【モントリオール2021年10月5日PR Newswire=共同通信JBN】Innodem Neurosciencesは5日、多発性硬化症(MS)を患う人々を支援する画期的な臨床試験を実施するため、Novartis Pharmaceuticals Canada Inc.(Novartis、ノバルティス)と複数年のパートナーシップ契約を締結したと発表した。
InnodemのAIを活用した特許取得済みの視線追跡ソフトウエア技術は、タブレットを眼球運動バイオマーカー(EMB)や視線マッピングバイオマーカー(GMB)を捕捉・分析できるデバイスに変え、臨床医の診断を支援し、MSの病状の進行をモニターできるようにするモバイルアプリに組み込まれている。
デジタル式のEMBおよびGMB検査は非侵襲的で、診療所の待合室や患者が自宅で数分で終えることができる。遠隔自己検査は、パンデミック時や、神経科医に簡単にかかることのできない地方在住のMS患者にとって大きなメリットである。
Innodemの中心的創業者で最高経営責任者(CEO)でもある認知神経学者のEtienne de Villers-Sidani博士は「Novartisから調達した資金は、2027年までの期間、慎重に設計された横断的・縦断的なMS研究に充てられる。私は現役の神経科医として、今回の試験で、Innodemの技術がいかに臨床医が病気の進行を可能な限り早期にモニターする支援ができ、MS治療と患者転帰が改善できるのかが証明されることを期待している」と語った。
InnodemのMarc Reeves共同創業者兼最高業務責任者は「今回のパートナーシップは、過去2年間に築き上げてきた継続中の協力関係の成果だ。MSを患う世界中の人々のケアの質を向上させるという共通の目標とコミットメントを具体化したものだ」と付け加えた。
Novartis Pharmaceuticals Canada Inc.の国内薬事組織責任者のAndrea Marazzi氏は「Novartisは、イノベーションを起こし、ヘルステック分野のリーダーとなるべく努力を重ねている。当社は、既存のソリューションを検討した結果、Innodem独自の視線追跡技術を選択、これが最も有望で、その使いやすさから容易に拡張可能だと考えている。今回の試験で、その妥当性が確認され、カナダをはじめ世界中で、より多くのMS患者や治療に携わる医師がこの技術を利用できるようになることを期待している」とコメントした。
試験期間中、MS患者は月2回の検査を受け、そのデータは現在のゴールドスタンダードである拡張障害状態尺度(EDSS)、MSの簡易国際認知機能評価(BICAMS)、多発性硬化症機能性複合材料(MSFC)の各スコアと相関させ、臨床医が病気の進行を示す微妙な変化に気付くことができるようにする。こうした変化は、磁気共鳴画像(MRI)では確認できないこともある。
Innodemの経営陣は、複数年の試験で、新たなデジタルEMBおよびGMBが、こうした変化を正確かつ容易、そしてコスト効果良く測定できることを実証できると考えている。de Villers-Sidani博士は「患者が進行性MSの客観的兆候を示している場合、臨床医はより適した治療を勧めることができ、早期に気付ければ、その患者がより重い障害を抱えるのを防ぐことができる。現在、進行性のMSを検出する実用的なコンパニオン診断検査はないが、EMBとGMBはこの重要なギャップを埋めることができると考えている」と付け加えた。
▽INNODEM NEUROSCIENCESについて
2016年創業のInnodem Neurosciencesは、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病および関連疾患、前頭側頭型認知症および関連疾患、がん関連認知機能障害(「ケモブレイン」)などの神経変性疾患に対する特許取得済みのモバイル・デジタルバイオマーカー技術を開発した。この新たな視線追跡・認知検査技術は、クラウドベースのAIインフラに接続した直感的タブレットアプリで構成される、HIPAA/PIPEDAに準拠したシステムに組み込まれている。このアプリは、数分で完了する一連のタスクで構成されており、ユーザーの眼球運動は、眼球運動バイオマーカー(EMB)および視線マッピングバイオマーカー(GMB)と呼ばれるデータセットに記録される。認知神経学者でCEOのEtienne de Villers-Sidani博士が率いるInnodemのコアチームは、神経科学者、ソフトウエアエンジニア、データサイエンティスト、医療専門家、連続起業家の部門横断的グループで構成されている。同社の使命は、神経変性疾患とがん関連認知障害の全段階を遠隔検査し、ケアの質と患者の転帰を改善し、世界中の医療システムに見たこともないレベルの使いやすさとコスト効率をもたらす簡単な方法を提供することである。詳細については、www.innodemneurosciences.com を参照。