【新竹(台湾)2013年7月29日PRN】無線通信とデジタル・マルチメディア・ソリューションの大手ファブレス半導体企業であるメディアテック(MediaTek Inc.、2454:TT)は29日、ハイエンド・タブレット向けの画期的なMT8135システム・オン・チップ(SoC)を発表した。このクアッドコア・ソリューションには、2個の高性能ARM Cortex(商標)-A15と2個の高効率ARM Cortex(商標)-A7プロセッサー、Imagination Technologiesの最新GPUであるPowerVR(商標)Series 6が搭載されている。このソリューションは、ヘテロジニアス・マルチプロセッシングを可能とする最適化されたARM(登録商標)big.LITTLE(商標)プロセッシング・サブシステムによって補完され、最高のユーザー体験を提供するように設計されている。ソリューションは究極の電力効率を終始保ちながら、過度のウェブ・ダウンロード、ハードコア・ゲーム、高品質ビデオ鑑賞、過密なマルチタスクを含め、プロセッサーに加重が集中する広範なアプリケーションをシームレスに作動させる能力がある。
メディアテックは革新的で市場をリードするプラットフォーム・ソリューションを開発するとの評判通りに、ARM(登録商標)big.LITTLE(商標)アーキテクチャーの性能およびエネルギー効率の利点を最大限に引き出す順応型熱管理と双方向電源管理を組み合わせた最新鋭のスケジューラー・アルゴリズムを導入した。この技術によって、アプリケーション・ソフトウエアはbig.LITTLEクラスターに搭載されたすべてのプロセッサーに同時アクセスが可能で、全面的にヘテロジニアスな体験を実現する。メディアテックはモバイルSoC上にヘテロジニアスなマルチプロセッシングを実現した最初の企業として、次世代タブレットおよびモバイル・デバイスの設計をサポートするMT8135を他社に先駆けて市場に導入した。
ARMのノエル・ハーレー副社長(戦略・マーケティング・プロセッサー部門担当)は「ARM big.LITTLE(商標)技術は、通常の作業負荷でプロセッサーのエネルギー消費を最大70%軽減する。これはモバイル・プラットフォームにとってバッテリー寿命を終日にわたり動作可能にするうえで極めて重要である。メディアテックのMT8135がbig.LITTLEアーキテクチャーが提供する機会を捉え、ヘテロジニアス・プロセッシング・プラットフォーム上で新規サービスを実現することは喜ばしいことである」と語った。
Linley Groupの上級アナリストであるマイク・デムラー氏は「マルチタスク・デバイスに移行するには性能の向上が必要であり、それと同時に最適化されたマルチコア・システムのアプローチによってだけ達成可能な高電力効率を生み出す必要がある。従って、マルチコア・プロセッシング能力はモバイルSoCソリューションにとって急速に重要不可欠な機能になりつつある。MT8135は、同時かつヘテロジニアスなマルチプロセッシングを提供するため、ARMのbig.LITTLEアーキテクチャーの初めての実装である。このように、メディアテックは次世代のタブレットおよびモバイル・デバイス設計でバッテリー寿命の向上の先頭を切っており、コンピューター、グラフィック、マルチメディアの性能向上のためにタスクと適正サイズのコアを調和させる柔軟性を提供する」と語った。
MT8135は、メディアテックが開発したWiFi、Bluetooth 4.0、GPS、FMを含むフォーインワン接続コンビネーションの機能を備え、高度に統合された無線技術と拡張した機能を市場トップのマルチメディア・タブレットに搭載できるように設計されている。MT8135はまた、マルチメディア・コンテンツをデバイス間で極めて容易に共有できるWiFi認定のMiracast(商標)をサポートする。
さらに、タブレットSoCは、Imagination TechnologiesのPowerVR(商標)Series6 GPUによって実現したかつてないグラフィック性能を誇る。Imaginationのトニー・キングスミス執行副社長(マーケティング担当)は「メディアテックと最新世代のタブレットSoCで提携でき誇りに思っている。PowerVR(商標)Series6 GPUは、モバイルおよびエンベデッド市場での当社の成功に基づき製造されており、グラフィック・コンピューターGPU向けの業界最高の性能および効率を誇るソリューションを提供する。メディアテックはImaginationおよび同社のPowerVR(商標)Series6 GPUにとって重要な第一級のパートナーであり、MT8135がスマートフォン、タブレットをはじめとするモバイル・デバイスで、ハイエンドのゲーム、スムーズなユーザーインターフェース、最新のブラウザー・ベースのグラフィックス・リッチなアプリケーションにおける重要な基準を設定すると期待する。当社のPowerVR(商標)Series6 GPUのおかげで、MT8135が旧世代のタブレット・プロセッシングよりも5倍以上のGPUコンピューター性能を提供すると確信している」と語った。
メディアテックのホーム・エンターテインメント事業のゼネラルマネジャーであるジョー・チェン氏は「メディアテックはユーザーがモバイル・デバイスを最大限活用できることを目標としている。MT8135の実装および販売によって、ユーザーは品質やエネルギーを犠牲にすることなく、生活の中でマルチタスク体験を楽しむことができる。マルチコア・プロセッシング・ソリューションのリーダーとして、われわれはこの能力を世界中のユーザーが利用できるように普及させるため、能力の最適化に常に努力している」と語った。
MT8135は、メディアテックが大きな成功を収めたクアッドコア・プロセッサー製品ラインの中で最新のSoCである。クアッドコア・プロセッサーは昨年12月に発表して以来、世界で350のプロジェクトと150以上のモバイル・デバイス・モデルに使用されている。今回の最新ソリューションは包括的なレファレンス設計が添付されており、先行製品と同様に、とりわけハイエンド・タブレット分野でまたたく間に業界標準になるとみられる。
▽メディアテック(MediaTek Inc.)について
メディアテックは、無線通信およびデジタル・マルチメディア・ソリューションの大手ファブレス半導体メーカーである。同社は無線通信、高解像度テレビ、光学ストレージ、DVD、ブルーレイの各製品向け最先端SoCシステムソリューション開発の市場リーダーおよびパイオニアである。同社は1997年に創立され、台湾証券取引所に証券コード「2454」で上場している。メディアテックは台湾に本社を置き、米国、中国本土、シンガポール、インド、日本、韓国、デンマーク、英国、スウェーデン、ドバイに販売や研究開発の子会社を持っている。詳細はwww.mediatek.comを参照。