【ゲイザースバーグ(米メリーランド州)2021年9月8日PR Newswire=共同通信JBN】
*Matrix-M(TM)をアジュバント添加したNanoFlu(TM)/NVX-CoV2373混合ワクチンの第1相臨床試験の最初の参加者を登録
*第1/2相試験では免疫原性と安全性を評価
重篤な感染症に対する次世代ワクチンの開発と商品化を専門とするバイオテクノロジー企業Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は8日、Novavaxの季節性インフルエンザワクチンとCOVID-19ワクチンを使った混合ワクチンの安全性と免疫原性を評価する第1/2相試験の最初の参加者の登録を発表した。本臨床試験では、Novavaxの組換えタンパク質ベースのワクチン候補NVX-CoV2373とNanoFlu(TM)、特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)を組み合わせ、単一製剤(COVID-NanoFlu混合ワクチン)としている。NVX-CoV2373とNanoFluはいずれも、これまでの第3相臨床試験で単独のワクチンとして良好な結果を出している。
Novavaxの研究開発責任者、Gregory M. Glenn医学博士は「本試験は、生命を脅かす2つの疾患に対する、当社のアジュバントMatrix-Mで増強された強力な免疫反応を誘発するワクチンの潜在力を評価する初の試験だ。個々のワクチンとして卓越した結果を出し、安全性、忍容性プロファイルも良好だった2つのワクチンを併用すれば、医療システムの効率アップにつながり、1回の投与でCOVID-19とインフルエンザに対する高い予防効果が得られる可能性がある」と語った。
本試験では、50歳から70歳の健康な成人640人を対象に、NVX-CoV2373、アジュバントMatrix-Mと共に製剤化したNanoFluの安全性、忍容性、免疫反応を評価する。参加者は、COVID-19引き起こすSARS-CoV-2ウイルスに過去に感染したことがあるか、登録の少なくとも8週間前に認可済みワクチンを接種している必要がある。参加者は全員、複数の製剤を評価するための集団に無作為に割り当てられ、0日目と56日目に投与される。本試験は、オーストラリアにおいて最大12の試験施設で実施され、結果は2022年前半に出る予定。
前臨床試験(preclinical studies )において、COVID-NanoFlu混合ワクチンは、4価インフルエンザワクチンの各成分およびSARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対して強力かつ機能的な免疫反応を示し、アジュバントMatrix-Mが重要な役割を果たした。
NVX-CoV2373は、米国とメキシコでの3万人近い成人を対象とした第3相臨床試験で、中等度と重度のCOVID-19感染を100%予防、90.4%の全体的有効性を示した(demonstrated )。NanoFluは、65歳以上の成人を対象とした第3相主試験で主要評価項目を達成、ワクチンに含まれる4種類のインフルエンザウイルス株すべてにおいて、認可済みの比較対照薬に対して非劣性免疫原性を示す一方、同種および複数の異種A/H3N2株に対する野生型の凝集抑制抗体反応を増強するとともにT細胞反応を強力に誘導した。
NVX-CoV2373は、認可済みインフルエンザワクチンと同時に投与する併用接種試験でも評価が行われている(evaluated )。この試験では、NVX-CoV2373を単独で接種した場合と比べ、ワクチンを併用接種した場合でもワクチンの有効性が維持されることが示された。
▽NVX-CoV2373について
NVX-CoV2373は、COVID-19疾患を引き起こすウイルスSARS-CoV-2の最初のウイルス株の遺伝子配列から設計したタンパク質ベースのワクチン候補である。NVX-CoV2373は、コロナウイルスのスパイク(S)タンパク質由来の抗原生成用のNovavax組換えナノ粒子技術を使って作成され、免疫反応を強化し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのMatrix-M(TM)をアジュバント添加している。NVX-CoV2373には精製したタンパク質抗原が含まれており、複製することも、COVID-19を引き起こすこともできない。前臨床試験でNVX-CoV2373は、スパイクタンパク質の細胞受容体への結合を阻害する抗体を誘導し、感染や疾患に対する予防効果を示した。第1/2相臨床試験では、概ね忍容性が高く、強力な抗体反応を誘発した。
NVX-CoV2373は、ウイルス原株に対して96.4%、アルファ(B.1.1.7)変異株に対して86.3%、全体で89.7%の有効性が示された英国での試験と、中等度と重度の疾患を100%予防し、全体でも90.4%の有効性が示された米国とメキシコでのPREVENT-19試験の、2つの第3相主試験で評価が行われている。また、HIV陰性の参加者で55%の全体的有効性、南アフリカで最初に報告された新型エスケープ変異株に対して48.6%の有効性が示された南アフリカでの第2b相試験、米国とオーストラリアで続けられている第1/2相試験という、2020年8月に開始された2つの進行中の第2相試験でも評価が行われている。
NVX-CoV2373は、セ氏2-8度で保管、安定しており、既存のワクチン供給網ルートを使って配布できる。すぐ使用できる液体製剤で、10回の接種分を1バイアルとしてパッケージされている。本試験で使用された組換えスパイクタンパク質は、チェコ共和国にあるNovavaxの工場で製造された。
▽アジュバントMatrix-M(TM)について
Novavaxの特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)は、抗原提示細胞の注射部位への侵入を促し、局所リンパ節内の抗原提示を増強、免疫反応を高めることにより、強力で忍容性の高い効果を発揮した。
▽NanoFlu(TM)について
NanoFlu(TM)は、Novavaxが同社のSF9昆虫細胞バキュロウイルスシステムで製造した4価組換え血球凝集素(HA)タンパク質ナノ粒子インフルエンザワクチンである。NanoFluは、推奨されている野生型循環ウイルスのHA配列と同じHAアミノ酸タンパク質配列を使用している。NanoFluには、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)が添加されている。
▽Novavax(ノババックス)について
Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は、重篤な感染症を予防する革新的ワクチンの発見、開発、商品化を通じた地球規模での健康増進を掲げるバイオテクノロジー企業である。同社独自の組換え技術プラットフォームは、遺伝子工学のパワーとスピードを組み合わせ、緊急かつグローバルな健康ニーズに対応できるよう設計された、免疫原性の高いナノ粒子を効率的に生成する。Novavaxは、COVID-19を引き起こすウイルスSARS-CoV-2のワクチン候補であるNVX-CoV2373の後期臨床試験を実施中である。同社の4価インフルエンザ・ナノ粒子ワクチンNanoFlu(TM)は、高齢者を対象とした第3相主臨床試験で主要目的を全て達成、規制当局への申請段階に進む予定。両ワクチン候補とも、免疫反応を増強し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavax独自のサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)を添加している。
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▽問い合わせ先
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