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この種としては初の世界調査により、サメが多くのサンゴ礁から機能的に絶滅していることが明らかに

Paul G. Allen Family Foundation
2020-07-22 23:19 4563

【シアトル2020年7月23日PR Newswire=共同通信JBN】

*Paul G. Allen Family Foundation(ポール・G・アレン・ファミリー基金)のイニシアチブであるGlobal FinPrint(グローバル・フィンプリント)は、重要な保護措置が講じられれば希望は残るとしている

世界の多くのサンゴ礁からサメがいなくなっているとGlobal FinPrint

Global FinPrint )が明らかにした画期的な新しい研究が22日、ネイチャー誌に掲載された。これはサメが生態系において通常の役割を果たすにはあまりに稀少であるとともに、「機能的に絶滅」していることを示唆している。58カ国で調査した371のサンゴ礁の20%でサメを観察することができず、広い範囲で生息数が減少していることを示した。これほどの規模のことが、これまで文書に記録されないままだったのである。調査は、この象徴的な捕食者の存在を回復させる保護措置も明らかにしている。

Caribbean reef shark and baited remote underwater video system, captured in the Bahamas. Photo credit: Andy Mann/Global FinPrint
Caribbean reef shark and baited remote underwater video system, captured in the Bahamas. Photo credit: Andy Mann/Global FinPrint

6カ国においては、どのサンゴにもサメを見つけることが、基本的にはできなかった。その6カ国はドミニカ共和国、フランス領アンティル、ケニア、ベトナム、オランダ領アンティル、カタールである。これらのうち、800時間以上の調査で観察されたサメの総数はわずか3匹だった。

Paul G. Allen Family Foundationの共同創立者兼議長、Jody Allen氏は「Global FinPrintの結果は世界のサンゴ礁の多くにおけるサメの悲劇的な消失を明らかにしたが、その一方で希望の印も示している。世界で初めての、サンゴ礁におけるサメの全世界的調査で収集したデータは、残っているサンゴ礁のサメを守るための意義深くて長期的な保護計画の指針になる可能性がある」と述べた。

世界のサンゴ礁のサメの状況に関するこのベンチマークは、重要な食糧資源、観光のアトラクション、そしてサンゴ礁で最高の捕食者であるこの象徴的な魚類の警戒すべき世界的消失を明らかにしている。サメがいなくなった主な原因は漁獲過多によるもので、それはのべ網や刺し網の使用といった破壊的な漁獲方法が最大にして唯一の原因である。

Global FinPrintの共同リードでFlorida International Universityの生物科学部と環境インスティテュートの准教授、Demian Chapman博士は「われわれの研究はサンゴ礁のサメの数に対するヒトの大きな負の影響を示しているが、高密度なヒトの人口、破壊的な漁獲方法、不十分な管理が交差するところに最大の問題があることは明らかだ。人々に保護の行動を実行する意志、方法、計画があれば、安定した数のサメが人々と共存できることに気がついた」と述べた。

研究は、有効に機能しているサメの保護ならびに有効な可能性のある特定の活動を行う幾つかの国を明らかにした。それぞれの地域の平均に比べて最も良い成績をあげている国はオーストラリア、バハマ、ミクロネシア連邦、フランス領ポリネシア、モルディブ、米国である。こうした諸国はより多いサメの数と関係することが分かった重要な属性を実行している。それは一般的に管理が優れ、サメ漁を全面禁止するか、あるいはサメの漁獲数を科学に基づく管理によって強力に制限していることである。

Global FinPrintの研究主筆でダルハウジー大学准教授のAaron MacNeil博士は「こうした国々の海には、よりたくさんのサメがいる。それは彼らがこの問題について優れたガバナンスを実際に行っているからだ。特定の種類の道具を制限して漁獲制限を設定することをはじめ、国家規模で漁獲と売買の禁止をすることで、いま、われわれは熱帯のサンゴ礁のサメの漁獲を制限するために何ができるかについてはっきりとしたイメージを持っている」と述べた。

FinPrintのチームは、サメの保護活動だけでは足りないという事実に取り組んでいる。現在、研究者が考察しているのは、この捕食者が食べるのに十分な量のサンゴ礁の魚を確保するために、より広範な生態系を管理することがサメの数の回復に必要かどうかについてである。

Global FinPrintの共同リードでFlorida International Universityの人文科学、科学&教育学部長のMike Heithaus博士は「調査は完了したが、われわれはサメがいなくなったことがサンゴ礁の生態系をどのように不安定にしているかについても調べている。サンゴ礁が厳しい気候変動の中で生存をかけているとき、サンゴ礁のサメを失うことはサンゴ礁全体の体系に、長期的で悲惨な結果をもたらす可能性がある」と述べた。

2015年の夏から始まったGlobal FinPrintのデータは餌が付いた遠隔水中ビデオステーション(BRUVS)から生成したもので、その構成は標準的な量の餌の前にビデオカメラを設置した「Chum Cam(撒き餌カメラ)」から成っている。BRUVSが調べたサンゴ礁 の生態系は重要な4カ所の地理地域で、インド洋・西太平洋、太平洋、西大西洋、西インド洋である。

Global FinPrintのチームは4年にわたって全世界の58の国、州、領海で調査した371のサンゴ礁の1万5000時間超のビデオを取得、分析した。この取り組みを遂行したのはFlorida International University、オーストラリア海洋科学研究所、カーティン大学、ダルハウジー大学、ジェームズクック大学の協力者ネットワークが組織した数百人の科学者、研究者、自然保護活動家である。

より詳しい情報はhttps://globalfinprint.org を参照のこと。 

▽Global FinPrintについて
Global FinPrintはPaul G. Allen Family FoundationのイニシアチブでFlorida International Universityが先導し、研究者、資金提供者、自然保護グループに及ぶパートナー組織の世界的な連合からサポートされている。このプロジェクトはサンゴに関連する世界のサメとエイの数に関して編さんされた唯一で最大かつ最も包括的なデータ収集と分析のプログラムである。

▽Paul G. Allen Family Foundationについて
Paul G. Allen Family Foundationは40年以上にわたり、世界で最も困難な問題の幾つかの方向を変えることに集中している。慈善活動家のJody Allen氏とマイクロソフト共同創立者の故Paul G. Allen氏が創設した当基金は、海の健康を維持し、野生生物を保護し、気候変動と戦い、コミュニティーを強化することに取り組む最前線にいるパートナーの世界的ポートフォリオをサポートしている。当基金は被譲与者に投資してテクノロジーを活用し、データと科学の差を埋め、知識を進めて継続的変化を可能にするために積極的な社会政策を推進する。

▽Florida International Universityについて
Florida International Universityはマイアミの公立研究大学で、学生が成功することに重点を置いている。U.S. News and World Reportによると、フロリダ国際大学は国内の公立大学トップ50のうち42部門でトップにランクされている。フロリダ国際大学は米国で最高の研究大学(R1)で、年間支出額は2億ドルを超える。フロリダ国際大学は公立大学の中で特許申請において米国で15位であり、それがイノベーションを推進している。フロリダ国際大学はフロリダが高等教育でトップであることに貢献している組織の1つである。

▽問い合わせ先
press@pgafamilyfoundation.com  

Photo – https://mma.prnasia.com/media2/1216375/globalfinprint.jpg?p=medium600

ソース: Paul G. Allen Family Foundation
キーワード: 教育 高等教育