【ジェノバ(イタリア)2021年4月19日PR Newswire=共同通信JBN】
*がん治療のライブ画像化に向けて
ASG Superconductorsは Helmholtz-Zentrum Dresden Rossendorf(ドレスデン・ロッセンドルフ研究所、HZDR)と協力し、活動中の腫瘍を陽子線治療中に磁気共鳴画像法(MRI)でリアルタイムで追跡する世界初のプロトタイプを構築し、Alberta Health ServicesのLINAC-MRシステム用の回転オープンMRIデバイスを、ドレスデンに本拠を置くNational Center for Radiation Research in Oncology(国立腫瘍学放射線研究センター)であるOncoRayの時々刻々とスキャンされた臨床的陽子線と組み合わせる。この回転MRIデバイスは、MROpen Evoテクノロジーをベースにしたヘリウムフリー超伝導MgB2磁石を使用して、ASG Superconductorsによって製造されている。リアルタイムMRIにより、放射線量照射中に陽子線を腫瘍の動きに同期させることが可能になる。これまでこれは不可能であり、活動中の腫瘍に対するこの有望ながん治療法の制約要因となっていた。
陽子線治療は、陽子線の浸透深度が有限であることから、従来のX線ベースの放射線よりもうまく周辺組織を保護しつつ腫瘍を照射する新興の放射線技術である。しかし、陽子線治療の有効性は、腫瘍の動き、治療中の解剖学的変化、および患者ポジショニング設定の際の不正確さによって限定されている。
HZDRのAswin Hoffmann氏と同氏のチームはいまや、この新たなMRIデバイスと、その胸部、腹部、骨盤の臓器のリアルタイムかつ高コントラストの画像化機能を使い、ある段階で臨床的に使用される可能性のある最初のプロトタイプを構築する方針である:「このMRIスキャナーが特別なのは、陽子線に対して患者の周りを回転させることができることである。これにより、陽子ビームに垂直、平行な両方のMRI磁場に対する線量測定と生物学的ビームの効果を研究することができる」。
ASG Superconductorsは現在、中電界強度のオープン0.5Tesla MRIデバイスを製造している。これは、Alberta Health ServicesのLINAC-MRグループとそのスピンオフ企業MagnetTx Oncology SolutionsによるリアルタイムMRI誘導放射線治療の要件に特に適合している。MagnetTx Oncology Solutionsは、MRIスキャナーを回転させるために必要なガントリーと、腫瘍をリアルタイムで自動的に追跡するための画像処理方法を開発している。総重量30トンのデバイスの設計と製造は現在本格化している。同チームは2022年夏に、これをOncoRay施設で時々刻々とスキャンされた臨床的に類似した実験的ビームラインに組み込む計画である。
ASG Paramed MRI部門のMarco Belardinelliディレクターは「ASG SuperconductorsがHZDRおよびMagnetTxと共同でこのプロジェクトに参加することは非常に喜ばしい。当社のMRI・MgB2超電導技術がこのような新しく革新的なアプリケーションの主要コンポーネントとして使用され、最終的に患者と医学界に利益をもたらすのを目の当たりにすることは、われわれが正しい方向に進んでいるとの誇りとさらに自信を与える」と述べた。
MagnetTxのMike Cogswell社長兼最高経営責任者(CEO)は「HZDR、ASGと当社のパートナーシップは極めて前向きである。われわれは、がん治療業界を向上させるために協力し続けることを楽しみにしている」と述べた。
Hoffmann氏は「HZDRおよび国際的な産業パートナーとのこのコラボレーションのおかげで、われわれはこの分野、特にリアルタイムの画像誘導陽子線治療に大きなイノベーションをもたらすという当社の目標に大きく近づいている」と述べた。
Video - https://mma.prnasia.com/media2/1490634/ASG_Superconductors_Video.mp4