ラインブライトバッハ(ドイツ)
2020年5月28日
/PRNewswire/ -- Jennewein Biotechnologie GmbHは27日、ノロウイルス研究プログラムの最新結果がJournal of Biotechnologyに掲載されたと発表した。母乳で育てられた乳児は哺乳瓶で育てられた乳児よりノロウイルス感染症にかかる可能性が低く、過去の研究では、この保護効果とヒトミルクオリゴ糖(HMO)との関連が示されている。当社は過去の研究で、最も豊富なHMO、つまり2'-フコシルラクトース(2'-FL)と3-フコシルラクトース(3-FL)は、ウイルスと天然受容体間の相互作用をブロックすることで、特定の血清型のノロウイルスを直接阻害できることを発見した。「Biotechnologically produced fucosylated oligosaccharides inhibit the binding of human noroviruses to their natural receptors(バイオテクノロジーによって生産されたフコシル化オリゴ糖は、ヒトノロウイルスの天然受容体との結合を阻害する)」と題する今回の最新研究で、当社はラクト-N-フコペナトースIやより複雑なオリゴ糖などさらに多くのHMOを研究対象に含めた。
Jennewein Biotechnologieの最高経営責任者(CEO)であるシュテファン・イェンネヴァイン博士は「年間6億人以上が感染して20万人が死亡する、治療法のないノロウイルスは、間違いなく世界的な健康問題であり、乳児、小児、高齢者にはとりわけ脅威だ。当社は長年、ノロウイルスに結合して感染を防ぐHMOやその他の複合炭水化物の開発に取り組んできた」と語った。
Jennewein BiotechnologieのR&D共同責任者であるカチャ・パルシャト博士は「HMOのような複合オリゴ糖は、ヒト細胞上のウイルスの天然受容体の構造を模倣してウイルスをコーティングし、標的との相互作用を阻止することができる。われわれは過去の研究で、2'-FLと3-FLにこの能力があることを実証した。しかし、ウイルス受容体をより厳密に模倣する、より複雑なオリゴ糖の開発で、この保護効果を大幅に向上させることが可能になった」と語った。
▽ヒトミルクオリゴ糖について
HMOは、母乳にのみ存在する複合糖分子である。水を除くと、脂肪と乳糖に次いで3番目に豊富な母乳成分である。200以上の構造の異なるHMOが特定されている。
最も豊富なHMOは、授乳中の母親の約80%が産生する2'-FLで、濃度は最大3 g/Lである。HMO、とりわけ2'-FLは、有益な微生物の成長を促して病原体の成長を阻害、直接および間接的にコロニー形成を防止することで、乳児の発育にプラスの影響を与える。Jennewein Biotechnologieは2015年に2'-FLを世界のベビーフード市場に投入、世界中の乳児用調合乳のいくつかには現在、2'-FLが含まれている(例えばAbbott SimilacやDanone Aptamil ProFutura)。
▽Jennewein Biotechnologieについて
Jennewein Biotechnologieは、複合オリゴ糖(HMO)や希少単糖などを取扱製品とする国際的な大手工業バイオテクノロジー企業である。同社は、2'-FL、3-FL、ラクト-N-ネオテトラオース、ラクト-N-テトラオースなど幅広い革新的なHMO製品ポートフォリオを製造している。これら希少糖は、食品産業(とりわけ乳児用調合乳)、製薬産業、化粧品産業で使用されている。製造工程には、最先端の発酵技術が使われている。米食品医薬品局(FDA)は2015年、Jennewein Biotechnologieに米国内での2'-FLの販売を認可した。これに続き2017年には、欧州連合(EU)でも新規食品規制に基づき販売が認可された。Jennewein Biotechnologieは、欧州連合で組み換え菌プロセスでつくられた製品の新規食品認可を申請、取得した初の企業である。
詳細については、以下に問い合わせを。
Dr. Bettina Gutierrez
bettina.gutierrez@jennewein-biotech.de
+49-2224-98810-797
www.jennewein-biotech.com