【台北2021年3月24日PR Newswire】EirGenix, Inc.(6589.TT)は23日の記者会見で、同社の乳がんバイオシミラーEG12014(トラスツズマブ・バイオシミラー候補、別名EGI014)の第3相臨床試験(試験番号:EGC002、NCT03433313)が主要評価項目を達成したと発表した。EG12014は、その臨床反応(病理学的完全奏効、pCR)に関してハーセプチン ® と同等の有効性を示すとともに、同等の安全性プロファイルも示した。EirGenixは、米食品医薬品局(FDA)への生物製剤認可申請(BLA)、欧州医薬品庁(EMA)への販売承認申請(MAA)、および台湾食品薬物管理署(TFDA)への新薬申請準備を進める予定だが、具体的な時期は明らかにされていない。
この第3相臨床試験は、早期のHER2陽性乳がんの女性を対象とした多国間・多施設・無作為化、二重盲検試験である。本試験の目的は、有効性の観点からEG12014とハーセプチン(R)の治療上の同等性を明らかにし、この2つのトラスツズマブ製品の安全性、免疫原性、薬物動態を比較することだった。計807人の登録患者が2つの並行治療群の1つに1:1の比率で無作為に割り振られ、3週間ごとに12週間(サイクル1から4)アントラサイクリンベースの化学療法を受けた。化学療法後、患者はEG12014またはハーセプチン®とパクリタキセルの併用療法を3週間ごとに12週間受けた(サイクル5から8)。患者は全員、ネオアジュバント療法(術前治療)の完了後3-6週間で腫瘍除去手術(乳房および腋窩リンパ節)が予定されていた。手術の2-6週間後、適格患者は、補助試験でトラスツズマブ療法を継続し、12カ月のトラスツズマブ治療全体(補助サイクル1-13)を完了、その後(トラスツズマブの最終投与後)20週間の長期安全性経過観察が行われた。
腫瘍除去手術中、独立した中央検査室による病理学的完全奏効(pCR)評価のためサンプルが収集された。pCRの主要評価項目は、非浸潤性乳管がんの有無にかかわらず、乳房および腋窩リンパ節に浸潤がんがないこと(原発巣および腋窩リンパ節の浸潤がん消失)と定義されている。術前治療段階における2つの治療群(EG12014対ハーセプチン®)間のpCRに関する治療的同等性の証明は、事前に指定されたリスク比(0.741 - 1.349)および確率差(-0.13 - 0.13)に基づいて行われた。トップライン結果は、EG12014がハーセプチン®と、両方の分析母集団 (プロトコルごと及び完全な分析セット)における臨床反応の点で同等であることを示した。さらに、2つの治療群の安全性プロファイルは、術前治療段階では同等であることが示された。
ロシュ(Roche)の年次報告書によると、ハーセプチン®の2020年の世界売上高は計37億3000万スイスフラン。米国と欧州連合(EU)の市場はそれぞれ13億6000万スイスフラン、6億7000万スイスフランである。ハーセプチン®の売上高は、2019年後半に米国で、2018年半ばに日本と欧州で導入されたバイオシミラーとの競争で、2019年より34%減少した。承認されれば、ジェネリックとバイオシミラーのグローバルリーダー、サンドAG(Sandoz AG)が、2019年4月にEirGenixと締結したライセンス契約に従い、台湾と中国本土を除く世界の全市場でEG12014を販売する予定。このライセンス契約には、契約金とマイルストーンペイメント、および製品発売後の認可市場における製品販売の利益配分が含まれている。マイルストーンペイメント収益は、標準的な会計処理に従って段階的に認められ、同社の現在の事業とさらなる発展にプラス効果を与える予定。台湾の国民健康保険(NHI)は2019年、ハーセプチン(R)に約16億5700万新台湾ドル(NTD)を支払った。
複雑なバイオ医薬品に対する需要は現在、増加しており、今後も増加し続けるだろう。主要なバイオ医薬品の特許は近い将来、失効する予定で、バイオシミラーの開発は業界内で大いに激励されている。こうした需要は、限られた医療資源しかない国々の、より費用対効果の高い医薬品を求める声を受けて高まってきた。EirGenixは現在、世界的な製薬会社とバイオシミラーのライセンス契約締結に成功し、台湾で初めてかつ唯一のバイオ医薬品企業である。EirGenixは、バイオシミラー製品を独自に第III相臨床試験段階まで開発し同等の有効性の証明に成功した、台湾の数少ないバイオ医薬品企業の1つでもある。このような開発実績のあるEirGenixは、投資家の注目と期待を集めるにふさわしい企業である。
(日本語リリース:クライアント提供)