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中国と日本がデジタル経済に関する真の議論を実施:どのように地域協力を共同で強化するか

Science and Technology Daily | IUSTC
2020-12-14 12:26 1642

【北京2020年12月14日PR Newswire】

科技日報 | IUSTCのリポート

2020年、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は世界に深刻な影響を及ぼし、デジタル経済は、パンデミックに対する世界的な共同対応における大きな可能性を浮き彫りにした。

Oxford Economicsが発表したリポートの推定によると、世界のGDPに占めるデジタル経済の割合は2025年までに15%から約25%に上昇する。現在、デジタル経済の規模では、米国が1位、中国が2位で、ドイツ、日本、英国が3位から5位である。

この発展の傾向により「デジタル経済」は世界の舞台で脚光を浴び、デジタル経済に関連するトピックは、2国間および多国間の枠組みで推進される重要なトピックになった。

第16回「Beijing-Tokyo Forum(北京-東京フォーラム)」の「Digital Economy Sub-forum(デジタル経済分科会)」が12月1日に開催された。中国と日本の12人の専門家と学者が両国間の協力の可能性について話し合い、会期中に関連する問題に関しても合意に至った。

▽新たな話題:デジタル経済は社会的ガバナンスにどのように関与するか?

われわれはどのようなデジタル社会を構築していくのか? Tencent Cloudの北東アジア担当コマーシャルバイスプレジデント兼主席代表であるZhao Jiannan氏は、デジタル経済の重要性を強調した。「デジタル経済は経済的、社会的運営の『靱帯』のようなものであり、『高い回復力』により『大きな影響』を緩和し、パンデミックによってもたらされた経済的窮状を急速に経験する過程において産業の『V字回復』への力を蓄える」。

▽デジタル経済、さらには社会的ガバナンスを支える上で、デジタル技術はどのような役割を果たすことができるか?

アリババのLiu Song副社長は、COVID-19パンデミックと経済回復に対する中国の科学技術的な戦いの観点から、デジタルガバナンスはグローバルガバナンス能力を強化するための重要な方向性になる可能性が高いと指摘した。デジタル技術に基づく多元的共同ガバナンスは社会的および都市ガバナンスの革新的な形態になるだろう。会議に出席した専門家らはこの考えに概ね同意し、アジアがグローバルなデジタル化の試行を実施するための重要な地域になるとの見解を示した。

特に国境を越えたデータ確認、課税など多数の国が直面する一般的な問題におけるデータの管理方法に関して答えるにあたって、Liu氏は中国の古代の水管理の知恵を共有することで説明した。Liu氏は「現在のデータ要素は水の要素と非常に似ている。データの管理も水の管理に似ており、遮断したり分散したりしてはならない。データ要素の多様性と変動性のため、単純で厳格な規則を適用してデータの流動性を規制することはできない」と述べた。

中日双方から出席したゲストは、デジタル経済の時代は既に始まっており、デジタルの知識と情報が生産の重要な要素になり、経済成長と社会発展の新たな原動力となっていることに同意した。

▽一連の新たな技術革命をもたらす可能性のあるデジタル経済について、イノベーションの熱意を予測し、同時に規制の下で秩序をもって前進するにはどうしたらよいか?

中国側のフォーラム主催者であり科技日報(Science and Technology Daily)の副社長であるFang Hanting氏は、イノベーションと規制は矛盾する組み合わせであることを説明した。一定のイノベーションプロセスがなければ、何を規制し何を緩和するかの目標を念頭に置くことは不可能である。逆に、イノベーション活動が新段階に入る際に、新たな変化がもたらす一連のリスクが考慮されていなければ、それもまた多くの予測不可能な問題をもたらす。別の観点からみると、イノベーションはブレークスルーの1つの形態だが、規制はイノベーションを保護する。2つの要素は互いを抑制すると同時に強化する。

人工知能技術を例にとると、NTTデータ相談役の岩本敏男氏はAI技術のデータ開発者はデータの使用に関する規則を策定する必要があり、関連する規則を策定してデータユーザーに制限を設ける必要があると提案した。日立製作所執行役常務兼最高技術責任者(CTO)の鈴木教洋氏は、データの使用には、包括的に個人と公共の利益のバランスを取るためにより優れた叡智が必要だと示唆した。

▽新たな出発点:地域的な包括的経済連携(RCEP)で相互信頼を強化

フォーラムでは、デジタルセキュリティーが議論の主要な話題だった。

日本の衆議院議員の伊藤達也氏は、中国がCOVID-19の期間中にデジタル技術を十分に活用したことに言及した。

鈴木教洋氏は、国によって状況は異なり、関連する問題を議論するには法令や制度などの要素を総合的に検討する必要があると指摘した。鈴木氏は日本と中国がこの点での協力の可能性をさらに探究できることに期待を表明した。

Fang Hanting氏は、中国と日本、とりわけ両国の産業部門はデジタル産業チェーンの協力を深め、産業チェーンの中断のない供給を確かなものとしながらそれを公共製品として共同で使用し維持する方法を真剣に検討する必要があると強調した。

ファーウェイのグローバル政府業務担当社長のXu Zhiyu氏は、ファーウェイは常にネットワークセキュリティとユーザープライバシー保護を事業の最上位のガイドラインおよび基盤としてとらえていると強調した。30年以上にわたり、ファーウェイは170を超える国と地域の顧客にサービスを提供しており、政府からいかなるユーザー情報提供の要請も受けていない。ファーウェイは顧客の権利や自社の存続を危険にさらすことは決してない。

