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アジア・パシフィックの最重要トレンド:COVID-19(新型コロナウィルス感染症)により変化した消費者の優先事項

Mintel Japan
2020-07-03 17:27 1801

【東京2020年7月3日 PR Newswire】世界各地で混乱が生じ、消費者の行動は急速に変化している。消費者の変わり続けるニーズと優先事項に応えるため、ブランドは消費者の目線に合わせる方法を検討している。世界屈指のマーケティング情報機関、ミンテルの最新の調査により、栄養と身体の健康がアジア・パシフィック各地の消費者にとって非常に重要になってきていることが明らかになった。実際、タイの消費者の67%、インドの消費者の74%が「健康的な食事」を最優先事項としており、次に優先されるのが運動で、それぞれ49%、70%となっている*。

さらに、すべてのCOVID-19対策が緩和されたとして、消費者が一番したいと望むのは社会的な体験である。オーストラリア人の38%が友人や家族と直接会って一緒に過ごしたいと話し、日本人の32%が外出して買い物をしたいと望んでいる。

アジア・パシフィックの最重要トレンド:COVID-19(新型コロナウィルス感染症)により変化した消費者の優先事項
アジア・パシフィックの最重要トレンド:COVID-19(新型コロナウィルス感染症)により変化した消費者の優先事項

メラニー・ナムビア(ミンテルのトレンドアナリスト)による談話:

「消費者の優先事項が急速に変化する中、企業やブランドは消費者の新しいライフスタイルに合った対応をするため、これまでの消費者トレンドを掘り下げ、それらを活用していくことが商機に繋がるだろう。健康に対する消費者の関心が改めて高まっていることから、ブランドは、丈夫なメンタルヘルスを含めた総合的な健康面における目標を、消費者が自ら達成できるようサポートすることができる。ブランドは消費者がリラックスしてストレスや不安に対処するのに役立つ原料や製品に注力するべきである。」

また、「消費者にはまだ社会的な体験への意欲が残っているため、彼らはそれを満たすための新しい手段を探し続け、モノよりコト、そして人と繋がることの価値にさらなる重点を置くようになる」とメラニーは説明している。

ここでは、ブランドが変化する消費者の優先事項に対応するのに役立つ、3つのミンテル・トレンドに注目する。

ミンテル・トレンド:ネバー・セイ・ダイ(決してあきらめない)

ミンテル・トレンド「ネバー・セイ・ダイ(決してあきらめない)」は、企業が単なる美学という範疇を超え、かつて人気があったり、歴史的に有名だったりする製品やアイデアの復活あるいは再生にいかに着目しているかを強調したものである。不安定な時代において、消費者は慣れ親しんだものに安心感を覚えることが多いが、ノスタルジーな感情は、社会と繋がっている感覚、地域の一員であるという感覚をより強く人に与えることができる。

ミンテルの調査によると、マレーシアの消費者の69%は自分が地域の一員だと感じることが重要だと回答し、中国の消費者の78%は過去を思い出させるものは楽しいと回答している**。

「社会と繋がろうとする消費者に対しブランドは、デジタルツールの活用を検討し、消費者が自分の伝統との繋がりを取り戻せるよう支援し、慣れ親しんだものに定着させることで、新しい概念を消費者が取りこめるよう促すチャンスがある。消費者が物語や思い出を共有できるプラットフォームを構築することで、彼らが社会と繋がりを持ち、自分たちが地域の一員であると感じる後押しをし、意外な方法でブランド価値を高めることができる」とメラニーは説明している。

ミンテル・トレンド:レッツ・メイク・ア・ディール(取引をしよう)

ミンテル・トレンド 「レッツ・メイク・ア・ディール(取引をしよう)」は、買い物での取引がどうやって楽しく社会的な活動になっていったかを説明するものである。ミンテルの調査によると、オーストラリア人の2/3(66%)が価格を比較するためのアプリやウェブサイトを利用したことがあり、フィリピンでは消費者の大半(79%)が、決めた予算をできるだけ守ろうとしていると回答している**。

「パンデミックは経済に長期的な影響を与えていくことになり、財政的なストレスが高まる結果として個人消費はより慎重になる。企業やブランドにとっては、消費者に良い買い物をしたという実感を抱かせること、そして遊び心が生み出す力を市場で活用することが重要である。さらに企業は、価格だけでははかれない、製品やサービスの総合的な価値を伝える方法を見つけなければならない。これは消費者に活力や統制力を与えるだけではなく、買い物客とブランドの間に信頼関係を築くこともできる。」とメラニーは話している。

ミンテル・トレンド:選択の手助け

ミンテル・トレンド「選択の手助け」は、消費者にとってあまりにも多くの選択があるのに、時間はあまりにも少ないことから、消費者が意思決定を容易にする近道を探しているという状態を示したものである。実際、ミンテルの調査によると、韓国人のおよそ1/3(32%)は自分の肌について理解するためのテクノロジー利用に興味を持っている**。一方でシンガポール人のおよそ4/5(79%)は生活がより快適になるものを常に探していると回答している**。

「こうした不安定な時代にあって、既にストレスを抱えている消費者は、意思決定における利便性や後押しを求めている。そのうえ消費者は、たくさんの選択肢があることを望むのと同時に、より迅速かつ適切で自分に合った選択を行える近道も望んでいる。企業は個別化戦略を利用して、消費者がリスクを軽減し、購入後のトラブルを回避できるよう支援することができる。消費者の信頼やブランドへの忠誠心を高めるためには、日々の暮らしの中で人が意思決定に費やす微かな瞬間を特定し、ブランドと消費者の直接的な関わりを促進することがブランドにとっては重要なのである」とメラニーは締めくくっている。

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* 6つの市場で18歳以上のインターネットユーザー3000名(202051113日)

** 3つの市場で18歳以上のインターネットユーザー3000名(201912月)

ソース: Mintel Japan