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「Payment Data Quality」サービスの開始について

SWIFT
2016-04-22 16:38 2107

SWIFT金融犯罪コンプライアンスサービスを拡張電信送金に関する「FATF勧告16」へ対応

香港、2016422/PRNewswire/ --SWIFTは新サービス「Payments Data Quality」を発表しました。同サービスにおいて、金融機関が送金電文内の送金人及び受取人情報に関する新しい国際要件に対応できるよう、高度なレポート作成機能とデータ分析機能を提供します。

このサービスを活用することで、2012年に公表された電信送金に関するFATF(金融活動作業部会)勧告16http://www.fatf-gafi.org/media/fatf/documents/recommendations/pdfs/FATF_Recommendations.pdf )の順守状況を自行内で監視できるようになります。

FATF勧告が公表されて以来、送金人及び受取人情報に対する監督は厳しくなっています。FATF勧告16は多くの国や地域において既に法制化されているか、今後法制化される予定であり、送金電文内の送金人及び受取人情報の記入義務化が進んでいます。具体的な例としては、欧州連合では2015年に採択された「Funds Transfer Regulation(資金移動規制)」 (http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32015R0847 ) にて、当該情報の入力が2017年より義務付けられることになっています。また、シンガポールも最近FATF勧告16への対応をMAS(通貨金融庁)通達第626号 (http://www.mas.gov.sg/~/media/MAS/Regulations and Financial Stability/Regulations Guidance and Licensing/Commercial Banks/Regulations Guidance and Licensing/Notices/MAS 626 Amendment Nov 15/MAS Notice 626  November 2015.pdf ) で行っており、他地域でもこのような動きが今後予想されます。

この新要件への対応が各国で進むにつれ、世界中の金融機関がコンプライアンス、オペレーション上の課題に直面することになります。送金人や受取人の住所や銀行口座番号などの詳細情報を定型化して送金電文に入力する規定が採用されていない場合は、自動化されたシステムによるデータの特定が難しくなります。また、多くの銀行は複数の決済プラットフォームを運用しているため、送金電文内の情報の充足度を、拠点や事業部門を横断的に把握するのが困難な状況に置かれています。

こうした課題に対応するために、SWIFTは金融業界との連携を密にとっており、SWIFT金融犯罪コンプライアンスサービス責任者のLuc Meurantは次のように述べています。「本サービスは、SWIFTの強みである業界内の協力や標準化の推進と、銀行にグループ全体の決済データの概観を提供する能力によって、SWIFTが金融犯罪コンプライアンス・プログラムの効果や効率の改善に向けた革新的なサービスを提供できるという事実を示す絶好の例です。」

Payments Data Qualityサービス

調査によると、かなり多くの送金電文において送金人及び受取人の情報が欠落しているか、不十分であることが判明しています。Payments Data Qualityサービスは、SWIFTが金融業界と協働して策定した検証ルールに基づき、送金電文を検証します。これにより、金融機関は以下の対応が可能になります。

・送金電文の送金人及び受取人情報の充足度を全行的に把握

・精緻な分析による特定国、カウンターパーティ、またその支店に関する潜在的リスクを検知

・銀行の内部調査やカウンターパーティとの考察時に利用する信頼性のあるレポートを中立的な第三者であるSWIFTから入手

・ウェブベースのプラットフォームを利用、新システムの導入・統合・運用等を不要化

Standard Chartered Bankの金融犯罪コンプライアンス副責任者であるDavid Howes氏は次のように述べています。「金融犯罪コンプライアンスに関連した分野における、送金電文の品質向上のニーズは拡大しています。当行は、SWIFTがコミュニティと協働し、データの品質、透明性、コンプライアンスの改善に向けて、業界の慣行と標準を形成かつ活用できるような仕組み作りに取り組んでいることを大変歓迎しています。」

SWIFTの金融犯罪情報分野の責任者であるBrigette De Wildeは次のようにコメントしています。「金融機関は、送金電文に送金人と受取人情報が標準に従った形で記入されているかを確認することで、規制要件を遵守できます。しかし、現時点ではこの情報が欠落しているか、標準に従っていないか、不十分なことがあり、それによって内容の特定が難しくなっています。SWIFTのPayments Data Qualityサービスによって、コンプライアンス業務を支援する優れた分析とレポート作成機能を活用できると同時に、送金電文作成に関する業界慣行を形成するためのグローバルなプラットフォームが確立されることから、事務コストと運用リスクも軽減できます。」

Payments Data Qualityサービスは2016年第3四半期より提供開始予定です。


編集者注記

FATF勧告16の内容を以下に抜粋します。

「各国は、金融機関が、正確な必須送金人情報、及び必須受取人情報を電信送金及
び関連する通知文(related message)に含めること、また、当該情報が一連の送金プロ
セスを通じて電信送金、又は関連電文メッセージに付記されることを確保しなければならない。

各国は、金融機関が所要の送金人及び/又は受取人情報の欠如を見つけるため、
電信送金を監視することを確保し、適切な措置を講じなければならない。

各国は、電信送金を処理するに当たり、テロリズム及びテロ資金供与の防止・抑止に
関連する国連安保理決議 12671999年)並びにその後継決議及び決議 13732001年)など、国連安保理決議で規定される義務に基づき、金融機関が凍結措置を講じることを確保するとともに、指定された個人及び団体との取引を禁止しなければならない」

FATF勧告全文(勧告16を含む)は、こちらをご参照ください(英語原文)。http://www.fatf-gafi.org/media/fatf/documents/recommendations/pdfs/FATF_Recommendations.pdf

SWIFTの金融犯罪コンプライアンス・サービスのポートフォリオについて

SWIFTのコンプライアンス・サービス部門は、経済制裁、顧客確認(KYC)、マネーロンダリング対策(AML)の分野を対象に金融犯罪コンプライアンス・サービス・ポートフォリオを運営しています。Sanctions Screening、Sanctions Testingに加え、Compliance AnalyticsやKYC Registry等のサービスを提供しています。詳しくはwww.swift.com/complianceserviceshttp://www.swift.com/complianceservices ) を参照ください。

SWIFTについて

SWIFTはグローバルな会員制協同組合であり、安全な金融メッセージング・サービスを提供するリーディングプロバイダーです。金融コミュニティにコミュニケーションに必要なメッセージングとその標準化を支えるプラットフォームを提供、また決済ネットワークへのアクセスやシステム統合、金融犯罪コンプライアンスを支援する製品及びサービスを提供しています。SWIFTは200を超える国と地域にある、11,000以上の銀行、証券会社、市場インフラ、事業法人を通信プラットフォーム、及び各種製品・サービスを提供しています。SWIFTを活用することで標準化された安全、且つ確実な金融メッセージングの実現が可能です。

SWIFTは信頼できるサービスプロバイダーとして、国内外の円滑な金融取引を促進し、グローバルな商取引をサポートします。コスト削減、リスク軽減、業務効率化実現の手法、最高品質の業務を絶え間なく追求しています。

SWIFTはベルギーに本社を置き、国際的なガバナンスと監督を通じて、組合体制の中立的かつグローバルな特性を発揮します。グローバルなネットワークを介して、すべての主要な金融センターで積極的に活動を展開しています。

詳しくはwww.swift.comhttp://www.swift.com/ ) をご覧いただくか、Twitter:@swiftcommunityhttps://twitter.com/swiftcommunity ) およびLinkedIn:SWIFT (http://www.linkedin.com/company/swift ) をフォローしてください。

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ソース: SWIFT
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