【シンガポール、2021年9月28日 /PRNewswire】 ロックウェル・オートメーションの産業部門シニアコンサルタントであるチャンドラモウリ・K・L.は、サプライチェーン全体の製造業が、VUCA(ブーカ:Volatility-変動性、Uncertainty-不確実性、Complexity-複雑性、Ambiguity-曖昧性)の中で、製造のレジリエンス(変化対応力)を強化する方法について述べています。ロックウェル・オートメーション (https://www.rockwellautomation.com/ja-jp.html)(NYSE: ROK) は、産業用オートメーションとデジタルトランスフォーメーションを提供するグローバルリーダーです。なお、以下はチャンドラモウリ個人の見解であり、ロックウェル・オートメーションの見解を代表するものではありません。
パンデミックが猛威を振るう中、製造業はどの地域や業界でも、部品や原材料の不足に悩まされています。このことは、受注を増やしてビジネスを回復させようとする企業努力の妨げになっています。物流の滞り、ランサムウェア攻撃や人手不足など、サプライチェーンへの打撃は今や世界中に広がっています。
VUCAに対処するために、以下の3点を実施することが効果的です。
1. 柔軟な生産対応
パンデミックの中で製造業が直面している最も一般的な課題は、需要への対応、材料の入手、人手不足の3つです。これらは通常消費者の行動変容によって引き起こされるものですが、現在は世界的なロックダウンのために石油、木材、鉄鋼、半導体の需要がひっ迫しています。
この現状を打破するためには、製造の柔軟性向上とサプライヤ統合の推進が不可欠です。サプライヤは部品供給の問題を軽減するために、単一のグローバル製造オペレーション管理(MOM:Manufacturing Operations Management)システムを導入していく必要があります。メーカーがモデルや製品を迅速に切り替えられるように、管理方法を再構築するべきです。MOMを使って運用を統一することで、組み立てラインの変更、人材の研修、その他の問題を前もってサプライヤ連絡し、効果的に課題を解決することができます。
サプライヤとの統合推進も重要です。エンジニアリングの専門家や請負業者と協力して、個々の部品を詰めた箱ではなく、既に組み立てられたモジュールを開発し提供することができます。例えば、わが社のクライアントでアジア各地に工場を持つあるおもちゃメーカーは、デジタルプラットフォームを構築することで、設計者、エンジニア、サプライヤ、マーケティング担当者の間でCAD(コンピュータ支援設計)データをほぼリアルタイムで共有し、新しい商品デザインを開発しました。これにより、データ管理と取引時間が30%短縮され、顧客対応が早くなり、コストが削減されました。
2. よりスマートな人員配置
パンデミックがもたらしたもう一つの大きな影響は、恒常的な人材不足です。多くの企業は、専門技術を持つ従業員の少なさ、新しい役割や不慣れな役割を担うスタッフの増加、そしてコストのかかるシフト調整といった問題に直面しています。
人材の研修やテクノロジの活用が、これまで以上に重要になってきています。データ分析を導入することで、従業員の能力とスキルをより深く把握し、複雑な機器やプロセスを実行するための最適な人員を配置することができます。これは、タスクの合理化、生産性の向上、および従業員の満足度向上につながります。自律型ロボットを導入すれば、簡単な作業をロボットに任せることもできます。その分、従業員はソーシャルディスタンスを守りながら、異なる部署の同僚と協力して知識を共有し業務能力を強化することができます。
3. 原料不足への対応にデータ分析を活用
自動車メーカーに影響を与える半導体チップの不足など、原材料供給の変動に関する課題には、データ分析を利用した製品ライフサイクル管理(PLM:Product Lifecycle Management)ソフトウェアを活用することが推奨されます。モデル予測制御 (MPC)、人工知能 (AI)、さらには生産システムの問題を模擬体験することができる「カオスエンジニアリング」機能を利用して、順応性を向上させていくことができます。
PLMは、一連の工程における情報を管理するソフトウェアプラットフォームです。デジタルで生産定義、従業員管理、高度な視覚化を行うことで、生産と設備のライフサイクルを俯瞰し、生産の管理に活用できます。
長期的なレジリエンスを強化するサプライチェーン
変化を避けられない現代にあって、サプライチェーンに携わる製造業は、VUCAおよびその他の課題に対応するべく、デジタル化を推進していくことが求められています。より高い俊敏性、回復力、持続可能性を構築することで、生産管理情報にすぐにアクセスでき、問題が発生した場合でも効果的な対応をとれるようになります。
(日本語リリース:クライアント提供)