バンコク、2024年11月25日 /PRNewswire/ -- タイを代表する格闘技であるムエタイは、「ソフト・パワー」の一形態として国際的に認知され、大きな利益を生み出しています。外国人観光客は、この文化的な宝を体験するためにボクシング・スタジアムやトレーニング・キャンプに集まっています。しかし、ムエタイのグローバル化により、標準化されたルールや規制が導入され、伝統的な技術や独自のアイデンティティが消えてしまう可能性もあります。
チュラーロンコーン大学(MSSIC)でCenter for Multicultural Studies and Social Innovation, Institute of Asian Studies(アジア研究所多文化共生イノベーション・センター)長を務めるSunait Chutintaranond博士は、ムエタイの伝統的な文化的要素は、慎重に保存しないと失われる可能性があると警告しています。これに対処するため、ムエタイの「パワーと精神」を探求する45分間の詳細なドキュメンタリー『Mud Sang』(「ノックアウト・パンチ」)が、「Muay Sang: Revitalizing the History of Muay Thai on the World Stage」(Muay Sang:ムエタイの歴史を世界の舞台で活性化する)という研究に基づいて制作されました。7か国語の字幕が付けられたこの映画は国際的な関心を集めており、複数の国や映画祭で上映される予定です。
『Mud Sang』は、ボクシングを超えて、ムエタイの歴史、文化的価値、ムエタイの文化的魅力を高める伝統的な儀式や実践を探求しています。例えば、師を称えるワイクルの儀式では、タイ音楽やモンコン(ヘッドバンド)やパプラチアン(腕章)などの象徴的なアイテムが使われます。Sunait博士によると、ムエタイを現代の観客に適応させながら、その核となるアイデンティティを維持すること、特に、ムエチャイヤ、ムエトゥンヤン、ムエコラート、ムエトロッブリーなど、独特のスタイルとテクニックを持つユニークな地域スタイルを維持することが不可欠であると延べています。
Sunait博士のチームは、有名なムエタイファイターであるブアカーオ・バンチャメックの成功を読み解くドキュメンタリー『Becoming Buakaw』にも取り組んでいます。このプロジェクトは、ムエタイの遺産を守りながらトップレベルのファイターを育成するためのガイドとなることが期待されています。
Sunait博士は、ムエタイのルーツを理解し、保存するためには、教育機関、政府、文化省が研究と公共知識を支援するための協力が必要であると強調しています。博士は、ムエタイをスポーツとしてだけでなく、文化的な誇りや自己防衛の手段としても構想しており、文化的に尊重された正確な知識が将来の世代にとって重要であることも強調しています。このような取り組みを通じて、タイはムエタイの地位を世界的に保護し、向上させ、その精神が永続することを目指しています。
記事全文はこちらからお読みください:https://www.chula.ac.th/en/highlight/200751/
メディア連絡先:
Chula Communication Center(チュラー・コミュニケーション・センター)
メール:Pataraporn.r@chula.ac.th