【ゲイザースバーグ(米メリーランド州)2021年5月11日PR Newswire=共同通信JBN】
*論文が強調しているのは、インフルエンザとCOVID-19の両方に対する強力な反応の発現とSARS-CoV-2ウイルスに対する予防効果
*データは発表に先立ち、生物学用プレプリントサーバーbioRxivで共有
重篤な感染症の次世代ワクチンを開発しているバイオテクノロジー企業Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は11日、同社の4価季節性インフルエンザワクチン(NanoFlu(TM))とCOVID-19ワクチン候補(NVX-CoV2373)の混合ワクチンの前臨床試験のデータを発表した。NanoFlu/NVX-CoV2373混合ワクチンは、インフルエンザとSARS-CoV-2の両方に対し良好な免疫反応を示した。論文のプレプリントは、bioRxiv.org(bioRxiv.org )で入手できる。
「Matrix-M(TM)アジュバントを添加した組換えSARS-CoV-2スパイクと、4価季節性インフルエンザ血球凝集素ナノ粒子を含有する呼吸器混合ワクチン」と題する論文は、4価ナノ粒子インフルエンザワクチンを、組換えSARS-CoV-2スパイクタンパク質ワクチンとMatrix-M(TM)アジュバントと共に調剤した混合ワクチンの研究論文である。混合ワクチンは、インフルエンザのAとB両型に対して強力な反応を誘発、SARS-CoV-2ウイルスに対する予防効果も示した。混合ワクチンの臨床試験は、年末までに開始される予定。
Novavaxの研究開発責任者、Gregory M. Glenn医学博士は「COVID-19パンデミック中の発生率は低いものの、インフルエンザは依然として世界の公衆衛生に対する重大なリスクであり、対インフルエンザを含めて汎用性が高く、より効果的なワクチンのニーズはかつてなく高い。今回の研究結果は、NVX-CoV2373と、昨年発表した第3相主臨床試験で全目的を達成したNanoFluの、今日までの成功を踏まえたものだ。NovavaxのテクノロジープラットフォームとMatrix-M(TM)アジュバントを活用するこの新たな混合ワクチン候補は、いずれも有害な両呼吸器ウイルスとの長期的戦いにおいて、将来、重要なツールになる可能性があると考えている」と語った。
▽免疫原性結果
前臨床試験では、NanoFlu/NVX-CoV2373(qNIV/CoV2373)混合ワクチンが、フェレットでインフルエンザとCOVIDの機能性抗体を誘導することが分かった。混合ワクチンと各成分ワクチンをそれぞれ投与した場合の、血球凝集阻害(HAI)とACE2受容体阻害の力価は同等だった。抗体価は1回目の投与の2週間後に上昇し、2回目の投与の2週間後、さらに上昇した。
NanoFlu/NVX-CoV2373混合ワクチンを投与したハムスターは、1回目の投与の2週間後にSARS-CoV-2抗S IgGのレベルが上昇、2回目の投与後にはNVX-CoV2373ワクチンのみを投与したハムスターと同等レベルまで大幅に上がった。ヒトACE2受容体阻害抗体レベルも、同様の反応を示した。NanoFlu/NVX-CoV2373が誘導したインフルエンザAおよびB株に対する免疫反応は、NanoFluのみの場合の免疫反応と同等だった。さらに混合ワクチンは、USA-WA1とB.1.351変異株に共通してみられる、隠れた部位あるいは微小部位を含む、SARS-CoV-2中和エピトープに対する抗体を誘導した。
▽SARS-CoV-2感染後の予防効果
ハムスターをSARS-CoV-2に感染させたところ、NanoFlu/NVX-CoV2373を投与したハムスターは、感染していないハムスターやNVX-CoV2373だけを投与したハムスターと同等の体重を維持した。上気道および下気道のウイルス量を調べたところ、NanoFlu/NVX-CoV2373またはNVX-CoV2373のみを投与したハムスターからは、COVID-19感染の4日後にはウイルスがほとんどあるいは全く検出されなかった。肺の顕微鏡および肉眼での観察では、混合ワクチンまたはNVX-CoV2373のみのいずれかを投与したハムスターには、顕著な所見はみられなかった。
NovavaxのRussell 'Rip' Wilsonエグゼクティブ・バイスプレジデント兼NanoFluゼネラルマネジャーは「季節性インフルエンザとCOVID-19の混合ワクチンは、新たなCOVID-19変異株との戦いに不可欠な存在になるかもしれない。米国では毎年、何百万人もがインフルエンザにかかるが、われわれがワクチン接種に取り組んではいるものの、現在利用可能なインフルエンザワクチンは一部にしか効果がない。当社のNanoFluワクチンの第3相臨床試験は、全ての主要評価項目を達成しており、この混合ワクチンはCOVID-19とインフルエンザ疾患の両方の制圧に役立つと期待している」と語った。
