり、特別な利益に結び付けられていない。
▽UMASについて
UMASは、コンサルティングサービスを提供し、海運システムのモデル、ビッグデータの海運、および海運システムのポリシーと商業構造の定性的および社会科学的分析を使用して、公共・民間セクターの幅広いクライアントに調査を提供している。UMASの業務は、厳密なモデルと研究手法によりサポートされている最先端データによって支えられており、UMASは2つの主要分野で世界をリードしている。ビッグデータを使用して輸送排出量の推進要因を理解することと、モデルを使用して輸送のゼロ排出量の将来への移行を探求することである。詳細な情報はwww.u-mas.co.uk を参照。