双方のゲストは、調印されたばかりの「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」について言及した。彼らはデジタル化プロセスの不確実性の中で、この協定の署名は、デジタル技術とデジタル産業の分野における国際協力のためのまれな歴史的機会を提供するとして意見が一致した。2国間、さらには多国間枠組みの下での中日協力の見通しは有望である。

2020年9月8日、中国は「Seizing digital opportunities for cooperation and development(協力と発展のためのデジタル機会の獲得)」に関する国際セミナーで「グローバル・データセキュリティ・イニシアチブ」を提唱した。Fang氏は中国と日本の間の既存の情報の非対称性にある程度言及し、相互信頼の基盤をできるだけ早期に確立するため、双方のメディアは国民にバランスの取れた報道を提供するべきだと強調した。「われわれは互いのデジタル主権を尊重し、国連の枠組みの下でデジタル相互信頼を構築し、RCEPのような多国間枠組みの下でデジタル経済の地域統合を実施する必要があると確信している」。

▽新たな方向性:地域のデジタル未来を共に創出するためのオープンな協力

スポーツの大会が新しい競技場に移転するのと同様に、新しい技術革命と産業変革は世界経済の構造を再形成する。フォーラムでは、参加者は中国と日本、特に両国の産業分野がトレンドを迅速に把握し機会を捉えるべきだということで合意した。両国のすべてのプレーヤーは成り行きを見守るのにあまり時間をかけるべきではない。新技術の時代からの呼び掛けは、積極的な参加と協力を必要としている。

東芝の執行役上席常務でデジタル事業の責任者である島田太郎氏は、世界平和を維持するには開放性と交流が必要だと指摘した。最も重要なことは科学技術情報の交換である。同氏は中国と日本が互いにますます広く開放を進め、同時に開かれた率直な交流を通じて合意に達することができると示唆した。

クロスランゲージでクロスカルチャーの情報交換について、iFlytek Co., Ltd.のJiang Tao上級副総裁は、人工知能分野での中国と日本の間の協力範囲は極めて広範なものになると言及した。Jiang氏は1つの例を挙げた。2018年10月、公益財団法人日本英語検定協会は、機械による評価技術をスピーキングテストに導入することを初めて発表し、iFlytekは唯一のパートナーである。2019年からiFlytekが提供するAI自動採点システムが実用英語技能試験CBTの採点の精度と効率の向上に役立っている。「現在、iFlytekの翻訳機は130を超える国と地域で販売され、60以上の言語間でバリアフリーのコミュニケーションを実現している。iFlytekは2022年冬季北京五輪・パラリンピック大会の自動音声会話および翻訳の公式独占サプライヤーになった。当社の人工知能技術が来年の東京五輪大会にも支援を提供できることを期待している」。

中華人民共和国科学技術省のTorch High Technology Industry Development Center(トーチ・ハイテク産業開発センター)のJia Jingdunディレクターは、中国のハイテク産業開発区はデジタル技術革新と産業開発のための優れた環境を提供することを示唆した。169の国家ハイテク産業開発区はデジタル経済の発展を極めて重視している。近年、西安、合肥、杭州、瀋陽など数十の国家ハイテク区がデジタル経済またはデジタル産業の発展のための対応する計画を策定した。

Jia氏は、中国と日本の協力について幾つかの提言を行った。第1に、相違点が2国間の協力を制限してはならない。中日協力が現行法に違反しないことを考慮すると、懸念を提起することは協力を深めるための入り口を提供することができる。第2に、中国と日本はデジタル経済および産業の発展において実際的な協力を実行し、両当事者の懸念事項に対する具体的な解決策を提案し続けることができる。第3に、政府、大学、研究機関および企業間の多層的な交流と協力を行わなければならない。

Liu Song氏もこの提言に応えた。Liu氏は「ハイテク産業開発区と自由貿易区で『特区』モデルを採用し、継続的に議論し、最終的に両当事者が合意した規制を策定することもできる」と提案した。

鈴木教洋氏は、デジタル開発の協力において、互いの社会的概念や価値観を共有することも非常に重要であると言及した。両当事者は、共通の価値観に基づいてデータフローの規則を構築し、それをより適切に適用して民間企業を活性化し、将来のデジタル社会の発展を促進する必要がある。

双方のゲストは、デジタル通貨の固有の論理と将来の地域経済統合についても議論した。日本のフューチャー株式会社取締役の山岡浩巳氏は、日本は中国と協力し、地域経済の協調的発展を促進し続ける用意があると指摘した。

Xu Zhiyu氏は「顧客の価値観を尊重しながら、ファーウェイは日本を含む全世界で地域の価値を創造し続けていきたい。中国と日本はいずれも産業上の優位性と革新的な精神を持っている。日本企業とファーウェイは、サプライチェーンとテクノロジーに関して自然な補完的利点を有する。中国企業と日本企業のオープンな協力はデジタルの未来を共同で創出することができる。さらに、中国と日本のデジタル経済の発展は、優れた産業環境と革新的な人材と不可分である。中国と日本がより開かれた政策環境を作り出し、イノベーションを促進し、両国の中小企業がより多くの、より深い協力を行うのを助け、それにより最も競争力のあるソリューションと製品を世界市場に共同で提供することも期待されている」と強調した。

ソース:Science and Technology Daily | IUSTC

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