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証券市場におけるブロックチェーン実用化の成功のためには業界の協調が必要

SWIFT
2016-05-20 13:04 1082

【香港2016年5月20日PR Newswire】SWIFT Institute(http://www.swiftinstitute.org/ )が発表した新しい報告書(http://www.swiftinstitute.org/papers/the-impact-and-potential-of-blockchain-on-securities-transaction-lifecycle/ )は証券市場におけるブロックチェーン(ないしは共通分散型台帳)の実用化について詳細な検討を加えている。

「証券取引ライフサイクルにおけるブロックチェーンの影響および可能性」(The Impact and Potential of Blockchain on the Securities Transaction Lifecycle)(http://www.swiftinstitute.org/papers/the-impact-and-potential-of-blockchain-on-securities-transaction-lifecycle/ )と題した報告書は、テクノロジーおよびポストトレードプロセッシングに従事する75団体の個人とのインタビューとフォーカスグループ・ミーティングに基づいている。英国のラフバラ大学経営経済学部のアリステア・ミルン氏とZ/Yen Groupのマイケル・メイネリ氏が作成した報告書は、ブロックチェーンは業界変革の可能性を提供するが、その効果を最大限に享受するために、ビジネスプロセス変革のための時間とリソースを確保する取締役会レヴェルの賛同と監督官庁の積極的支援が必要だと指摘している。

共通分散型台帳は、アクセスおよび更新権を暗号でコントロールすることによって、合意済みおよび有効なデータの共有を可能にする。これを採用すれば、世界の証券取引のポストトレードプロセッシングのコストを実質的に年間400億ドル以上削減するとともに、その他の金融サービス活動におけるコストおよびリスクも大幅に削減する。しかし、危険なのは、テクノロジーが必要とされる企業内部および企業間のビジネスプロセス変革も達成するとの非現実的な期待を抱くことである。今回の調査で分かった重要事項は、ブロックチェーンを全面的に採用するには複数の証券市場企業におけるビジネスプロセスの抜本的な再構築が必要であるということである。

メイネリ氏は「金融サービスおよびメディアの間では、コストとリスクを大幅に削減できる共通分散型台帳の潜在的な可能性が強調され、一部ではこのテクノロジーが金融市場の業務を完全に変革すると指摘する向きがある。しかしながら、現場の人々、政策立案者、業界コメンテーターは一様にテクノロジーを深く理解するに至っていない。ブロックチェーン・テクノロジーは業界にとって重要なメリットをもたらすようにみえるが、ほとんどの人がその方法や理由を正確に説明できない」と語った。

調査(http://www.swiftinstitute.org/papers/the-impact-and-potential-of-blockchain-on-securities-transaction-lifecycle/ )の一環として、両学者は以下の3つの仮設を詳細に検証した。

(1)世界の証券市場のために使用される共通分散型台帳では適切なアクセス階層が必要となる

(2)変化は細分化され実行されるべきか、もしくは業界レヴェルで実行されるべきか

(3)このテクノロジーの恩恵を得るために、既存のビジネスプロセスの大きな変化が必要とされるかどうか

実際、共通分散型台帳のメリットの一部は、比較的簡潔な方法で得られる。例えば、双方の共通台帳で取引実行時のデータを記録することによって取引に対する双方の照合コストの大幅な削減ができる。ブロックチェーンに伴うその他の目標、すなわち決済サイクルのほぼリアルタイムへの短縮、あるいは手作業を省くいわゆる「スマートコントラクト」の採用などは、共通分散型台帳テクノロジーを全く必要としない。

ミルン氏は「証券市場で共通分散型台帳を使用する課題は、技術的可能性を実証するだけでなく、証券会社におけるビジネスプロセスを根本的に変革するために必要な業界における協調を達成することである。ブロックチェーン・モデルに移行することによって、業界がビジネスプロセスを協調する機会が生まれるとともに、ポストトレードプロセッシングで長年おざなりとなってきた非効率性にも対処できる。しかし、ブロックチェーンのメリットを全面的に享受するには買い手、売り手、規制当局からの支援が必要である」と語った。

報告書全文はウェブサイトhttp://www.swiftinstitute.org/papers/the-impact-and-potential-of-blockchain-on-securities-transaction-lifecycle/ )を参照。

▽SWIFT Instituteについて

2012年創業のSWIFT Instituteは、金融業界の現行業務と将来のニーズの理解を深める独立系の調査を支援している。SWIFTが運営し、世界のトップ大学の学者と緊密な協力を進めるSWIFT Instituteは金融業界と学会とを結集し、世界にとって重要な問題に関する新しい発想を追求し、その知識を共有する。

調査は支払い、清算/決済、キャッシュ管理、貿易金融、信託、証券などの分野を含むトランザクションバンキングのさまざまな分野をカバーする。

詳細はLinkedIn: SWIFT Institute、Twitter: @SWIFTInstituteでフォローするか、ウェブサイトhttp://www.swiftinstitute.org/ を参照。

▽SWIFTについて

SWIFTはグローバルな会員制協同組合であり、安全な金融メッセージング・サービスを提供するリーディングプロバイダーである。

同社は金融コミュニティーにコミュニケーションに必要なメッセージングとその標準化を支えるプラットフォームを提供し、また決済ネットワークへのアクセスやシステム統合、金融犯罪コンプライアンスを支援する製品およびサービスを提供している。

SWIFTは、200を超える国と地域にある1万1000以上の銀行、証券会社、市場インフラ、法人顧客をつなぐ通信プラットフォーム、製品、サービスを提供している。SWIFTを活用することで標準化された安全かつ確実な金融メッセージングの実現が可能である。SWIFTは信頼できるサービスプロバイダーとして、国内外の円滑な金融取引を促進し、グローバルな商取引をサポートする。コスト削減、リスク軽減、業務効率化実現の手法、最高品質の業務を絶え間なく追求している。

SWIFTはベルギーに本社を置き、国際的なガバナンスと監督を通じて、組合体制の中立的かつグローバルな特性を発揮する。グローバルなネットワークを介して、すべての主要な金融センターで積極的に活動を展開している。

詳しくはwww.swift.com (http://www.swift.com/ )を参照するか、Twitter:@swiftcommunity (https://twitter.com/swiftcommunity )およびLinkedIn:SWIFT (http://www.linkedin.com/company/swift )でフォローを。

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