▽NVX-CoV2373について
NVX-CoV2373は、COVID-19疾患を引き起こすウイルスSARS-CoV-2の原株の遺伝子配列から設計したタンパク質ベースのワクチン候補である。NVX-CoV2373は、コロナウイルスのスパイク(S)タンパク質由来の抗原生成用のNovavax組換えナノ粒子技術を使って作成され、免疫反応を強化し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのMatrix-M(TM)をアジュバント添加している。NVX-CoV2373には精製したタンパク質抗原が含まれており、複製することも、COVID-19を引き起こすこともできない。前臨床試験でNVX-CoV2373は、スパイクタンパク質の細胞受容体への結合を阻害する抗体を誘導し、感染や疾患に対する予防効果を示した。概ね忍容性が高く、第1/2相臨床試験では強力な抗体反応を誘発した。
NVX-CoV2373は、重症疾患の100%予防と、ウイルスの原株に対する96.4%の有効性、B.1.1.7/501Y.V1変異株に対する86.3%の有効性、全体で89.7%の有効性を示した英国での試験と、2020年12月に始まった米国とメキシコでのPREVENT-19試験の2つの第3相主試験で評価が行われている。また、重症疾患の100%予防と、南アフリカで初めて報告された新型エスケープ変異株に対する48.6%の有効性が示された南アフリカでの第2b相試験、米国とオーストラリアで続けられている第1/2相試験という、2020年8月に開始された2つの進行中の第2相試験でも評価が行われている。
NVX-CoV2373は、セ氏2-8度で保管、安定しており、既存のワクチン・サプライチェーンチャネルを使って配布できる。すぐ使用できる液体製剤で、10回の接種分を1バイアルとしてパッケージされている。
▽Matrix-M(TM)について
Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのアジュバントMatrix-M(TM)は、抗原提示細胞の注射部位への侵入を促し、局所リンパ節内の抗原提示を増強、免疫反応を高めることにより、強力で忍容性の高い効果を示した。
▽NanoFlu(TM)について
NanoFlu(TM)は、Novavaxが同社のSF9昆虫細胞バキュロウイルスシステムで製造した組換え血球凝集素(HA)タンパク質ナノ粒子インフルエンザワクチンである。NanoFluは、推奨されている野生型循環ウイルスのHA配列と同じHAアミノ酸タンパク質配列を使用している。NanoFluには、Novavaxが特許取得済みのサポニンベースのMatrix-M(TM)アジュバントが添加されている。
▽Novavax(ノババックス)について
Novavax, Inc.(Nasdaq:NVAX)は、重度感染症を予防する革新的ワクチンの発見、開発、商品化を通じた地球規模での健康増進を掲げるバイオテクノロジー企業である。同社独自の組換え技術プラットフォームは、遺伝子工学のパワーとスピードを組み合わせ、緊急かつグローバルな健康ニーズに対応できるよう設計された、免疫原性の高いナノ粒子を効率的に生成する。Novavaxは、COVID-19を引き起こすウイルスSARS-CoV-2のワクチン候補であるNVX-CoV2373の後期臨床試験を実施中である。同社の4価インフルエンザ・ナノ粒子ワクチンNanoFlu(TM)は、高齢者を対象とした第3相主臨床試験で主要目的を全て達成、規制当局への申請段階に進む予定。両ワクチン候補とも、免疫反応を増強し、中和抗体の高レベル発現を促すため、Novavax独自のサポニンベースのMatrix-M(TM)アジュバントを添加している。
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▽問い合わせ先
投資家向け
Novavax, Inc.
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ir@novavax.com
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aroy@soleburytrout.com
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ソース:Novavax, Inc.