【台北2019年9月5日PR Newswire=共同通信JBN】
*台湾のオンラインスペースはプライバシーリスク、データ独占、誤解を与える情報の3つの危険にさらされていることがMozillaの調査で判明
*回答者の61.9%が、危険を克服するために必要な意識と行動を欠いている。若いユーザーは、データ独占活動に対する意識と行動において、年配のユーザーに後れを取っている。
Mozillaは2日、「台湾インターネット健全性調査(Taiwan Internet Health Survey)」をリリースした。調査は、台湾のインターネット環境で見つかった3つの懸念すべき危険を明らかにしている。それは、高いプライバシーリスク、深刻なデータ独占、誤解を与える情報のまん延である。調査結果に基づき、同調査は台湾のインターネットユーザーを4タイプに分類、回答者の61.9%は「キリン」「オウム」あるいは「ナマケモノ」だとして、大多数の人がプライバシー侵害、個人データの広範な収集と不正使用、偽のニュース・情報のリスクを明確に認識しておらず、そうしたリスクに対して毅然とした行動も取っていないことを明らかにした。さらに、若い回答者は、データ独占に対して年配の回答者より意識、行動とも劣っていることも判明した。
スタン・レオン副社長兼新興市場担当ゼネラルマネジャーは、優れたデジタル教育イノベーターでもあるベンソン・イェ国立台湾大学電気工学部教授と共に台北で記者会見を行った。彼らは共同で、台湾のインターネットユーザーの「プライバシーリスク」「偽のニュース・情報」「個人データの収集と不正使用のまん延」に対する認識、行動レベルを分析、同問題に対する提言と解決策を示した。
調査結果によると、回答者は、誤解を与える情報(77.5%)やプライバシーリスク(49.7%)よりデータ独占問題(85.8%)に対する認識が高く、誤解を与える情報(70.9%)やデータ独占(56.4%)問題と比べ、プライバシーリスク問題への取り組み(76.1%)でより多くの対抗策を講じている。「データ独占」の危険に対する認知度は最高レベルを記録したが、回答者のほとんどが何の行動も取っておらず、ほとんどの人が個人データが少数のハイテク企業によって収集、使用されている可能性を知りつつ、自らの利益を守るための行動を取っていないことが明らかになった。一方で、回答者は「プライバシーリスク」に対する行動には極めて積極的だが、そうしたリスクについてあまり警戒していない。これは、インターネットユーザーがオンライン行動がプライバシーを侵害しないとしても個人情報を保護するためにセキュリティーが確立されたプラットフォームやサービスの選択方法に自信がないことを示している。さらに、台湾で偽のニュース・情報に関する警告があるにもかかわらず、調査では43.3%が、専門家の意見を引用したオンラインコンテンツを信じると回答していることが明らかになった。
さらに、調査では、若者は「データ独占」問題に対する認識と行動が不十分であることも明らかになった。50歳以上の回答者と比較して、29歳以下の回答者は、一握りのハイテク企業による個人データの乱用にはるかに無関心で、そうしたリスクに対処する行動も取っていないことが分かった。若い回答者は、プライバシーリスク防止の取り組みにおいて年配の回答者より積極的ではないようで、若いインターネットユーザーが自らのデジタルプライバシー保護の行動を取っていないことも明らかになった。一方、年配の回答者は、誤解を与える情報の危険に対する認識レベルが低く、ほとんど何も行動していないとの結果が出た。彼らは若いユーザーと比較して、真のコンテンツと偽のコンテンツを区別するのに苦労したり、事実を確認せずに偽の情報を共有したりしがちである。
スタン・レオン氏は「オンラインビジネスモデルが進化し続けることに伴い、侵襲的なインターネット監視が一般的な現象になった。今日、インターネットユーザーのデジタルフットプリントは業者や広告主によって収集、販売されている。さらに懸念されるのは、ユーザーのデジタルフットプリントが世論の操作に使用されている証拠が増えていることで、一見信頼できそうな偽ニュースが広く流布され、有権者の認識と意思決定に影響を及ぼしている。われわれは健康上の危険にさらされていると気づけば、自分自身のウェルビーイングの向上に努めるものである。同様に、今こそわれわれは、インターネットの健全性に対する3つの大きな危険のリスクに目覚めるべきだ。これが、Mozillaが調査の実施を決めた理由だ」と語った。
レオン氏はさらに「われわれは調査を通じて、Mozillaがインターネットの健全性のための闘いで蓄積した経験とリソースを台湾の人々と共有したいと考えている。われわれは、情報を安全に入手し、入手したコンテンツの出どころや共有のされ方を理解して、誤解を与える情報の拡散を抑制し、世間にパニックを起こさないようにしようと、全てのオンラインユーザーに呼び掛けている。また、ユーザーは、自らのデジタルフットプリントが望まない者の手に渡らないよう積極的に行動しなければならない。サービスをまたいで認証情報の使い回しを控えたり、音声アシスタントのプライバシー設定の変更を忘れたりしないようにするなどの予防措置は、個人データを過剰に収集されないようにするのに大きな効果がある」と指摘した。
ベンソン・イェ教授は、インターネット健全性の教育の重要性についても意見を述べた。彼は「デジタルネイティブである現代の子供は、誕生日をパスワードとして使用しない、個人データをみだりに渡さない、フィッシング詐欺に注意するなど、オンラインの世界で身を守る術を学ぶ前に、幼い頃からインターネットにさらされている。台湾には、デマやスパムの拡散に対抗する条項からインターネット詐欺を犯罪とする条項まで、サイバー犯罪に関連する20以上の法的規制がある。オンラインの危険に無警戒で無知な子供は、インターネットに飛び込んだ時、意図せず、無意識のうちに法を犯してしまう可能性がある。両親と学校の両方が、インターネットの危険性について子供たちを教育し、インターネットリテラシーを身に着け、オンラインの世界で安全かつ幸せに発育、成長していけるよう、特段の注意を払う必要がある」と語った。
台湾でインターネットの健全性に対する意識を高めるため、Mozillaは2019年12月8日に2019 Firefox Charity Run(https://www.firefoxrun2019.com/#english)を開催する予定で、健康増進とインターネットの健全性問題に対する理解を深めるため、レースへの参加を市民に呼び掛けている。Mozillaは、より健全性が高く、アクセスしやすいインターネットの構築は可能と考えている。
Photo - https://photos.prnasia.com/prnh/20190902/2567421-1?lang=0
ソース:Mozilla