【杭州(中国)2017年3月6日PR Newswire=共同通信JBN】
*日本の音楽ストリームが中国で広がる
日本の音楽フィーバーが中国のハートをつかんだ。中国のオンラインミュージック・プラットフォーム大手のNetEase Cloud Music(網易クラウドミュージック)と日本の最大手エンターテインメント企業のエイベックス・グループ・ホールディングス(Avex Group Holdings Inc.)は2月27日、エイベックスが持つ全ての日本の楽曲に関する中国本土での著作権についてNetEase Cloud Musicに独占的ライセンスを付加する戦略的パートナーシップの構築に関する合意書に調印したと共同発表した。何人かの日本のトップミュージシャンの全楽曲コレクションには浜崎あゆみ、Every Little Thing、倖田來未、大塚愛、AAA、Wagakki Bankの名が膨大なポートフォリオの中に見られる。こうしたミュージシャンの全ての楽曲は、既にNetEase Cloud Musicプラットフォームからストリーム配信されている。
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中国の音楽産業インサイダーによると、何年にもわたって両国の多くの音楽ビジネス企業が交渉して行き詰まった後、「ブレークスルー」となったNetEaseとAvex間の合意は新しい時代の始まりとなる可能性がある。中国の日本音楽ファンはこの合意書調印を祝い、同時に他の日本のデジタル音楽が中国のプラットフォームに加わるよう求めている。
▽中国本土で高まる日本の音楽への関心
中国マーケットでは日本の音楽への関心が活発化し、そのニーズも急速に増加している。NetEase Cloud Musicプラットフォームの使用状況データによると、特にアニメ、漫画、ゲーム(ACG)の関連で日本の楽曲が聴かれる回数が爆発的に増えている。過年度比で日本からの音楽ストリーム配信の数は80%増加している一方、ACG関連は実に280%という増加を記録した。このユーザーの中心は青少年層で、特に1990年以降に生まれたファンであり、中国の音楽文化に大きな転換が起きていることを示している。
NetEase Cloud Musicとエイベックスの提携発表前には、中国には適切な著作権管理を伴った相当数の日本のアルバムコレクションに相当するものを持っていた音楽プラットフォームは一つもなく、日本の音楽への関心を高めている中国のオーディオファンのアクセスを制限していた。この関心の高まりが、音楽を楽しむことができる健全なコレクションを持つ合法的プラットフォームへのニーズを作り出した。
▽NetEase Cloud Musicとエイベックス・グループにウイン・ウインの機会
NetEaseとエイベックスのパートナーシップ誕生に完璧な機会を提供したのは、急速に増加する日本音楽に対するマーケット、および、消費活動の合法的フレームワークが欠如していたことだった。中国のインターネット・テクノロジーの巨人である網易(NetEase, Inc)が2013年4月にオンデマンドの音楽ストリーミングサービスとして発表したNetEase Cloud Musicは中国本土マーケットでの名声とあいまって急速に成長し、中国の音楽ファンが楽曲を見つけて楽しむ大手チャンネルの1つになった。NetEase Cloud Musicは2016年7月までに2億ユーザーのファン基盤を誇るまでになった。中国のミュージック・ソーシャル・プラットフォームのトップの1つになったNetEase Cloud Musicは、洗練されて高度なカスタム化が可能なレコメンドシステムに支えられ、中国の主要ミュージシャン1000人超の完全な楽曲カタログ、数千万曲もの品揃え、膨大な曲目リストと最大のファンを持つ中国音楽の批評家によるコメントを持つ。
日本に本拠を置くエイベックス・グループはエンターテインメント関連子会社グループの持ち株会社で、世界最大級の独立系レコード会社で日本では業界最大である。エイベックスは何年もの間、日本マーケットにおけるレコード販売で卓越した存在で、浜崎あゆみ、Every Little Thing、倖田來未、大塚愛、AAA、Wagakki Bandといった日本の著名ミュージシャンの多くのマネージャーを務めている。
この協力の結果としてNetEaseが得られる中国本土での独占販売権は同社プラットフォームからの日本最大の音楽データベースへのアクセスを確実にする。そして、提携はNetEaseを中国で最大の楽曲コレクションをもつプラットフォームの1つにするという事実以上に、中国の音楽ファンの間で日本の音楽への関心が加速するとみられる環境をつくり出す。エイベックスにとってのパートナーシップの利益は、同社のアーティストや音楽がスムーズに中国マーケットに入れるようになったことである。将来的には協力をさらに深めると予想されており、エイベックスとNetEase Cloud Musicはコンサートや日本人ミュージシャンとファンとの会合などのオフライン・イベント共同主催も視野に入れている。これはミュージシャンにとって中国マーケットのファン基盤を広げる大きな機会となる。中国の音楽ファンに関しては、楽曲の膨大なコレクションを消費できる合法的フレームワークを作る今回の協力によって日本の音楽への増大するニーズがさらに満たされることになり、ファンにとってはうれしいニュースである。
▽著作権のある日本の楽曲輸入に必要とされる合法的フレームワークを作ったのは中国政府の方針
過去数年間にわたり、インターネットプラットフォームの興隆により中国の伝統的レコード・レーベルの大多数は廃業した。ダウンロード用アプリや動画プラットフォームでインターネットから音楽のサンプリング、ストリーミング、ダウンロードをすることが進み、音楽の消費を伝統的に担ってきたメディア、例えばレコード盤、カセット、そしてMP3プレーヤーでさえ、それに太刀打ちできないことが明白になった。マーケットのこの創造的破壊に伴った中国人オーディエンスの著作権の重要性への理解不足により、著作権侵害が横行する状況になった。日本のレコード会社は中国のマーケット状況を敏感に察知していたこともあり、今回のパートナーシップ合意までは、中国の音楽プラットフォームとの協業を全て見送ってきた。
2015年7月以来、中国はデジタル音楽著作権に厳しい監視メカニズムを導入、その結果として適切な著作権に支えられた音楽がマーケットを開拓できる環境を作り出した。著作権侵害の音楽の居場所は狭くなり、適切な保護を受けた日本の音楽はエイベックス・グループの支援の下、政府の方針によるサポートと新しく調印されたNetEase Cloud Musicプラットフォームとの協力により、中国マーケットで拡大する最大のチャンスを手にしている。両者間の取り決めは中国全土のファンから最も広範なアクセスを生み出すだろう。日本の音楽は中国全土の音楽ファンに定着し、彼らは毎日サンプリングし、聴き、そして恋に落ちるだろう。
この環境の変化と両社の取り決めは世界の音楽エンターテインメント産業に正しいシグナルを送り、長い間無視してきた中国の音楽マーケットに関与する扉を開くものだ。特にデジタル音楽で中国本土とほとんど協業していなかった企業にとって、日本のエイベックス・グループと中国の音楽プラットフォームNetEase Cloud Musicのパートナーシップは将来のビジネスの優れたモデルを提供する。
ソース:NetEase Cloud Music