ノバラ(イタリア)、アシュクム(ノルウェー)
, 2021年1月13日 /PRNewswire/ -- *この買収でバイオプラスチック業界で最も垂直統合されたグループが誕生、イタリアの「B-Corp」の北・東欧、北米、オーストラリアへのさらなる進出が可能になる。
バイオケミカルと堆肥化可能なバイオプラスチックの開発、生産の世界的リーダーであるイタリアのNovamont(ノバモント)は12日、ノルウェーを拠点とする廃棄物回収とパッケージング向けの環境に優しいソリューションの大手サプライヤー、BioBag Groupを買収したと発表した。
この買収によりNovamontは、買い手があまりいない地域でBioBagの高度に専門化された独立販売のメリットを享受できるようになる。両社は、より完全なソリューションセットを市場に提供し、大規模小売業者やコミュニティーといった主要な利害関係者との長期的提携ができるようになる。両社は協力して、特に北米、スカンジナビア諸国、東欧、オーストラリアで、さらに多くのデモンストレーター(有機廃棄物の分別回収と堆肥化システムを強化する革新的プロジェクト)づくりを計画している。
今回の取引は、25年前に始まった共同作業の重要な前進である。Novamontは1990年代当初、有機廃棄物の分別回収の開始と改善にまつわるバイオプラスチックとバイオケミカルの統合バリューチェーン構築を構想していた。これは、NovamontとBioBagが共に重要な貢献をした、現在のいわゆる循環型バイオエコノミーの記念碑的出発点になった。
買収をとりわけ適切なものにする3つの理由:
1. 20年にわたるパートナーシップを通じて培われた強力な文化的互換性により、ビジョンの調和と価値観の共有、さらに土壌の健全性と地域の再生を柱とする循環型バイオエコノミーモデルづくりを目指す共通プロジェクトを中心とする統合チームが実現した。
2. 高度に補完的なバリューチェーン
a. Novamontは主に上流に焦点を当て、農業原料、バイオモノマー、バイオプラスチック、環境に優しい製法にまたがるMater-Bi(マタビー)サプライチェーンを開発してきた。同社は、堆肥化施設や土壌での生分解性が必要なアプリケーションを通じて、その材料を市場に投入してきた。環境に優しい革新的ソリューションに関心のある大規模小売業者や地域コミュニティーとの緊密な協力により、従来のプラスチックの使用や環境へのマイクロプラスチックの蓄積を減らしてきた。
b. BioBagは下流に焦点を当てている。同グループは、スカンジナビア諸国を手始めとする幅広い堆肥化可能なアプリケーションの開発、販売のパイオニアで、こうしたアプリケーション向けの一連のサポートサービスを専門としている。BioBagは成長を続けるeコマースプラットフォームも開発しており、これは同社の既存のアプリケーションと、Novamontのイノベーションとアップストリーム統合から生まれる取扱製品の拡大にとって重要な販売ルートである。
3. Novamontのパートナーや顧客に対するサービス機能の強化
BioBagは、環境に優しいアプリケーションの販売・流通会社で、サプライチェーン上のNovamontのパートナーに対するサービスを現在、そして今後も一層強化し、製品開発と地理的拡大のチャンスの最大化を支援してくれる。BioBagは、Mater-Biとは異なる補完的アプリケーションも市場に提供しており、抱き合わせ販売を拡大し、小売その他の部門に最大限のサービスサポートを行っていく。
Novamontは過去10年間、特に使われなくなった工業用地の取得、再生による内部成長を通じて事業を大きく拡大してきた。今回の取引によりNovamontは、堆肥化可能なバイオプラスチック事業を北・東欧、北米、オーストラリアにさらに拡大することができるようになる。BioBagは、過去数年にわたって優れた成果を上げてきた首脳陣が、引き続き独立した組織として経営を担っていく。
NovamontのCatia Bastioli最高経営責任者(CEO)は「今回の合意により、Novamontは循環型バイオエコノミーモデルを拡大することができる。両社の最高のスキルとエネルギーを結集し、サプライチェーンを完全に統合することで、アップストリーム、ダウンストリームのパートナーにより良いサービスを提供しつつ、より少ない原料でより多くを生産するという目標に向かって、様々な市場セクターやコミュニティー向けの循環型ソリューション提供をさらに加速させていける」と語った。
BioBagのKjell Ivar Bache CEOは、新たなオーナーに非常に満足し、買収は双方にメリットがあると考えており、「当社は何十年間もNovamontの緊密なパートナーであり、BioBagにとってこれは家に帰るようなものだ。Novamontと一緒になることで、BioBagは世界をリードするバイオプラスチック・バイオケミカル企業の一部になる。これで、共にさらなる国際的成長が可能になる。本当に興奮している!」と語った。
買い手側のアドバイザーには、法務はHi.LexとHjort、財務、税務、労務はPWCが付き、売り手側のアドバイザーはM&AがBryan Garnier、法務がWiersholmだった。
Novamontは、化学、農業、環境の統合を通したバイオベースの生分解性バイオ製品の開発と製造で世界をリードするグループの1つである。同社のバイオ製品の主な用途は、パッケージング、有機廃棄物の分別回収、小売購買、使い捨て食器、農業、潤滑剤、化粧品、衛生、医薬品である。Novamontはノバラ(ミラノ近郊)に本社を置き、1800の特許ポートフォリオ、イタリアの4つの生産施設と2つの研究センターに600人の従業員を擁し、売上高は世界中で2億7000万ユーロ(2019年)である。同グループは、ドイツ、フランス、スペイン、米国に営業所があり、40カ国にある自社の販売代理店を通じて事業を行っている。収益の5%、従業員の20%を研究・開発に振り向けている。土壌や水中で完全に生分解可能な材料は、環境への拡散リスクが高い用途向けに開発された。Novamontは、エレン・マッカーサー財団のフード・イニシアチブのコアパートナー、CE100ネットワークのメンバーで、プラスチック・パッケージング・システムのグローバルな再考を目指す「ニュー・プラスチック・エコノミー」イニシアチブの署名企業である。同社は2020年、一流であることを示す権威ある「B Corp」認証を授与され、企業に責任ある方針と活動を作成、実行させるリーダーシッププラットフォーム「国連グローバル・コンパクト」ネットワークに参加した。
BioBag Internationalは、認証済みの堆肥化、生分解性アプリケーションの開発、製造、販売に取り組む世界をリードする企業グループである。BioBagの取扱製品は、市場で最も包括的かつ広範囲に及ぶ。同社の大きな目標は、既存製品の質への集中と新たな製品やコンセプトのイノベーションを組み合わせることである。同グループは、北欧の環境に優しい大手パッケージメーカーの1つである。生分解や堆肥化が可能なアプリケーションに加え、同グループはGreenPollyブランドで再生(PCR)材料ベースの製品も市場投入している。BioBagは、相乗効果の上がる世界中の企業と提携して世界中の多くの顧客に手を伸ばす、ターゲットを絞ったアプローチを考案した。同社のパートナーコンセプトの背景にある大きな戦略は「グローバルに考え、ローカルに行動する」であり、同社の使命は持続可能なソリューションを通じた廃棄物の課題解決である。売上高4100万ユーロ、従業員数135人のBioBagは、ノルウェーのアシュクムを拠点とし、エストニアに主要な生産施設、スウェーデン、デンマーク、アイルランド、フィンランド、ポーランド、オーストラリア、カナダ、米国に子会社を保有、多くの国に代表を置いている。
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ソース:Novamont